リチャード3世は、ばら戦争が終結を迎えたボズワースの戦い(1485年)に敗れて死んだイングランド王です。シェイクスピアの同名戯曲では、彼はせむしで、自分が王位に就くために障害となった王子2人、兄で先王だったエドワード4世の子供つまり自分の甥たちをロンドン塔に幽閉して殺した簒奪者として描かれています。そうした悪行の報いか彼の遺骸は辱められて葬儀もされず、埋葬場所も不明になっていました。
ところがそんなリチャード3世の遺骨が発見されたというニュースを知ったのは、2年前のことです。ウィキペディア「リチャード3世の発掘と再埋葬」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%893%E4%B8%96%E3%81%AE%E7%99%BA%E6%8E%98%E3%81%A8%E5%86%8D%E5%9F%8B%E8%91%ACという翻訳記事で、発掘調査は2012年だからそこからすると10年遅れだったわけですが、読んだときは、ほおおおーと感心しました。調査の成功率は1%などと事前予想されていた状況で見事ビンゴですよ!!!
そして先日、違うメディアでその後の展開を知りました。山田五郎が絵画の解説をやっているYoutubeです。このシリーズ、面白いんですよ。とくにクールベやドガ、セザンヌあたりの回は傑作でした。なんで学校でこういうこと教えないんだろうと思い、ああそういえばクラシック音楽でもチャイコや5人組をめぐるロシアの派閥抗争とか面白いのに教えないよねーf^^;。で、そのYoutubeでミレイの『塔の中の子どもたち』が取り上げられました。この絵に描かれているのはエドワードとリチャードの兄弟、まさしくリチャード3世に殺されたとされる2人なんですが、実は彼らが生きていた証拠が発見されたというのです。これを発表したのはフィリッパ・ラングレーという「リチャード3世協会」のメンバーで、上の遺骨発掘調査でも主導的な役割を果たした女性です。英語版Wikipediaのラングレーの記事を見ると、彼女は2023年にこの説をさらに補強する著作を発表したようで、いまわれわれは「その時歴史が動いた」的な瞬間に立ち会っているのかもしれません!
そういうわけで、俄然盛り上がってきた「リチャード3世協会」とは、そもそもリチャード3世は巷間伝えられるような悪人ではなかったとして、歴史的再評価を求める団体です。リチャード3世の否定的な描写に異議を唱える人たちは「リカーディアン」とも呼ばれるらしい。ほかにも、リチャード3世の傍系子孫で組織された「プランタジネット同盟」というのもあるそうですが、いまこそ時を得たり、という感じでしょう。ますますがんばってー!
ちなみにネットで「リチャード3世協会」を検索すると、アマゾンのTシャツ画像がヒットします。おっ、協会の資金集めなら乗ってやろうかと見たところ、絵柄がどうも変。「リチャード3世協会」の公式ページにもショップコーナーがあって、そこのグッズはリチャード3世が旗印にしたという白い猪のモチーフが共通しているのに、アマゾンのTシャツはぜんぜん違うしUPAEPという文字が書いてある。さらに調べてみると、UPAEPとは「アメリカ・スペイン・ポルトガル郵便連合」の略称で絵柄も一致していました。なにかの間違いなのか騙りなのかわからないけど、勢いで買いそうになったぞ(爆)。
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