「Going　My　Way」

　これまでたくさんの努力の結果、日本という国は頑張ってきただけで、気が付いたら「こんな素晴らしい国はない」と世界中が称賛する国になってしまいました。その結果政治家たちは、日本の国をよくすることよりも、自分自身をよくすることに熱心になってしまい、セクハラパワハラに熱中したり、政治資金をちょろまかしたり、森加計桜に有頂天になって、まったく政治に飽きてしまいました。

　だって考えてみてください。もう78年も戦争もありませんし、国土は新幹線と高速道路が整備されてしまったし、九州も四国も北海道も橋やトンネルでつながってしまったし、食べ物にも不自由しませんし、清潔な町は外人に称賛され、多くの観光客が日本に押し寄せてくるし、物価は長い間安定し、失業率も少ないし、大きな事件も起きません。ただ時々地震が揺れるけれど、すぐに復旧するぐらいで、大したことはありません。

　考えてみてください。政治家は今や国の未来を考える必要なんかないんです。ただボーっとしていたら、世界がいろいろ教えてくれて、それに従って「予算」を組んでいればよい。世界のどこかと比較されたら、「補助金」を出せばよい。世界のトップになろうとするから、世界中がガタガタ言ってくる。小さな国だからそれなりのランキングに甘んじてさえいれば、平和な暮らしが営める。世界中がいがみ合って欲張りばかりが出しゃばるから争いになる。日本はみんなは平等に仲良くすることを小さい時からしつけられて、それで社会が成り立っている。「平和が一番」と心底思っている。

　何かあればすぐに「助け合い」が出てくる。災害が起きれば、ボランティアが押しかける。事故が起きれば誰かが助ける。ホームレスにだって悲惨さはない。空き缶や廃棄フライパンを集めれば生きていける。ホームレスの先輩に尋ねれば、やり方は教えてもらえる。何も深刻に思い詰めて自殺なんかする必要もない。生活保護受給者なんか天国だ。非正規労働よりも収入が良い。そのうえ税金も病院もタダ。その上に「子ども食堂」もできて、「食材をタダで配る活動」まである。そんな国がほかにある？

　宗教なんか信じるのはやめよう。キリスト教やイスラム教を見ればわかる。彼らは喧嘩ばかりしている。「私に幸せをください」と欲張りばかりがいがみ合っている。「私は正しいことしかしません。おかげで今日も元気です」という日本人の清い心が、すがすがしい毎日をもらうことができている。こうして日本人の多くが、平和で素敵な人生を満喫して、後世に素晴らしい社会を残して去っていく。

　よその欲張りの国と比較するからおかしくなるんだ。日本人だけの社会の中で暮らす分には、こんなに素敵な社会はない。必要もないインターネットなんか使うから詐欺に引っかかる。スマホなんか持つからアプリ代などイラン金を使わされる。そんなものなくても十分幸せに暮らすことができる。本も読まないし、字も書けない。自分で考えずにAIに答えを聞こうとする。見ててごらんなさい。そのうち「偽AI」が溢れてきて、大勢だまされる時代になるから・・。

　なぜ今婚活やマッチングアプリがはやっていると思いますか？なぜ離婚が3組に一組もあると思いますか？あなたのおじいちゃんの代やお父さんの代には、貴方がたよりはるかに「心豊かな時代」だった。「野菊の墓」や「月よりの使者」で育ち、本気で人生を考え、真剣に愛しあった。「君の名は」や「次郎物語」に熱中した。物欲の時代になって、心がみじめな時代になった。今の社会、政治も経済もその日その日しか考えなくなりました。ウクライナやイスラエルの心配をするよりも、日本の明日を心配したらどうですか？