医療での「科学的」がわたしたちの身近な存在になったのは1990年代に登場した言葉「エビデンス・ベースト・メディスン(EBM)」が始まりとされる。科学的根拠に基づく医療。医師たちが自らの技量や経験ではなく、データや論文、診療ガイドラインを頼りに診断・治療するようになった。
人は他人の言葉や考えよりも数字やデータの方を信用する傾向がある。客観性がもつ力は絶大だ。この30年、いつの間にか医師の威厳が廃れ、医療の現場から人間味が感じられなくなったのはEBMの浸透と無縁ではないと思う。
21世紀も
はや四半世紀がたとうとする。コンピューターの発達や人工知能(AI)の台頭に支えられるデータ社会の到来で、人の言動や社会の出来事まですべてデジタル化しデータとして保存・処理できるようになった。併せて科学の姿が大きく変質してきた。
昔の科学は森羅万象と向き合い、自然界に存在する真理を探究すればよかった。今は自然科学だけでなく、心理学や社会学、行動経済学までも、統計という数学を駆使して「因果関係」を導き、科学の鎧をかぶる。AIの進化がこのまま続けば、未来を予測し、言い当てることだって不可能ではない。
科学が大きく複雑になるにつれ、科学を科学たらしめてきた「再現性」が危機にさらされる。「メタサイエンス」とよぶ科学を科学する研究がアカデミアの世界で注目を集める。
拡張する科学の世界で、科学的にどう向き合えばよいか。
■グーグルマップのクチコミは「サンドバッグ状態」 風評被害を訴える医師ら約70人が集団訴訟へ
(TBS NEWS DIG - 04月17日 18:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=7829535
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