抜け殻だけど亡骸ではなく
残骸の脳を揺さぶって
注入できる魂は干上がったのに
充ちていた記憶だけが遠くに見える
埃と石と乾いた風も吹かなくなり
溶接された時間に閉じこもっている
分岐はいつも疎外を強調するから
枝状に分かれた神経は先細って見える
錆びた鉄の塊となり硬直した想いが
柔らかい日差しを遮蔽する理由が
なぜなのか探そうとしていたけど
すべてが後付けで心の中が見えない
愚問の自問で当惑させられる感覚が
もう誰にも触れられない気がしているし
自分の中に辿り着けないで迷っては
救いと絶望を混同させたように見える
逆風さえ吹いてくれない無法地帯の心が
せめて死を希むのは懐かしい苦しみが
生の実感を付与してくれるに違いないと
勘違いしたまま生きているように
見えることなどもう何もないようで
感じ取れる幽かな空気の揺らぎが
感情だったのだと見せかけてほしくて
感情だけは載せられるはずだと思いたくて
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