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2024年05月17日12:17

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(産業経済)「リベラルアーツ」を軽視しすぎた日本社会の代償

Facebookを閲覧していたところ、東洋経済の記事『「リベラルアーツ」を軽視しすぎた日本社会の代償』というのが配信されてきた。5ページに及ぶので、まだ読んでいないが、面白そうな記事だ。内田樹という人の書いた本『街場の教育論』の中に、「日本の大学が1990年代に教養課程を廃止したため、大学生の学力が著しく低下してしまい、新入社員が使い物にならなくなった」ということが書かれている(当該書P97)。この東洋経済の記事は、おそらく内田氏のこの指摘と関連することが書かれていることだろう。

https://toyokeizai.net/articles/-/751904

面白い部分をいくつか抜粋してみた。

【抜粋1】
上記の本のなかで、京都大学名誉教授の中西輝政先生との対談があって、中西先生いわくリベラルアーツの対義語は何かというと「ディシプリナリー」であると。ディシプリンには「境界」という意味があって、学問はだいたいディシプリンで、つまり、限られた範囲の中で考え研究するものだというわけです。

一方で、「リベラルアーツ」は、そのディシプリンに対してリベラルであるということで、現代のように専門性が細分化・タコツボ化してきて、全体を捉えることが難しくなってきているという時代においては、リベラルアーツは領域を横断しながら全体をつかむための一つの知性でとても重要なものだと。中西先生はそのようにおっしゃっています。

(この部分についての感想)
「リベラルアーツは領域を横断しながら全体をつかむための一つの知性」という定義が示されている。

【抜粋2】
アメリカの大学ランキングを見ると、ほとんどの年でトップになるのはハーバード大学ですが、そのハーバード大学に法学部や経営学部など専門系の学部はありません。学部ではリベラルアーツ学部しかなく文理融合的な知識を学ばせています。

【抜粋3】
最近、日本の一部の識者が「実学志向のアメリカに倣って、文学部のような人文科学系の学部は廃止してもよい」と言っているようですが、無知とは本当に恐ろしいことで、こうした事実をよく知らないんですね。彼らに日本でよく知られているハーバードのビジネススクールやケネディスクール、メディカルスクールなどはみな大学院ですよと言うと、絶句してしまうわけです。

(この部分についての感想)
「ハーバード大学に法学部や経営学部など専門系の学部はない」、「ハーバードのビジネススクールやケネディスクール、メディカルスクールなどはみな大学院」というのは、初めて知った。内田樹という人の書いた本『街場の教育論』の中に、「日本の大学が1990年代に教養課程を廃止した」ということが書かれているが、日本の大学教育は、学部の早い段階から学生を専門教育に染めていく方針になっているわけだ。

【抜粋4】
そのなかで、電通の人が「人間が夢中になるものは4つあって、電通はそのすべてがある会社だ」という話をしてくれました。4つというのは、1つ目は研究で、特に広告の世界は人間の感情に関する心理学の研究との接点が多いのだと。2つ目はビジネス、3つ目はアートですね。広告は芸術や創作、表現に関わる仕事だと。そして、4つ目がスポーツで、電通は人が夢中になるものすべてに接点のある会社だという話をしてくれて、ここで働くのは面白いのではと感じたのです。

(この部分についての感想)
「電通」ときいて私が思いだすのが、高橋まつりさんの過労自殺問題だ。彼女は、たしか電通に勤めていたような…。

【抜粋5】
欧米の後追いをしている時代は明確なゴールが見えていましたので、本当の意味での意思決定は求められなかったと言えるのかもしれません。しかし、現代のように先の見えない時代には、大局的で正しい意思決定ができるリーダーの存在が不可欠です。企業の人事部がマネジメント研修などで教養やリベラルアーツを学ぶ機会を増やしているのですが、一朝一夕に解決できる問題ではありません。

(この部分についての感想)
日本の企業では、経営トップに着任する人は、普通はその企業内部でキャリアを積み、内部から昇進して着任する。このため、「大局的で正しい意思決定ができるリーダー」というものを育成する仕組みにはなっていないように思う。
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