徒然(洗濯)

幼稚園・小学校の頃は、毎日、来ていたものを洗濯していた。風呂に入る前、着ていたものを脱いだら、全部洗濯籠に入れるように母親に言われていた。合わせておよそ８年間、下着・靴下だけでなく、半ズボンや上着みたいなものも洗っていたように思う。

中学生になって学生服を着るようになった頃、学生服を毎日どころか、１年に１回クリーニングに出すことに驚いた。自宅で洗濯するのは特別に汚してしまった時くらいだった。幼稚園・小学校の時と大きく違ったので混乱した。

この頃、そう言えば父親のスーツを洗濯しているところや、物干し竿にぶら下げて干しているところを見たことが無いことに、何となく気が付いた。父親の着ていたワイシャツは上等なものだったらしく、１週間分をまとめてクリーニングに出していたように思う。母親がアイロンをかけていたワイシャツは、全て自分の学生服の分だった。

高校生だか大学生くらいになった時、何かの折にスーツを買ってもらった。成人式ではなかったように思う。確かＤＣブランドブームが盛り上がっていた頃で、フォーマルなスーツとは違って、ちょっと邪道な要素もあったような気がする。その時に買ったパンツを洗濯籠に入れると、まだ綺麗なのに、と言われて洗濯してもらえなかったことが何回かあった。

ウールには天然の抗菌力があり、衛生面ではそうそう汚れないこと。ウールには生物由来（と言うか羊由来）の油分があって、洗濯する毎に油分が失われていくこと。これらを知ったのは相当後のことだ。考えてみれば、小さい頃から頻繁に洗濯していた服は、コットンか化学繊維のものばかりだったように思う。

下着類等、直接肌に触れるものは毎回洗濯するけれど、トレーナー・スウェット類は何回か着てからでないと洗わない。ジーンズ等、比較的荒く扱っても大丈夫そうなアイテムも同様。セーター等のニットは自宅で洗うと縮みそうなので、１〜２年に１回クリーニングに出す。普段の仕事が私服ＯＫで、スーツは滅多に着ないから、クリーニングに出すことも稀だ。スラックス等は膝の後ろの皺が気になった時、クリーニング屋さんにアイロンだけかけてもらうこともある。

以前、とある女友達に
　え？買った服って着る前に１回洗わない？
　誰がどんな風に試着したか？もわからないんだよ？
と驚かれたことがあった。

小さい頃の自分は、この女友達と似たような感性だったのだろう。今はむしろ無頓着なのかもしれない。