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2024年04月19日22:38

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メモ(情報

医療での「科学的」がわたしたちの身近な存在になったのは1990年代に登場した言葉「エビデンス・ベースト・メディスン(EBM)」が始まりとされる。科学的根拠に基づく医療。医師たちが自らの技量や経験ではなく、データや論文、診療ガイドラインを頼りに診断・治療するようになった。
 人は他人の言葉や考えよりも数字やデータの方を信用する傾向がある。客観性がもつ力は絶大だ。この30年、いつの間にか医師の威厳が廃れ、医療の現場から人間味が感じられなくなったのはEBMの浸透と無縁ではないと思う。

 21世紀も
はや四半世紀がたとうとする。コンピューターの発達や人工知能(AI)の台頭に支えられるデータ社会の到来で、人の言動や社会の出来事まですべてデジタル化しデータとして保存・処理できるようになった。併せて科学の姿が大きく変質してきた。

 昔の科学は森羅万象と向き合い、自然界に存在する真理を探究すればよかった。今は自然科学だけでなく、心理学や社会学、行動経済学までも、統計という数学を駆使して「因果関係」を導き、科学の鎧をかぶる。AIの進化がこのまま続けば、未来を予測し、言い当てることだって不可能ではない。

 科学が大きく複雑になるにつれ、科学を科学たらしめてきた「再現性」が危機にさらされる。「メタサイエンス」とよぶ科学を科学する研究がアカデミアの世界で注目を集める。

 拡張する科学の世界で、科学的にどう向き合えばよいか。社会学者の松村一志・成城大専任講師は「巷でエビデンスとされるものが決定的とは限らない。データや数字で示されたといってもグラデーションがある」と語る。

 人間は、わからないということ、知らないということに耐えられない生き物だ。戦争や紛争、感染症の危機や気候変動、AIの脅威等々。不確実性とリスクが高まる一方、情報の洪水で真実を知ることは難しい時代をわたしたちは生きている。科学的が心のよりどころになるのは必然なのか。

 だが、神のような「絶対性」「万能性」が科学に宿ると信じ、思考停止したまま科学的という心地よい響きに飛びつくのは危うい。


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■早期発見のカギ?がん検診に「PET検査」 専門医に聞くメリット・デメリット【ひるおび】
(TBS NEWS DIG - 04月19日 16:05)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=7832244
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