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2024年03月17日21:12

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す〜さんという私

それまで苗字で呼ばれていたのが、
ある人が突然、「す〜さん」と呼んだ。
あんまり突然呼んだことの意外さ面白さと、
田舎のスナックのカウンターの奥に居座ってそうな呼び方が馴染んだのか、
すぐにみんな私のことを「す〜さん」と呼ぶようになった。

私は当時、父親との関係が悪化していった頃だった。
分籍しようか苗字も変えようか、などとまで考えていたので、
苗字ではなく通り名で呼ばれるのは心地良く受け入れた。



犬の散歩で知り合った人が、
「ウーゴくんのママ」などと私のことを呼ぶ。
率直に言うと、ゲボ出そうなくらい不快である。

ママ?
産んでねえし。
ママ?
育ててもいないし。

百歩譲って、
前の犬は仔犬の時から育てたので、
親心のようなものが無くもなかった。

しかし、犬は、犬だ。
飼い主は、飼い主である。
犬と飼い主という関係であること、
犬と人という異なる動物であることを
忘れてはいけない。

犬を飼うということは、人間社会の中で犬が生きていけるように
飼い主が責任を負う、ということだ。
犬を飼育して、手懐けて、教育する必要が有る。

ママ♪ワンちゃんは家族♪
じゃない。

だから、
「ウーゴくんのママ」と呼ばれると気持ちが悪いのだ。



加えて、私は性自認が身体的な性と違っている。
傍目にはおばちゃんに見えるかもしれないが、
中身はなんでもない。
女性の身体に激しい違和感を抱きながら生きている。

だから、「ママ」と明らかに女性のジェンダーである呼び方をされると
反吐が出るのだ。



歯に衣着せぬように心掛けて書きました。
やはり人前では服を着たほうがいいですね。



そんなわけで、
「す〜さんと呼んでください。」
と言うようにしている。

英語の人にも憶えてもらいやすいのはいいのだが、
あいにく、「Oh, Susan!」と
女性の名前だと認識されてしまって一長一短。
おおスザンナじゃないんであるよ。



SNSのアカウント名も、
本名の苗字と、通称名の名前と、す〜さんという呼び名を
組み合わせて使っている。
私のことを「す〜さん」としか知らない人も多いからだ。
鈴木さんなのか須崎さんなのか須藤さんなのか
そんなこと介さずに私は「す〜さん」なのだ。



東大仏教青年会のオンライン講座でサンスクリットを学んでいる。

日本の仏教研究者の名高い一人、斎藤明先生の講座を
毎年楽しみに受講している。

先生は、ZOOMの社会人講座でも、指す。
輪読の形を取る。
いやー、胃に悪い。緊張する。

と思っていたが、
次第に、積極的に参加する一部の参加者のみを
繰り返し当てるようになった。
ホッ。

しかし、私の向上心がちょいと鎌首をもたげた。
ある日、私は挙手して、訳に挑戦した。

しまった。
それ以来、先生は私を毎回当てる人リストの中に入れてしまったのだ。
うぇー。毎回、念入りな予習が必要になった。
毎回予習はしているのだけれど、それを更に更に念入りにし、
且つ、講座の中で挙手せねばならない。
緊張で胃袋がひっくり返りそうだ。

ある時、先生が私を指名した。
「では次、須山さん」
私はちょっともたついて、ミュートを外すタイミングが遅れた。
「須山さん、いらっしゃいませんか、
す〜さーん」

わーい!
日本屈指の仏教学者に、す〜さんて呼んでもらえた!
ゲラゲラ!
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