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2024年07月12日17:36

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UEFA EURO2024企画(11)2024年6月から7月、欧州議会選挙、フランス下院議会選挙、準決勝第1試合 フランス 対 スペイン戦レポート

       <UEFA EURO2024企画(11)>

 前企画(10)トルコ共和国 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987966663&owner_id=32437106

 18世紀のフランス革命とスウェーデンの自由な時代 2022年7月8日付
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1982734077&owner_id=32437106

  第一部に、6月から7月に開催された欧州議会選挙戦とフランスの下位院議会選挙戦の行方を紹介する。第2部は、準決勝 第一試合 フランス 対 スペイン戦の詳細レポートである。大会はいよいよクライマックスを迎えた。

第1部 6月から7月、欧州の選挙戦

      第1章 フランスの下院議会選挙

 フランスといえば、1789年の革命により、民主主義を重んじる。政治は半大統領制、国会の下院議会によって新任される「首相」と「内閣」、各自治体に割り当てられた選挙人による「元老院(上院)」、他に国民による直接選挙で選ばれる「大統領」が存在する。大統領は外交政策を担当し、議会の解散権を持つ。一方首相は「内政」を担当する。国民が直接候補者を選ぶ下院選挙は、日本の衆議院選挙と同じく、「小選挙区制」を採用した。原則選挙は5年に1回、大統領が解散権を行使すれば、突如行うことがある。

 写真 掲載元 日経新聞 2024年7月9日付
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB087OO0Y4A700C2000000/
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日本の小選挙区制は、投票に限ると1回のみ、2位以下の候補者は、公認を得た政党から比例名簿の順位、または惜敗率を考慮して、当落が決まる。フランスに限ると、比例制度はない。それぞれの選挙区内において、2回制である。1回目の投票で過半数をとる候補者がいれば、「当確」である。次に2回目は、大統領選挙戦と下院選挙戦では異なるシステムを採用した。大統領選挙では、上位2人による2回目の決選投票を迎える。一方で、下院選挙では、1回目投票者の12,5%を獲得した候補者が、次の2回目へ進む。日本のように1回限りに比べると、手間はかかる。2度目を行うことにより、各党により候補者調整をしやすい。有権者側に立つと、1回目の結果を見て、2回目に向けて、冷静に考え直す猶予が与えられる。極端に右寄りになることも、左寄りにもなりにくい。政党間でも2回目の投票に備え、互いに協力して、緩やかな連合を築いて、自らの党の政策を反映させようとする。つまり、一党独裁の防止にも役立っているのである。

下院議員を選ぶ国民議会選挙は前回2022年に行われていた。2024年に欧州議会選挙で、フランスのル・ペンが率いる極右政党「国民連合」が大勝したことを受けて、マクロン大統領に解散の圧力が高まった。6月に入り、国民連合のジョルダン・バルデラ党首(28)が、解散総選挙を大統領に求めていた。

写真=ル・ペン氏(左側)とバルデラ党首(右側)AP通信 2024年6月
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欧州議会選挙戦はフランスの内政に影響はしない。極右「国民連合」を実質トップのル・ペンは、2022年の大統領選挙戦でも争った間柄である。2022年11月5日に、自身の後継者として、党首の座を若い1995年9月13日生まれの当時27歳のバルデラ氏に譲ったのである。バルデラ氏は、2019年から欧州議会議員を務める極端な保守派、移民排斥運動を率い、代理出産や同姓婚にも否定的な立場を表明した。自由貿易協定にも反対し、自国の産業保護を考える。地球温暖化防止策として、現在の経済政策を改める必要があると訴えた。ロシア軍によるウクライナ侵攻については、「侵略」との見方を示した。改めて、ウクライナの主権と領土の一体性を尊重すると、表明している。

マクロン自身が属する中道の政党「再生」は、下院議会で過半数を握れていない。出口調査では、「国民連合」が「再生」を2倍に達する勢いがある。極右政党の台頭を許してはいけない。6月9日に、マクロン大統領は「解散」を発表し、国民議会選挙へと踏み切ったのである。出口調査は、1回目の投票結果を占ううえでは、参考になりやすい。1回目の投票で、極右政党「国民連合」が勝利しても、2回目の投票において、他党との調整が上手くいけば、結果をひっくり返せる。議会の解散を要求した国民連合は、躍進できなければ、確実に影響力は弱まる。マクロンは賭けに出たのだった。選挙戦を前に、6月27日に党首テレビ討論会が開かれた。中道の再生党を代表して首相のアタル氏が出席した。党首はセジュルネ外相が務めるものの、内閣を率いる首相が、政策を訴えたのである。極右のバルデラ党首、また左派のオリビエ・フォール社会党党首の3人が、議論を戦わせた。

 詳細 テレビ討論会 REUTERS 2024年6月28日10時52分付け
https://jp.reuters.com/economy/LS2CDZYDR5P6RLZNC5FXEN6VUQ-2024-06-28/

アタル氏とフォール党首は、互いに歩調を合わせ、バルデラ党首が「人種差別発言をしている」と強く非難した。バルデラ氏は、「信憑性がない」と一蹴する。世論調査どおり、第一党になれば、首相の座に氏名される。右傾化は容認できないとの思いを、中道のアタル首相は、社会党のフォール氏と共有していた。左派の社会党と、極右の国民連合の政策は間逆、歩み寄る余地はない。フォール氏は、党としての存在感を示すため、現政権についても苦言を呈した。「企業に寄り添うのではなく、一般の民衆に富を再分配する必要がある」
社会党が中心となり、小さな党を寄せ集め、「新人民戦線」として初めて望む選挙戦に、改めて勝利に意欲を示した。討論会において、極右の台頭により、アフリカや中東からの移民が排除され、人種差別に伴う、民族間の分断により、治安の悪化が懸念された。後にメディアは、討論会の内容は、票の行方を左右したと、分析している。
 

         第2章 選挙戦の結果

 以下1回目の投票の結果について ビジネス短信 2024年7月2日付


 第1回目6月30日(下院 定数:577)に当開票が行われた。投票率(速報値)は66.71%と前回2022年の下院選挙の47.51%を大きく上回った。
内務省が発表した開票結果(速報値)によると、マリーヌ・ルペン氏率いるRNの得票率は29.25%でトップとなり、第1回投票で当選を決めた候補者数はルペン氏を含む37人に上った。保守野党「共和党」のエリック・シオティ党首が、RNと選挙協力を決めて立ち上げた候補者グループ「極右連合(UXD)」の得票率は3.9%となり、RNと合わせた得票率は33.15%とこれまでにない高い水準に達した。
2位は極左野党「不服従のフランス(LFI)」を軸とする左派連合「新民衆戦線(NFP)」で得票率は27.99%、第1回投票における獲得議席数は32となった。他方、マクロン大統領を支持する中道の与党連合は20.04%で3位となり、第1回投票における獲得議席数は2にとどまった。4位はRNとの選挙協力を巡り党内対立が顕在化した「共和党」で、得票率は6.57%、獲得議席数は1となった。
                                 <引用終わり>

 確かに極右政党は、1回目の投票においてトップに立った。候補者が過半数を獲得できなかった選挙区では、7月7日に2回目の投票を迎える。

 以下 参考リンク、写真掲載元(出展:フランス内務省 / 仏紙ル・モンド) 2回目の投票結果について BBC NEWS JAPAN 2024年7月8日 https://www.bbc.com/japanese/articles/cd1e2x528e9o
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 現地メディアは、左派連合の「新人民戦線(NFP)」が182議席を獲得し、第1勢力となる見通しと報じた。エマニュエル・マクロン大統領の与党連合は168議席で第2党となる見込みである。1回目の投票でトップに立った極右「国民連合(RN)」は143議席、2回目の選挙戦では、候補者が票を伸ばせず、3位に落ち込む可能性が高まった。大統領と首相が属する与党連合は、突如失速した極右国民連合の声を抑えることに成功した。中道と左派が1回目の結果を受けて、右傾化防止のために、候補者取り下げを含めて、互いに譲り合い、一騎打ちの構図に持っていったのである。右傾化を嫌う有権者の票が、中道、または左派の候補者に集り、選挙戦にて、逆転勝利の結果へ導いた。それでも中道の与党連合は、政策が異なる「新人民戦線」より票が下回ったことに、責任感を抱ている。2024年1月9日に、マクロン大統領から首相に指名された35歳のアタル首相は、辞任を表明した。マクロン氏は、留任を要請したことを明らかにした。

 写真=マクロン大統領(左側)とアタル首相(右側)2023年9月頃、当時教育相
出展:Photographer: Ludovic Marin/AFP/Getty Images
掲載元 Bloom barg 2024年1月9日付 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-09/S6ZVAMDWLU6800
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欧州議会選挙とは異なる結果を得られたことは、解散の意義があった。1回目の選挙戦では確かに極右が台頭した。一方2回目は、右傾化が進むことを懸念した国民が、考えを改め、中道、また左派政党に票を投じるようになったのである。

    第3章 6月9日に開票された欧州議会選挙戦の結果

一方右派が台頭した欧州議会選挙戦(定数720)では、計約3億6000万人の有権者が新しい欧州議会議員(MEP)を選ぶ。実施されたのはEU加盟27カ国、6月6日から9日までの4日わたり、集計作業がかかった。投票率は推定51%、前回2019年をわずかに上回った。6月9日夜の初期の開票推計では「欧州人民党」が189議席を獲得する見込みが立っていた。同党はフォンデアライエン委員長が所属する。前回5年前と比べると、有権者の意識が大きく変わった。2020年のコロナ禍による経済活動制限を経て、2022年にロシア軍によるウクライナ侵攻を皮切りに、資源高によりインフレが進む。2023年には、ガザ紛争により、民族間の亀裂が深まった。2019年に票を伸ばしたリベラル派の政党や、環境政策に力を入れる「緑の党」は各国で軒並み議席数を減らした。有権者の関心は、経済政策や安全保障に傾いていた証である。開票推計によると、欧州議会選では「欧州社会・進歩同盟(S&D)」が135議席を獲得し、大方の予想どおり、「欧州人民党(EPP)」に続く第2会派になる公算が高まった。
一方、リベラル派の「欧州刷新」と「緑の党」はともに19議席ほど減らすと予想された。
右派・極右グループの「欧州保守改革(ECR)」と「アイデンティティーと民主主義(ID)」はほぼ変わらず、それぞれ72議席と58議席を獲得する。

 欧州議会選挙について BBC NEWS JAPAN 2024年6月10日付 

 写真 掲載元 X(旧ツィッター)日本経済新聞電子版 2024年6月10日付
https://x.com/nikkei/status/1800011410623152462
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EU加盟国の首脳たちは、欧州議会選挙の結果を踏まえて欧州委員長候補の人選を進めた。6月27日、フォンデアライエン現欧州委員長の再任指名を可決する。併せて、欧州理事会の常任議長(欧州大統領)にコスタ前ポルトガル首相、EU外交・安全保障上級代表(EU外相)にカラス現エストニア首相を指名した。

  写真=カーヤ・カラス首相 2023年6月4日午前11時1分 シンガポールにて 撮影:栗林史子 掲載元 朝日新聞DEGITAL https://www.asahi.com/articles/ASR64517PR64ULFA00F.html
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 環境問題の見直し、移民排斥を掲げる右派政党が票を伸ばしたことにより、中東からの難民申請に対して、選挙前より厳しくなることも予想される。第3党の「欧州保守改革(ECR)」は、まさに極右政党、イタリアのメローニ首相が率いる。新たな人事については、加わらず、疎外された形だった。

 外交や安全保障政策を担う代表にカラス氏が選出されたことを受けて、前任者のボレル氏と同じく、ウクライナ支援を続ける意向が見える。エストニアのカーヤ・カラス氏(1977年6月18日生まれ)は、2021年1月26日に首相の座に選ばれ、一貫してロシアやベラルーシを含む権威主義、または専制主義国家を否定した。旧社会主義圏の国家ながら、独立後先進国の仲間入りをするべく、IT化に力を入れた。モニターを通して、リアルタイムに、遠く離れた人々と会話ができるMicro Softに搭載する「スカイプ」開発元は、エストニアだった。行政上の手続きも99%電子化された。

旧ソ連を栄光の時代と呼ぶプーチン政権は、早くから西欧に近づいていたバルト3国に対しては、敵対姿勢で臨む。2024年2月13日付、バルト三国の閣僚や高官に対して、独自に指名手配をした。その一人が、カラス首相だった。ウクライナへの特別軍事作戦が始まって以降、カラス首相はソ連時代の遺産を公共の場から全て撤去した。ロシア側は、カラス首相の容疑については明かしていない。ロシアと事実上断交状態であることから、カラス首相の行動に影響はない。自身のSNSにて「私たちを黙らせることはできない。我々はウクライナを指示しつづける」と決意をあらわにした。

 詳細 CNN.co.jp 2024年2月14日付 

 日本以上に、コロナ禍による強い規制やその後のインフレに見舞われたヨーロッパの人々は、自身の生活の防衛や、安全保障に対する意識が高い。一つの国に、複数の民族が住むことにより、文化や価値観の違いから、争いになりやすい。ユダヤ人のイスラエル政府と、イスラム教スンニー派の政党ハマスとの軍事衝突は、欧州の人々の間で、宗教差別を引き起こした。過去の歴史上、特定の民族が、差別を受けて、弾圧されてきた。今新たに「共存」について問われている。
 
第2部 <準決勝 第1試合 スペイン 対 フランス>

リンク無記載 google.com/search?q=フランス+対+スペインより
 
 日本時間7月9日28時、準決勝第1試合 スペイン 対 フランス戦が、アレーナ・ミュンヘンで行われる。フランスは、これまでの5試合にて、オウンゴール2つとエムバペのPK1本を含め、3ゴールのみで勝ち上がった。一方のスペインは、少ないタッチ数でパスを繋ぎ、中央からサイドまでワイドに展開する華麗なサッカーで準決勝まで駒を進めた。

            前半戦レポート

 右エンドにフランス、左エンドにスペインが入り、フランスボールでキックオフした。早速フランスは6分、トップのコロ・ムアニが下がってパスを受けて、ゴール前に走るエムバペにパスを送った。センターバックのナチョとラ・ポルトの裏をとったエムバペに対して、右サイドバックのヘスス・ナバスがカバーに入り、左足でゴールラインにクリアした。2010年Wカップ・南アフリカ大会、2012年のEUROを制覇したメンバーから唯一残るヘスス・ナバスは、攻守両面において活躍する。攻撃面では時にドリブラーとしてサイドからボールを持ち上がる。一方守備面では、カバーリングに長けている。シュートを逃したエムバペは、コロ・ムアニに合図を送った。

 続くフランスは7分、右サイドのデンベレが、左サイドのエムバペに展開する。エリアすぐ外で胸トラップしたエムバペは、ヘスス・ナバスを前にしながら、キープする。ヘスス・ナバスと共に後からヤマルも手を後ろに組みながら対応する。エムバペは、ワンステップでクロスをあげた。ファーサイドでバックステップを踏みながらククレジャのマークから逃れたコロ・ムアニが、フリーになり、ヘディングシュートを打った。GKシモンはほとんど動けず、右ネットにボールが飛び込んだ。1対0.フランスは大会6試合目にして、流れの中で始めてゴールを奪った。

写真=コロ・ムアニの先制ゴール(Getty:Images)
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アシストしたエムバペは、ドリブルで切れ込むかのようにみせかけて、ヘスス・ナバスをひきつけた。ヤマルも対応に加わることにより、ヘスス・ナバスとの間のスペースを狙って、クロスを上げたのである。守るスペイン側も、ヘスス・ナバスとヤマルの影によって、ボールが見えにくくなり、コロ・ムアニを警戒しながら、フリーにした。エムバペの的確な判断により、先取点に繋がった。勢いに乗るフランスは13分、右サイドからコロ・ムアニが、ゴール前に上がる3ボランチの左ラビオにパスを出す。カバーに入るヘスス・ナバスがパスコースを消す。ラビオが切り返した際、ヘスス・ナバスの右足に蹴られて、倒れた。主審はすかさず、笛を吹き、ファウルの判定を下し、ヘスス・ナバスにイエローカードを出した。ヘスス・ナバスは、前節準々決勝のドイツ戦の延長後半ロスタイムに2枚目のイエローカードを受けて退場処分が下ったカルバハルの代役である。速い段階でカードをもらうと、接触プレーでナーバスになる。

 押されていたスペインは20分、センターバックの1枚ナチョが出したボールを、センターサークルの後ろ側まで下がったダニ・オルモが、マークについたラビオを交わすかのように反転しながらタッチする。ワントップのモラタがボールをもらいに下がった。モラタは、センターバックのウバメカノとサリバを引っ張り出して、ダニ・オルモが出したボールを落とした。すぐ後ろのヤマルがボールタッチすると、ラビオを前にして、ドリブルコースを探す。左足で右側にボールを動かして、ラビオをひきつけておくと、もう一度きり返し、インステップでシュートを打った。カーブを描いたボールは、山形におちていく。左を意識したGKメニャンは、即座に反対サイドに向うボールに対応し、右手を伸ばす。わずかにボールに触れず、ポストに当たって、ネットを揺らした。1対1.大会トップの3アシストを記録しているヤマルは、EURO史上最年少ゴールを記録した。ボールタッチが柔らかく、ゴールから25mの距離で、正確なキックで得点を上げた。

写真=ヤマルの同点ゴール 掲載元 PLAYNG FOR 2024年7月9日付
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写真=ヤマルの同点ゴール ポストに当たって吸い込まれる 掲載元 Italian 2024年7月9日付 
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息を吹き返したスペインは24分、右サイドバックのヘスス・ナバスが、ゴール前にクロスを入れる。勢いのあるボールを、態勢を低く保ったサリバが、ダイビングヘッドでクリアした。エリアすぐ手前中央に構えたダニ・オルモが、右足を曲げながら、クリアボールを受け止め、右足の甲でボールをコントロールすると、ボランチの1枚チュアメニを交わした。サリバが飛び込んでくると、ダニ・オルモはシュートを打った。GKメニャンは、右に重心を傾けながら、両足を広げる。キッカーから見て、メニャンのすぐ左横のクンデの右足の踵に当たって、ゴールネットに入った。2対1.メニャンの右の足先をボールが流れた際、ゴール方向に直接向っていた。公式記録は当初クンデのオウンゴールだったものの、ダニ・オルモのゴールに修正された。

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ダニ・オルモは、足元のテクニックとボールコントロールに優れ、ペナルティーエリア内で強さを発揮する。フランス側は、速やかな動きでボールを持ち運ぶダニ・オルモに対して、PKを警戒して、接触プレーを避けるようになった。

 前半は、スペインが2対1でフランスをひっくり返して、ハーフタイムを迎えた。わずか4分で逆転を許したフランスは、3ボランチを形成する右のカンテ、左のラビオも高い位置をとり、チュアメニがアンカーとして守備を担う。スペインは、右サイドバックのヘスス・ナバスが、運動量を惜しまず、上下の往復運動が激しくなる。ボールコントロールに優れたダニ・オルモ、質の高いクロスを供給し続けたヤマルの特徴が発揮され、上々の出来だった。

             後半戦レポート

 後半はエンドが変わり、右にスペイン、左にフランスが入り、スペインボールで始まった。開始50秒、スペインは、自陣付近の右サイドまで下がったワントップのモラタが、ボールをもらい、前を向いて、スペースに走るファビアン・ルイスにパスを出す。ファビアン・ルイスは、左サイドを走るニコ・ウィリアムズにスルーパスを出した。思ったよりもボールが長くなり、前目にポジションをとったGKメニャンと、ニコ・ウィリアムズが、ボールを巡って競争する。ニコ・ウィリアムズよりも先に、メニャンはボールに追いつき、スライディングを入れる。両足の間にボールを挟み、速やかに立ち上がると、前線へ大きくけりだした。

写真=メニャンの好プレー 出展:Photo: AP/Matthias Schrader 掲載元 out look
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フランスの守備陣が高いラインを保ったことにより、スペインは一気に速攻を仕掛けたのである。フランスのGKメニャンは、大会シュートストップ率94パーセントは、トップの数値だった
 
 フランスは7分、右サイドからのコーナーキックをデンベレが蹴ると、ゴールから反対方向にカーブする。ターゲットのチュアメニが、ヘディングシュートを打った。大きくバウンドしたボールを、重心を左に移動したシモンが、しっかり救いあげるようにキャッチした。続く11分、左サイドに開いたエムバペに対して、ヘスス・ナバスとナチョが対応する。守る2人は、一失点目を踏まえ、距離を開けずに、手を後ろに組みながら、コースをブロックする。ヘスス・ナバスはしっかりと立ちふさがる一方、ナチョは、切り替えしを入れられた際、バランスを失った。すかさず、エムバペはエリア内から右足でシュートを打った。インコースに球がくることを予測したGKシモンは、腰を落としながら、無難に両手で抑えた。ヘスス・ナバスとナチョが粘り強く守ったことにより、GKシモンは、態勢をしっかりと保ち、ボールをキャッチした。直後の11分、運動量が多かった38歳のヘスス・ナバスは、代表キャップ3試合のヴィヴィアンとの交代で、ベンチに下がった。

 写真=ベンチに下がるヘスス・ナバス 所属するセヴィージャFCのホームページより
https://sevillafc.es/en/actual/news/jesus-navas-starts-euro-2024-semi-final
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 スペインは、モラタが下がってボールを受けることにより、左サイドのニコ・ウィリアムズの前にスペースが生まれる。ニコ・ウィリアムズに対しては、右サイドバックのクンデが対応する。11分のエムバペのシュート前に、ニコ・ウィリアムズとクンデが、ボールを巡って競争した際、やや出足の早かったクンデが勝った。クンデが先にボールに追いついたことにより、決定機を防ぎ、エムバペのフィニッシュに繋がったのである。

写真=クンデ(左側)とニコ・ウィリアムズ(右側)の競り合い 掲載元 
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 ロスタイム5分が表示されると、スペインは、時間を使うかのように横パスとバックパスを織り交ぜながら、いなしていく。フランスは、打開策がなく、そのままタイムアップの笛を聞いた。スペインは、ベンチからいっせいに選手が飛び出し、フィールド上の選手達と抱擁を交わした。対照的に敗れたフランスのキャプテンを務めるエムバペは、仲間達を労うかのように声をかけた。大会6試合で、PK一本のゴールにとどまった。スペイン側もエムバペ対策として、ベテランの右サイドバックを努めるヘスス・ナバスを当てた。身長172cmのヘスス・ナバスは、競り合いでは分が悪い。ベテランらしく、ファウルに気をつけて、ドリブルコースを予測し、しっかりと立ちふさがる。ヘスス・ナバスに対して、センターバックのナチョ、またはラ・ポルトがサポートすると、万全のブロックを築く。本調子であれば、エムバペは、個々のテクニックにより、強引に交わす可能性もあった。後半40分に、ハーフウェー・ライン付近から代わって入ったバルコラが出したボールを、エムバペはエリアの外で受けて駆け上がる。同じく代わって入ったビビアンを難なく右に交わしてシュートしたものの、軸足が滑って、ゴールポストの右上に大きくふかしてしまった。フランスは、大会6試合を通して、流れの中では1点のみ、エースの不調が響いた。スペインは、枠内シュート2本で2得点、決定力の高さが、勝負を分けた。持ち前のパスサッカーを駆使して、決勝戦へ挑む。
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