7/13(火)
初めにUEFA EURO2020のイングランド代表に選ばれたラッシュフォード選手に対する人種差別発言が確認された。心無い国民から壁画に書かれたと被害を訴えている。差別に反対するファンが、落書きを消したことにより、事なきを得た。ラッシュフォード選手は、自身のツィッターにて消去したファンに感謝の言葉を綴った。
ラッシュフォード選手、人種差別被害に言及 壁画の落書き覆ったファンからの愛には「涙が出そうに」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=6590071
6月11日(金)から7月11日(日)まで丁度1ヶ月に渡り、ヨーロッパ11の国と地域で開かれたUEFA EURO2020は、フィナーレを迎えた。
これまで7度に渡り、参加国の歴史を紹介した後、試合のレポートに移った。国が辿った道程を知ることにより、サッカーについてもより深く追求ができる。
今回は、決勝戦のみのレポートである。自国で開催された1968年大会以来53年ぶり2度目の制覇を狙うイタリア 対 初優勝を狙うイングランドの1戦をお届けする。
準決勝のレポート
7月7日付 UEFA EURO2020企画(6)イタリアの歴史 西ローマ帝国の滅亡について EURO2020準決勝 イタリア 対 スペイン戦レポート
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979734137&owner_id=32437106
7月10日付 7/10(土)UEFA EURO2020企画(7)小国主義のデンマークの歴史 準決勝第2試合 イングランド 対 デンマーク戦レポート 米・大リーグ大谷 33号本塁打。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979756511&owner_id=32437106
写真=EURO2020 トーナメントの勝ちあがり表 フットボールチャンネルより 2021年7月12日付
https://www.footballchannel.jp/2021/07/12/post424523/
以下 本編試合中に使用した写真掲載元 詳しいデーター Google
https://www.google.com/search?q=%EF%BC%A5%EF%BC%B5%EF%BC%B2%EF%BC%AF%E6%B1%BA%E5%8B%9D+%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2+%E5%AF%BE+%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89&rlz=1C1BLWB_jaJP577JP577&oq=%EF%BC%A5%EF%BC%B5%EF%BC%B2%EF%BC%AF%E6%B1%BA%E5%8B%9D%E3%80%80%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%80%80%E5%AF%BE%E3%80%80%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89&aqs=chrome..69i57.6775j1j4&sourceid=chrome&ie=UTF-8#sie=m;/g/11fq8913x4;2;/m/01l10v;dt;fp;1;;
第1章 前半戦の戦い
現地時間7月11日、イングランドの首都ロンドンにあるウェンブリー・スタジアムにて、決勝戦イタリア 対 イングランド戦が行われた。イギリス政府は、準決勝以降の3試合、収容人数9万人のうち、最大6万人の観衆を入れての開催を認めた。両チームの過去の対戦成績は、イタリアの10勝9分8敗である。キックオフ前には、スタジアム内の空間に立体的に浮かび上がるVRを使っての演出に始まり、ピッチの中央に高さ30mを越えるアンリ・ドロネー杯のモニュメントが登場する。観客の声が高まる中、スタジアム内には、1960年の第1回大会から、2016年の第15回大会までの優勝チームの、トロフィーを掲げる影像が映し出された。実際のスタジアム内では、第15回フランス大会の覇者ポルトガル代表として、決勝フランス戦の延長線にて決勝ゴールを決めた1987年12月22日産まれの33歳エデルが現れた。彼は、2018年まで代表チームとしてプレーし、現在クラブ活動に専念している。今大会ポルトガル代表は、ベスト16で破れ、連覇はならなかった。彼が所定の位置にトロフィーを置いて、ピッチから離れていくと、いよいよ選手たちの入場である。気象コンディションは曇り、気温摂氏19度、湿度68%、風速3,6m、
写真=試合前にウォームアップする1984年産まれのイタリア代表のキャプテン、キエッリーニ 2008年大会から4大会連続出場
右エンドにイングランド、左エンドにイタリアが入り、イタリアボールで始まった。立ち上がり早々ゲームが動いた。1分50秒、イングランドはトップのハリー・ケインが、ハーフウェー・ラインより後ろの左サイドでボールをもらって、ドリブルで駆け上がる。センターサークルの左横で、右サイドを上がるトリッピアーにパスを出す。トリッピアーを、後ろからウォーカーが追い越していく。トリッピアーは、エリア右斜め45度のライン上でボールをとめて、反対サイドから上がるショウを狙ってクロスを送った。走りこみながらショウは、左足の甲でハーフボレー気味のシュートを打つ。すばやくピッチにバウンドしたボールに、GKドンナルンマはほとんど反応できず、左ネットに突き刺さった。1対0.早くもイングランドが先制点をあげた。ショウは、落ちていくボールに対して、左足で叩きつけるようにシュートしていた。ライナー性のボールを意識したGKドンナルンマは、膝を傾けたばかりで、手が出なかった。ショウはウクライナ戦の2点目と3点目を含めて、大会3アシストを記録していたものの、ゴールは始めてである。
写真=先制ゴールを決めたショウ
会場のボルテージが上がっていく中、俄然激しい展開になった。イングランドは、ケインが下がってボールを引き出す。2列目の右に入るスターリングと左のマウントが前線に張る。大会7試合を通して初めて先取点を許したイタリアは、守勢に立たされながらカウンターの機会をうかがう。下がってパスを受けるケインに対して、センターバックの1枚キエッリーニが対応する。中盤の底からゲームを作るジョルジーニョは、左サイドのマウントのドリブルに対応していた。守備に難があるジョルジーニョが、サイドに引っ張られると、攻撃力の低下に繋がる。30分を境に、イタリアは、センターバック(キエッリーニとパヌッチ)をセンターサークル付近に押し上げて、パス回しをする。中盤の底のジョルジーニョがボールを受けると、イングランドはボランチのフィリップスとライスが厳しく対応した。ジョルジーニョは、左のヴェラッティにボールを預ける。ヴェラッティから、サイドバックのエメルソンがボールをもらう。イングランドは3バックの右のウォーカーがクロスを上げさせないように体を入れた。結果的にボールはゴールラインを割り、ゴールキックとなった。
前半は、イングランドが1点を先取して、折り返した。早い時間で先取点を奪ったイングランドペースで進む中、終盤にイタリアは盛り返した。ボール支配率はイタリアの62%に対し、イングランドは38%、シュート数はイタリアの6本(枠内1本)、イングランドは1本(枠内1本)である。イタリアが唯一崩したのは34分、バレッラが出したパスを、ゴールから40m付近で右ハーフのキエーザが受ける。ファウルを覚悟で止めにいったライスのチャージを振り切るように体を反転して、突破した。エリアすぐ外から左足でシュートを打ったものの、粘り強く追って右足を伸ばしたライスにコースを切られ、ゴール右に大きく外れた。
写真=イングランドのキャプテンを努めるケインとイタリアのバレッラの攻防
第2章 リズムを取り戻すイタリア
後半、イタリアがパスを回す展開である。イングランドは、前半の終盤よりもプレスをかけられず、中盤のスペースをジョルジーニョにとられる。イタリアのマンチーニ監督は流れを引き寄せるべく、8分に手を打った。一気に2枚のカードを用意し、中盤の右に入るバレッラに代えてクリスタンテを、トップのインモービレに代えて、ベラルディを投入した。イングランドのサウスゲート監督は、戦況を見守っている。リードを保ちながら、次第に流れを失いつつある。トップのケインにはボールが入らなくなっていた。
11分、イタリアは左ハーフのキエーザが、ドリブルでエリアに入り、グラウダーのクロスを出す。ライナー性のボールをインシーニエがトラップし、角度のないところから左足を振りぬいた。至近距離から放たれたシュートを、体がやや反りながらも、GKビッグフォードが両手でセーブした。
イタリアは、左サイドバックのエメルソンも高い位置をとる。センターバックを務める1984年産まれの36歳キエッリーニと1987年産まれの34歳ボヌッチは、ワントップのケインを厳しくマークしていた。16分、ミドルレンジからキエーザが、右足でシュートした。低く転がったボールは、右ネットに向かう。体を倒したビッグフォードが左手一本でセーブした。
リズムの良いイタリアは21分、右サイドからのコーナーキックをニアでそらすと、ゴール前でキエッリーニが右足を伸ばして合せる。浮いたボールをヴェラルディがヘディングする。GKピッグフォードは態勢が崩れながら、左手に辛うじてボールを当てるも、後ろにそれる。左ポストにボールが当って、跳ね返る。センターバックのボヌッチが左足で押し込んだ。1対1.イタリアが同点に追いついた。ゴール前で混戦になった中、競り合いの強さを生かして、強引にボヌッチがゴールをこじ開けた。
写真=同点ゴールを決めたボヌッチ
同点に持ち込まれたイングランドのサウスゲート監督は、右アウトサイドのトリッピアーに代えて、スピードのあるサカを投入した。またボランチのライスを下げて、ウクライナ戦で4点目のゴールを決めたヘンダーソンをピッチに送った。
36分、イタリアは、左ハーフのキエーザが前に上がっていく。マグワイアがファウルを覚悟で体を入れる。慌てて戻ったスピードのあるサカの又にボールを通して、入れ替わった際、マグワイアとぶつかって倒れこんだ。キエーザは、足を痛めたものの、自力で起き上がり、一端外に出た。40分に、負傷したキエーザは、ベルナルデスキに代わって、ベンチに下がった。ゲームは、前後半90分で決着がつかず、延長戦に突入した。後半はイタリアに流れがくる中、イングランドは耐える時間が長くなった。交代で入ったサカによって、イングランドはリズムを取り戻しつつある。イタリアは、フレッシュでスピードのあるサカのドリブルには手を焼く。後半終了間際には、ハーフウェー・ライン付近で、右サイドに入るサカがドリブルを仕掛けた際、キエッリーニが服を引っ張って強引に止めたことにより、イエローカードを受けた。
第3章 勝負の行方
ゲームの方は、15分ハーフの延長120分戦っても決着がつかず、PK戦に入った。先手をとったのはイタリアである。1人目のキッカーとなる交代出場のベラルディ、その裏のイングランドのハリー・ケインは、共に成功した。2本目の表のイタリアのキッカーはベロッティ、助走をつけながら、右足でシュートした。コースをよんだピッグフォードが左に体を倒しながらセーブした。
その裏イングランドのキッカーを努めるマグワイアは、ツーステップを踏み、キッカーから見て左に動くキーパーの反対サイドに右足でボールを蹴りこんだ。2対1.イングランドが先行した。
3人目の表イタリアのポヌッチは成功、その裏イングランドのサンチョは、右に動いたキーパーの反対サイドにシュートして、ポストに阻まれた。4本目の表イタリアのベナルディは、真ん中に蹴りこんで成功を収めた。その裏のキッカーをつとめるラッシュフォードは、助走を短くして、右足でシュートを打った。全く動かずにコースを見極めたGKドンナルンマは、左に体を倒しながら両手でセーブした。ラッシュフォードは緊張から助走時に足が止まったことにより、甘いコースに蹴ってしまった。ドンナルンマは、最後までコースを見極めた分、PKストップに成功した。4本目まで終わって、3対2でイタリアが逆転した。5本目の表、勝負を決定付けるキッカーを任されたのはPK職人のジョルジーニョ、準決勝のスペイン戦でも軽々と成功を収めている。ジョルジーニョは、キーパーのピッグフォードの位置を見て、ステップを踏みながら右足でシュートを打った。瞬時に動いたピッグフォードの右指にボールが触れて、ポストの内側に辺り、跳ね返った。PKストップしたピッグフォードはガッツポーズした。
写真=セーブシーン 掲載元 Yahooニュース 画像版元Getty Images
https://news.yahoo.co.jp/articles/38220267a41f9dc6222c798254385c1c4a24a5ab
写真=ジョルジーニョのPKをストップしたピッグフォード
その裏、イングランドのキッカーはサカ、助走をつけながら左足を振りぬいた。左に体を倒すドンナルンマが、両手で防いだ。3対2.イタリアが、国際試合で34戦連続無敗記録を更新すると共に、53年ぶり2度目の優勝を果たした。
写真=サカのPKを阻止するドンナルンマ 掲載元 ゲキサカ.jp 版元Getty Images
会場が静まる中、イタリアのメンバーはドンナルンマの元に駆け寄った。PK戦で、2本目の裏で一度は先行したイングランドだが、3本目から5本目まで、3人連続失敗により敗戦した。GKを比較すると、ピッグフォードも、ドンナルンマも互いに好セーブを続けていた。負けたとはいえ、ピッグフォードは、PK職人のジョルジーニョのシュートを確実に防いでいた。彼は、スペイン戦でのジョルジーニョのPKゴールのシーンを振り返っていたのか、体を大きく揺さぶって、キッカーにプレッシャーをかけた。ジョルジーニョは、タイミングが微妙に狂い、ピッグフォードの動きに合せるかのようにキックしていた。コースは良かったものの、ボールの勢いが弱かった分、ピッグフォードの手にボールが当って、ゴールを阻止された。ピックフォードの好セーブの流れを引き継ぎたかったものの、その裏の19歳サカは逆にプレッシャーにより、甘いコースにけってしまった。サカに対して、メンバーが慰めの言葉をかけた。
第4章 大会総決算 イタリアの記録
イタリア代表は、2019年3月から11月まで行われたEURO予選で10戦10勝、本戦予選でも3戦3勝、トーナメント4試合では、3度の延長戦のうち2度のPK勝利を収めた。イタリアの次なる戦いは、Wカップ予選と共に、第2回UEFAネーションズリーグ2020−2021のファイナル4である。すでに2020年9月から11月のリーグ戦において、上位Aリーグでグループトップ通過を決めている。2021年10月に、Aリーグの各組上位1位、計4チームによるファイナル4を戦う。
写真=MARCA.com
https://www.marca.com/futbol/nations-league/2020/12/03/5fc907c722601d2b0c8b45a5.html
開催地はイタリア、ベルギー、フランス、スペインと共に、トーナメント方式で争う。初戦の相手は今大会の準決勝で顔を合わせたスペイン、EURO制覇の勢いを保ったまま、ホームで行うネーションズリーグのファイナル4を制することができるのか、期待は高まるばかりである。2018年のWカップ欧州予選敗退から完全復活を遂げたイタリアの快進撃は続いていく。
写真=優勝トロフィー、アンリ・ドロネー杯を掲げるイタリアのメンバー 掲載元FOOT BALL ZONE WEB 2021年7月12日付
https://www.football-zone.net/archives/330608
最後に、今回8回にわたって、大会1年延期されたUEFA EURO2020企画として、国の歴史とサッカーの試合をみてきた。歴史を深く読み解くと、サッカーに対する見方が変わってくる。今大会初出場となったフィンランドは、12世紀から19世紀初めまでスウェーデンやロシアの支配下に置かれ、1917年にようやく独立を果たした。サッカーチームの方も同じく、地理的に近いスウェーデンやデンマークの影に隠れ、目立たない存在だった。1938年の第3回フランスWカップの予選に参加して以降、WカップとEUROを含めた大舞台の予選で敗退を続けたのである。今回のUEFA EURO2020でようやく予選を突破し、33回目の挑戦にして初の本戦出場を果たしたのである。大会初戦デンマークに1対0で勝利するものの、続くロシアに0対1、3節目のベルギー戦に0対2で敗れ、ベスト16へ勝ち進むことは出来なかった。サッカー弱小国だった代表チームは、大舞台の出場を機に、新たに一歩を踏み出した。
フィンランドのサッカーチームの関連日記 2021年6月23日付 UEFA EURO2020企画(3)19世紀ロシア帝国統治下のフィンランド大公国の108年 サッカーEURO2020 第3節 フィンランド 対 ベルギー戦のレポート
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979607629&owner_id=32437106
写真=上記の日記から第3節ベルギー戦後、サポーターに挨拶するフィンランド代表チームの選手 掲載元 AFP BB News
https://www.afpbb.com/articles/-/3352831?pid=23455682
優勝したイタリアは、紀元前のローマ帝国から始まり、その後異民族の支配を受け、国は分解した。1861年にイタリア統一を果たすと、第2次世界大戦の敗戦を経験した今なお、国家としてまとまっている。代表チームは、Wカップ優勝4回の栄光を抱えながら、2018年大会は、欧州予選敗退により、出場権を逃した。チームは、新たに就任したマンチーニ監督の下、改革を迫られ、若手を抜擢し、攻撃的なチームに仕上がった。小国がまとまって一つのイタリアになった道程と同じく、サッカーチームも個性豊かな選手が、一丸となり、優勝を勝ち取ったのである。新型コロナの感染拡大により、1年の延期を経て開催されたEURO2020は、ヨーロッパの人々のサッカー熱を感じられる大会だった。
個人表彰
大会MVP GKドンナルンマ(イタリア)
ゴールデンブーツ(大会得点王)
クリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル)
5得点 1アシスト
次点:シック(チェコ)5得点0アシスト
必 ゴールデンブーツ賞は、得点が並んだ場合、アシスト数を考慮される。アシスト数も同じであれば、出場時間が少ないほうに与えられる
アシスト数1位 ツーバー(スイス)4アシスト
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