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2024年07月17日22:10

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UEFA EURO2024企画(13・終)決勝戦レポート スペイン 対 イングランド 大会総括 

13回にわたったUEFA EURO2024企画、今回は決勝戦のレポート1本のみである。振り返ると、前回大会はコロナの影響により、一年延期され、2021年に開催されていた。大会間隔は3年、丁度その間にWカップ2022・カタール大会が行われている。2021年からの2023年までの4年間でビッグイベントが3度も開催されていると、ファンも選手もずいぶん間隔が短いように感じてしまう。振り返ると、2018年のロシアWカップから、次のEURO2020までは、3年も開いていた。選手達は、コロナ禍を経て、イベントの開催日程が後ろ倒しになることにより、いちから調整し直す。ドイツで1ヶ月間で51試合にも及んだ熱戦は、いよいよフィナーレを迎える。

�〜芦�2021年のEURO決勝 イタリア 対 イングランド戦レポート
2021年7月13日付 企画(8)https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979784984&owner_id=32437106

��2022年Wカップ・カタール大会 決勝 アルゼンチン 対 フランス戦
企画(12)12月21日付 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1983977958&owner_id=32437106

��UEFA EURO2024企画(11)準決勝第1試合 スペイン 対 フランス戦
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987978752&owner_id=32437106

��UEFA EURO2024企画(12)準決勝第2試合 イングランド 対 オランダ戦
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987992812&owner_id=32437106



            <決勝レポート、大会総括>
目次
・第1章 クロージングセレモニー 前半戦
・第2章 勝負の後半戦
・第3章 7月17日(水)次回2028年大会に向けて

 日本時間7月14日(日)28時 スペイン 対 イングランド戦が、ドイツの首都ベルリンでキックオフする。両者の通算対戦成績は、4つの引き分けを挟み、スペインの10勝に対して、イングランドは13勝だった。大会の勝ちあがりをみると、スペインは、準々決勝のドイツ戦は延長120分までもつれ込んだものの、予選リーグから6戦全勝である。一方イングランドは、予選リーグから波に乗り切れていなかった。準決勝までの6試合、90分に限ると、初戦のセルビア戦と、準決勝のオランダ戦のみ勝利した。わずか2勝4分だった。90分での勝率、スペインの5勝1分とは対照的である。

写真=決勝を戦うスペインのヤマル(左側)とイングランドのハリー・ケイン(右側): Getty Images
掲載元 NBC NEWS 7月13日付 
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        第1章 クロージングセレモニー、前半戦

決戦前には、クロージングセレモニーが行われ、ピッチ上に出場24カ国の国旗を縁取ったマークが現れる。ピッチ上から等間隔で火花が飛び散る中、大会アンセンムが歌われた。現地ベルリンは午後6時代、赤みがかった空の下、スタンド部分を屋根が覆うスタジアムの外へと、煙が立ち上った。選手達は、既に入場に備えて、列を作って待機していた。イングランドのキャプテンマークを巻くハリー・ケイン、スペインのキャプテンを努めるモラタは、緊張した面持ちで、まっすぐ前を見つめる。セレモニーが終ると共に、両チームのメンバーは、エスコートキッズと共に、ピッチに現れ、メインスタンド側で横一列に並ぶ。国歌斉唱を経て、両キャプテンによるコイントスを行う。右エンドにスペイン、左エンドにイングランドが付き、イングランドボールで始まった。

 スペインは、立ち上がり1分、今大会の注目株である7月13日に17歳の誕生日を迎えたヤマルがボールを受けた。左サイドバックに入ったルーク・ショーがカバーに入る。ルーク・ショーは、ベリンガムにいったんボールを預けると、リターンパスを受けて、持ち上がった。ハーフウェー・ライン上でカルバハルがプレスをかけて、ボールを奪い、センターバック(ナチョ、ラ・ポルト)へボールを下げて、落ち着かせた。ルーク・ショーは、3年前のEURO2020の決勝イングランド戦では、開始4分に先取点を挙げていた。イングランドは、幸先良くリードしたものの、後半イタリアに追いつかれ、結果的にPK戦の末に敗れ、準優勝だった。
立ち上がりから、スペインが横パスとバックパスを織り交ぜながら、ボールをコントロールする。イングランドは、ヤマルに対して、左サイドバックのルーク・ショーを、ニコ・ウィリアムズに対して、右サイドバックのウォーカーを当てる。中盤でクサビになるワントップのモラタを、センターバックのストーンズとゲイが、代わる代わるチェックする。

 スペインは11分、左サイドバックのククレジャが出したボールを、ファビアン・ルイスが拾い、左サイドを上がるニコ・ウィリアムズにスルーパスを送った。ニコ・ウィリアムズは、ゴール前に飛び出していく。対応するのはストーンズである。ニコ・ウィリアムズは、スペースを探しながら、一端切り返す。ストーンズは、フェイントに惑わされず、きっちり対応する。ニコ・ウィリアムズのシュートを、スライディングでブロックすると、コーナーキックになった。

 写真=ニコ・ウィリアムズのシュートをブロックするストーンズ 掲載元
https://www.telegraph.co.uk/football/2024/07/14/england-vs-spain-euro-2024-final-live-score-latest-updates/
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 イングランドも応戦する。14分、中盤の右サイドを務めるサカが、外から中へ走るウォーカーにパスを出す。ウォーカーは、トップスピードに乗りながら、角度のないところから折り返した。ゴール前に戻ったセンターバックのラ・ポルトが、足を伸ばして、ボールを当てて、ゴールラインを割った。中盤のサカを、サイドバックのウォーカーが追い越して、二次攻撃を繰り出すことにより、スペースが生まれやすい。イングランドは17分にも、サカがボールを持った際、ウォーカーは内側から追い越した。サカに対して、ククレジャがマッチアップし、体を入れて、ドリブルを阻んだ。

 ゲームは、両チーム球際の攻防が激しくなった。33分に、右サイドからヤマルの突破に対して、ルーク・ショーが対応する。ヤマルは、右足でボールを跨いで、縦へ持ち出した。しっかりと動きを読んでいたショーは、体をつけた。それでもスピードには対応できず、無難にゴールラインへボールを出し、コーナーキックを与えた。ヤマルは、ボールタッチが柔らかく、スピーディーな動きで縦へ突破する。屈強なショーは、ファウルをせずに、ブロックした。
 45分、イングランドは、ゴールからおよそ25m、中央やや右からFKを得た。右足でライスが、ゴール前にクロスを送った。柔らかいボールを、スペインのセンターバックのル・ノルマンが、反対サイドにヘッドでクリアする。タッチラインへ流れていくボールに、フォーデンが反応する。左足が伸びきりながら、ボールに合わせて、シュートまで持っていく。インコースに飛んだボールを、GKシモンが、抱え込むようにキャッチした。フォーデンは、無理な体勢ながら、辛うじてフィニッシュに持っていった。

写真=フォーデンのシュートシーン 掲載元 Yahoo UK
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 前半は両者無得点で終えた。ミスがなく、決定機は生まれない状況だった。両チームのワントップ、スペインのモラタとイングランドのハリー・ケインは、共に引き出し役を担い、下がってパスを受ける。キープ力のあるケインに対して、モラタは中盤でクサビになる。ワントップが中盤に引くことにより、サイドにスペースが生まれる。前半にケインはゴール前で、持ち前のキープ力を発揮したものの、ロスタイム前に相手エリア内で放った唯一のシュートをロドリにブロックされた。

写真=ケインのシュートを、スライディングで飛び込んで阻止するロドリ 掲載元
https://www.telegraph.
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両チーム共、サイドバックが守備から攻撃まで、運動量を惜しまず、ハーフ・ウェーラインを跨いで往復運動を繰り返した。45分を通して、ボール際の攻防が激しく、接触プレーも多くなりがちだった。後半は両監督の交代カードの使い方によって、流れが変わりやすい。

            第2章 勝負の後半戦

 後半頭から、スペインのルイス・デ・ラ・フェンテ監督は、起用予定のスピメンディに声をかけて、ピッチに送り出した。代わって下がるのは、アクシデントが予想されるロドリだった。ロドリは目だたないとはいえ、こぼれだまへのフォローが早く、下がってパスを受けるケインにも厳しく対応した。彼は代えの利かない選手である。

 エンドが代わり、右にイングランド、左にスペインが入り、スペインボールで、後半残り45分が始まった。

 立ち上がりゲームは急に動いた。1分、スペインはセンターバックのナチョが、、ハーフウェー・ラインを超えたところの右タッチライン際のカルバハルにパスを出す。サイドバックのカルバハルは、球の勢いを殺さないように右足でタッチし、一列前のヤマルにダイレクトパスを送った。アウト回転がかかったボールを、ヤマルは走りながら反転して受け取る。一瞬対応を躊躇したイングランドのルーク・ショーは、先にヤマルに触られた。ヤマルがボールにタッチした際、中央からダニ・オルモが、ストーンズとウォーカーをひきつけて走りだす。左サイドのニコ・ウィリアムズの前にスペースが開く。ヤマルは、ニコ・ウィリアムズの足元にパスを出した。フリーランニングしたニコ・ウィリアムズは、助走をつけながら、左足のインサイドで狙いすましたシュートを放った。左に体を倒したGKピッグフォードの足先をボールは抜けて、右サイドネットを揺らした。1対0.ゴールをあげたニコ・ウィリアムズは、ジャンプして、右拳を振り上げた。

写真=ニコ・ウィリアムズのゴールシーン 掲載元 Fox Sports https://www.foxsports.com/watch/fmc-qpvpmznsm8u1pqgt
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写真=ニコ・ウィリアムズのゴールシーン(ネット裏)掲載元 EURO NEWS
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大会トップの4アシスト目となったヤマルは、柔らかいボールタッチから、周囲を確認し、ニコ・ウィリアムズのちょうど前にボールを転がした。ボールがきた位置がよかった分、ニコ・ウィリアムズのシュート力が生かされたのである。

 写真=ゴール直後、得点を上げたニコ・ウィリアムズ(左側)とアシストしたヤマル(右側)掲載元 Sports starより
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 一点ビハインドのイングランドのサウスゲート監督は、テクニカルエリアから指示を出した。4分に、万を喫して、左サイドバックのルーク・ショーが、ゴール前に上がる。身長172cmのカルバハルが体をつけて、ファウルなく、ドリブルを抑えた。

 続いてスペインは9分、センターバックのル・ノルマンが送ったボールを、ゴールから30mの位置のほぼ中央でヤマルが受けて、ワンタッチでゴール前を走るモラタにパスを出す。モラタは、前に飛び出るGKピッグフォードを見て、体を捻りながら、右足のインサイドでゴールに流し込んだ。上手く足にボールがフィットせず、ライスにクリアされた。
 GKピックフォードは、センターバックのライスを信頼して、捨て身でプレスをかけて、シュートミスを誘った。

 13分、今度は、ダニ・オルモが、前線へ動くモラタを狙ってスルーパスを送った。中に絞っていたルーク・ショーが、若干躓きながらも、右足でクリアした。

 後半15分、サウスゲート監督は、思い切った決断をした。大会トップタイとなる3ゴール決めている、ワントップに入るケインに代えて、ワトキンズを投入した。ケインは、交代を告げられても、不満を示さずに、ウォーカーの左手にキャプテンマークを巻き、足早に去っていった。ケインは、ゴール前で見せ場がなく、引いてパスを受けたものの、前半ロドリとファビアン・ルイスのチャージを受けて、枠内シュートは0本にとどまった。一点リードを許した状況から脱するには、タイプの違うFWの存在が必要である。代わって入るワトキンズは、スピードのあるプレーヤーである。

 追加点を狙うスペインは20分、ニコ・ウィリアムズが出したボールを、ゴールから35m以上下がったモラタが、右足で落とした。フォローしたダニ・オルモが、左足でゴール前に走るヤマルにワンタッチパスを送った。急いで戻るショーを切り返し、間合いを外したヤマルは、左足で狙い済ましたシュートを放った。左ネットに向うボールを、体を右に倒したピッグフォードが、右手の指先に当てて、失点を防いだ。

 少ないタッチ数でのパスワークからフィニッシュに持っていくスペインの華麗なパスサッカーに、イングランドは後手に回っていた。好セーブしたピッグフォードは、ヤマルのシュートコースを読んでいた。

 絶えていたイングランドは26分、右サイドからサカが走り、エリアのライン上で、センターバックのラ・ポルトをひきつける。ファビアン・ルイスがカヴァーに入ると、ラ・ポルトとの間を狙い、エリア内のベリンガムにパスをした。ベリンガムは、スピメンディーを背負いながら、右足で落とした。ミドルレンジから交代直後のパーマーが、左足でシュートを打った。グラウダーのボールは、GKシモンの右手の指先を抜けて、左ネットを揺らした。1対1.アシストしたベリンガムが、相手をひきつけて、ワンタッチでボールを落とした結果、パーマーの前に大きなスペースが出来た。パーマーのシュートしたボールも、実にきわどいコースに決まった。GKシモンは、速やかに手を伸ばしたものの、コースが良く、届かなかったのである。

写真=パーマーの同点ゴール 掲載元 indian x Press
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写真=パーマーの同点ゴール(ネット裏から)掲載元 EFE 2024年7月14日付
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 36分、スコアをイーブンに戻されたスペインは、センターサークルの左横で、スピメンディがパーマーにプレスをかけて、ファウルなしでボールを奪う。ニコ・ウィリアムズがフォーローし、急いで駆け上がった。ニコ・ウィリアムズには、ベリンガムが立ちふさがる。ニコ・ウィリアムズは、後ろから走るダニ・オルモにボールを預けた。ダニ・オルモは、右足でボールタッチすると、ベリンガムの出際を狙い、エリアすぐ外のニコ・ウィリアムズにリターンパスを出す。ニコ・ウィリアムズは、サカを背負い、右足でボールタッチすると、右横から走るダニ・オルモにパスした。ダニ・オルモは、ヤマルにシュートを託してスルーする。左足のインフロントで、ヤマルはダイレクトシュートを打った。右に体を倒したピッグフォードが、両手にボールを当てると、ピッチ上を大きく弾む。味方のセンターバックのゲイがクリアした。ダニ・オルモがボールを跨ぐことにより、イングランドDFは間合いを外された。ピッグフォードは、しっかりと、ヤマルのフィニッシュに備えていた。

 写真=ピッグフォードのセーブ 掲載元 ALJAZERA
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試合を振出にされてもスペインはペースを崩さず、パスワークは健在だった。41分、ファビアン・ルイスが出したボールを、センターサークルのすぐ先でダニ・オルモが受けて、エリアの外に下がった交代出場のオヤル・サバルに出す。オヤル・サバルは、左サイドを上がるサイドバックのククレジャに展開する。ククレジャは、ゴール前にダイレクトでクロスを送った。ゲイの前に入ったオヤル・サバルは、右足を伸ばしてフィニッシュした。重心を左に倒したピッグフォードの反対側のネットにボールは吸い込まれた。2対1.スペインが勝ち越した。中、外、中とワイドに展開した結果、イングランドのマークがずれたのである。

写真=アシストしたククレジャのクロスボールを送るシーン 掲載元 ABEMA TIME 2024年7月16日11時52分付け 
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ククレジャが出したボールに、GKピッグフォードはキャッチングせずに、オヤル・サバルのシュートに備える選択をした。オヤル・サバルは、反対サイドに体が持っていかれるピッグフォードの意表を尽き、やや手前で足に合わせたのである。ククレジャのクロスの質の高さが、逆転ゴールに結びついた。

 写真=オヤル・サバルのゴール 真上から(CREDIT: REUTERS/Wolfgang Rattay) 掲載元https://www.telegraph
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 写真=オヤル・サバルのゴール 真裏から 掲載元 EFE
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 44分、イングランドは左サイドからのコーナーキックをフォーデンが蹴ると、ゴールから反対方向にボールがカーブする。外側からマークが開いたストーンズがヘディングで合わせた。右に態勢を傾けたGKシモンズが両手で押し出した。前に浮き上がったボールを、ゲイが、ヘディングで合わせる。姿勢を崩していたGKシモンの手はボールに届かない。ゴールをカヴァーしていたダニ・オルモが、ヘッドでクリアした。

写真=ダニ・オルモがゴールを阻止する 掲載元 EFE
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もう一度ストーンズが、体が伸びきりながら、ヘッドする。クロスバーの上へ浮き上がった。ゴールを阻止したダニ・オルモは吼えた。ベンチに下がっているケインは、頭を抱えた。混戦の中、3本のヘディングシュートを打ったものの、ゴールを割れなかったのである。ロスタイム4分が経過して、試合終了を告げる長い笛が鳴らされた。スペインのメンバーは、ガッツポーズし、抱擁を交わす。一方、2大会連続決勝戦で敗れたイングランドのメンバーは、呆然と立ち尽くしていた。

写真=ガッツポーズするカルバハルに駆け寄るダニ・オルモ(CREDIT: Getty Images/Michael Regan) 掲載元 https://www.teregraph
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両者ミスはなく、セカンドボールを巡って、激しく競い合った。前半から複数枚イエローカードが出る中、後半は微妙に接触プレーにナーバスになっていた。前半からボール支配率が高かったスペインが、エネルギーの消耗も少なく、ショートパスを繋ぐことにより、スペースを生み出し、2点を上げた。イングランドは、競り合いでは分があり、カウンターを仕掛ける狙いをもっていた。スペインは、先発したボランチの2枚(ロドリ、ファビアン・ルイス)が、こぼれ球をフォローし、イングランドのセンターを務めるメイヌー(途中からファーマー)とライスをブロックした。個人個人、高いテクニックを持ち味とするものの、わずかな技術の差が、勝敗を分けたといえる。スペインは守備から攻撃までの切り替えの早さと、ショートパスを繋ぐ攻撃スタイルが合わさり、大会随一の完成度の高いサッカーを披露した。キャプテンのモラタが、アンリ・ドロネー杯を掲げて、30日間に渡った51試合の熱戦は幕を閉じた。

写真=アンリ・ドロネー杯を掲げるスペインのキャプテンを務めるモラタ(CREDIT: REUTERS/Kai Pfaffenbach)
掲載元 https://www.telegraph.co.uk/
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 写真=決勝戦のスタッツ 掲載元 All football https://m.allfootballapp.com
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優勝  :スペイン
準優勝 :イングランド


 個人表彰

ベスト・ヤングプレーヤー賞:ヤマル(1ゴール4シアスト)

大会MVP:ロドリ


     第3章 7月17日(水)次回2028年大会に向けて

 大会が終わり、2日が経過した。既にヨーロッパでは、8月から続々と開始される2024−2025シーズンに向けて、各クラブキャンプインしている。EUROのファイナリスト達は、つかの間の休憩を経て、チームに合流する見込みである。大会至上初となる2大会連続準優勝だったイングランドは、チームの体制に変化が起こった。EURO2016終了後に就任したサウスゲート監督が、突如辞任を表明したのである。理由について、「代表チームに変化が必要だから」と話した。1970年9月3日生まれの彼は、EUROについては苦い記憶がある。選手時代、EURO96・イングランド大会に出場し、初の決勝進出をかけて、準決勝のドイツ戦でPK負けを喫した。4年後のEURO2000・オランダ ベルギー大会では、1次リーグで敗退している。コロナにより、大会1年延期になった2021年、21年ぶりに今度は監督としてEUROの舞台に戻ってきた。12カ国により分散開催された大会にて、イングランド代表は、地元ロンドンで行われた準決勝にて、延長戦の末にデンマークに2対1で勝利し、大会史上初の決勝進出を果たす。優勝をかけた大一番、相手はイタリアだった。前半1分に、ルーク・ショウのゴールで幸先良く先制点を奪うものの、後半に同点ゴールを許す。試合は延長120分戦っても、決着がつかず、PK戦の末に、2対3で敗れ、初優勝を逃した。3年後の2024年大会、自国のイングランド・プレミアリーグで活躍する若手が台頭し、戦力はいつになく充実していたものの、ショートパスを繋ぐスペインのサッカーに、対応できず、1対2で敗戦した。試合後のインタビューにて、サウスゲート監督自身も、相手にボールを握られ、体力の消耗が激しかったと、素直にスペインの技術が一枚上だったことを認めている。秋からは、第4回2024−2025UEFA NATIONS LEAGUEがスタートする。スペインは、第3回に続いて、2連覇を狙う。一方イングランドは、第3回大会でリーグAでの成績が奮わず、第4回は一つカテゴリーが下のリーグBにて、再昇格を目指す。秋から、スペインとイングランドはそれぞれ異なるステージで戦い、2025年3月から始まるWカップ欧州予選で、再び同じ目標に向って歩みを進める。

写真=大会終了後の7月16日にUEFAから発表されたベストイレブンのリスト
掲載元 UEFA 公式 X(旧ツィッター) https://x.com/EURO2024/status/1813187214047695099
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 それぞれの国が陸伝いに繋がるヨーロッパ大陸は、フットボールが盛んな地域である。国の中では、民族問題を抱え、地域性が強い場合もある。優勝したスペインは、バスク自治州とカタルーニャ自治州で独立運動が巻き起こっている。現にカタルーニャ州は、非公式ながら代表チームを結成して、親善試合を度々開催してきた。同州には、リーガ・エスパニョーラで、毎年首位を争うFCバルセロナの本拠地バルセロナが属する。カタルーニャが、スペインから独立すると、バルセロナはリーガ・エスパニョーラを離れ、競争力低下を引き起こす。カタルーニャ州は2016年に独立運動が巻き起こり、2017年に住民投票が行われた。賛成票が8割をしめたものの、得票率は4割だった。自治政府は、民意を得ていないと判断し、一旦は独立にむけた手続きを凍結した。確かにスペイン国民は、全て同じ方向に向っているわけではない。カタルーニャやバスクを初め、州によって文化もそれぞれ異なる。南部のグラナダは、イスラムの文化が今なお残っていた。サッカー代表チームの結成に当たって、宗教や出身地などを差別せずに、実力さえあれば、選出される。代表チームが活躍するごとに、民族の壁を越えられる。スペインは、サッカーによって、一つにまとまろうとしていた。

イングランドが属するイギリス連合王国に関しては、サッカーにおいて、それぞれ4つの地域が独立し、チームを結成して、予選に出場している。それぞれの地域をアピールする機会は、国内で盛んなサッカーやラグビーの国際大会だった。次回EURO2028は、イギリス連合王国の4地域とアイルランドでの共催である。

写真=次回EURO2028のロゴ 掲載元 マンチェスター・シティのホームページより
https://www.mancity.com/news/club/manchester-citys-etihad-stadium-to-host-uefa-euro-2028-matches-63832531
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決勝の地は、2021年に行われたEURO2020と同じく、イングランドのロンドンにあるウェンブリースタジアムだった。欧州の各チームは、無駄のないパスサッカーを展開しながら、中盤でハードなプレッシングをベースとしたスペインを見習い、独自のサッカースタイルを構築して、日々切磋琢磨試合ながら試合に望む。サッカーの新時代が幕を開けた。

 



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