3月19日　「聖なる鹿殺し　ｷﾘﾝｸﾞ･ｵﾌﾞ･ｱ･ｾｲｸﾘｯﾄﾞ･ﾃﾞｨｱ」見る

この日は、ﾖﾙｺﾞｽ･ﾗﾝﾃｨﾓｽという今、第一線で活躍する映画監督の2018年の映画が、今も上映されているのですが、配信で無料でありましたので、再生して見ました。
ｶﾝﾇで脚本賞を取るぐらい評価された映画なので、芸術映画化と思ったら、不自然な事象によるｻｲｺｻｽﾍﾟﾝｽ映画でした。
執刀中の医療事故で患者を死なせてしまった外科医は、その患者の息子と親しくしているのですが。ある日、「家族の誰かを殺さないと３人とも死ぬ」と宣告されて、最先端の医学では解明できないまま子供たちが歩けなくなり、死ぬかもしれない状況を何とかしようとする主人公。やがて不吉な予言をしたその患者の息子を誘拐して監禁、殴りつけ、銃で脅したりするのですが、解決の方法が分からないのです。
家族も、誰か一人を殺さないといけない、という状況を理解すると、何と自分は助かりたいと媚を売りはじめるという非常な家族の話。
ｷﾞﾘｼｬ出身の監督なので、女神ｱﾙﾃﾐｽの鹿を殺してしまったｱｶﾞﾒﾑﾉｰﾝが、代わりに娘を生贄として捧げなければならなくなったｷﾞﾘｼｬ神話からﾀｲﾄﾙは取られたそうですが。
この監督の考えは最後まで非道なままで終わります。悲惨な終わり方をしなくても、監督としては、他の思いつかない手で、家族を救うとかの奇跡を描いても良かったと思いますが。心霊現象のないｻｲｺｽﾘﾗｰで、嫌な終わり方をしてました。
欧米で絶賛されたｻｲｺｽﾘﾗｰ映画を観たい方には、お勧めだと思います。