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2024年03月13日08:52

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マイクロアグレッション

オスカー授賞式以来ソーシャルメディアで、東洋人(特に在外)が憤慨してるので、ビデオを見直して、そこにある色んな意見に目を通してみた。
でもこれは、Xで日本人をフォローしていなければ、完全にスルーしていたであろう一件。極端に憤慨しているのは全員東洋人で、英では話題に上ることもなく、それ自体がまさしくそこで言われている通りの。。。

色んな国に住んでいる日本人が、日々、職場や家庭で受けているマイクロアグレッションについて記しているので、それについて考えてみた。まず思い出したのは、11月に日本組織で通訳をした際に、日本人の間で同じトピックで話が盛り上がり、一番ひどかったのは?と私に振られた時に咄嗟に何も思い浮かばなかった事。「話題にするような酷い一件」が思い出せなかっただけだ。



ちょうどMe Too movementの頃、テキスタイルデザイナーのリリア(カナダ人)が映画ニット衣装に専念しようとし始めていた頃、私は彼女の旧友デザイナーのファッションショー用のヘッドピース製作を手伝っていた。決めていた時間に東ロンドンのスタジオに行くと、リリアがいつになくあたふたそわそわしている。夜に来るはずだった(大きい映画の話を持ってくる)プロデューサーが一方的に予定変更して今向かっているらしい。ファッションショーも急ぎだったし、私に悪いという事もあり、半分憤慨半分慌てている様子が見て取れた。そうこうしているうちによくシアターにいるような感じのミドルクラスの中年男女ペアが「やぁやぁ」という感じで現れて、私の目の前を素通りし、勝手にリリアのスタジオにある作品をいじり始めた。「ここは住居兼なの」とか仕事と関係ないプライベートに関する質問などを立て続けに放ち、リリアの「ヘイこれは私のスーパーヘルパーのチエで、、、」という声は完全に無視される。チンピラみたいな奴らだなって思ったけれど、その映画の一件がリリアにとって大きな意味を持つ一件なのを知っていたので「サンプルはここに置き、この 糸はもって行くからね Good luck」と口パクして出て行った。

[それから、私はショーピースの件でデザイナーのパートナー、フェラ(クロシェ知識ゼロ)と直接やりとりすることになり、その結果、多少のミスアンダスタンディングがあった。後日、しばらくの間リリアがそのミステイクを私のものだと思っていたことを知り傷つく。それまでに幾つかの大変な寝ず仕事を一緒に乗り切った経歴があるので(彼女は編み機のエキスパートで、その時点でのクロシェの技術と知識は私の方がずっと上だった)、誤解は晴れてもかすかな不信感は私にしこりを残した。]

ファッション界も映画界もそういう世界だ。裏方でいいと思っている私みたいなクリエーターは一生裏方だ。そして、この程度のアグレッションはなら90年代に東京で仕事していた頃の方がたくさんあると思う(わざわざ思い出す気もないが)。
だから、日本でそこに人種の要素を加えた場合、もっと酷いアグレッションがあるのでは?

今から5年も経てば、ハリウッドの白人古株俳優達も、黒人や東洋人やヒジャブかぶった人達とステージをシェアすることにもっと「慣れる」んじゃないの?




買い物をしていると、よく店員と間違われるが、これには大抵すみませんがついてくるので気にしない。ステレオタイプで分類されたと思う時は、快く親切にしてあげる。親切心は日本人の美徳だし、もし相手に悪意があったとしても、悪意に悪意で対処してもしかたない。
V&Aメンバーズカフェに行くと、必ず店員と間違われてしつこく有閑マダムに呼ばれる。間違ってすみませんはない。そういうところでのサービスが後回しなのもミエミエだ。だから、余分に高いお金を払った上に自ら差別を受けにいくような環境に身を置かない。カフェや郵便局やスーパーや銀行で乱雑な扱いを受けてもマイクロアグレッションだとは思わない。あっち側の人だったときもあるし。
逃げ場のないパーティーには行かない。共通の話題のない友人の集まりには行かない。行かなくていい仕事関係の集まりには行かない。
私はもともと内向的な人間であるからして、FOMOとも縁がない。今は独り者でフリーランスだから義理の家族とのしがらみもない私がいうのは簡単だ。
嫌な目にあうのがいやだから避けているとも言える。でももちろん目立つのが好きじゃないからといって無視されたり無意識に見下されて平気という訳ではない。



Microaggression is a term used for commonplace verbal, behavioral or environmental slights, whether intentional or unintentional, that communicate hostile, derogatory, or negative attitudes toward stigmatized or culturally marginalized groups.

ちょうど母の日に娘と話した時、北部出身のフラットメイトのアボガドに対する反応が、昔レイトンバザード(保守党の白人が多い郊外の街)に住んでいた時の日本の食べ物に対する反応と同じで嫌だと怒っていた。確かにレイトンでは、ご飯ものは全部スシと言ってひやかされ、ティーに来た息子の友達には完全にイタリアンのレシピでラザニアを作っても、お母さんにはいつも「somthing Japaneseを食べた」と言っていた。その小学校には、ウチの息子と娘ともう一人香港人ハーフのジョンティ3人しか東洋系がおらず、息子は最初の1年くらいは先生たちに、学年も違うし性質も正反対のジョンティと間違われ続けていた。

それはもう15年も前の話だし、うちは既に母子家庭だったし、Wokeなんて言葉もなかった。当時の私はそれを笑い話にしていた。娘から、自分はそういう無知な人間のそういう発言が大嫌いだけど、ママはイギリスにきた時そういうの嫌じゃなかったのと訊かれちょっとひるんだ。

娘は大学を選ぶ際、「私がダイバーシティー代表みたいになるところには行きたくない」と言っていた。結局そういうところに行ってしまった訳だが、お酒も飲まないしタバコも吸わないしうるさいところも好きじゃないからパーティーにも行かない。だからといってunculturedな発言を投げかけられても平気という訳じゃないのだ。

22年前のリバプール/北ロンドンは、2024年の南ロンドンとは別世界だったし、自分も含め文化的に無教養な人間であふれていた。でも、自ら好んでイギリスに住む事を選び、義理の家族(元夫とその両親)はレイシストでもミソジニストでもなかったので、嫌な事があってもそこまで気にしたことはなかったと娘に言った。

その当時、昔読んだ森瑶子のエッセイに書かれていた彼女の英人夫との英国での生活のミゼラブルさなどついてよく考えてた事を思い出した。文化人教養人の代表とも言え流暢な英語を喋る美しい日本女性が、ソーシャルシーンで受けるマイクロアグレッションにより、自分はチビで醜く自己表現力のない女で、母親失格だと思い込み閉じこもってしまっているイメージは強烈な印象を残した。昔は今の比ではなかったろう。(私の場合は実際に英語が下手で醜かったのだけどあせあせ)その悲劇に自分の姿を重ねあわせたりしたこともある。

そうだ、そういう意味では、22年どころか数年遡るだけで今とは全く違う世界が広がっている。音楽や映画の授賞式や音楽フェスティバルは毎年行われるためにその多様化の進歩がわかりやすい。そしてその進歩自体は良い事であってもそのイベント自体はどんどんエキサイティングじゃなくなってきている。本当の意味でのアンダーグラウンドシーンがなくなってきている?

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大家から家賃£150pcmアップという連絡。それでも相場よりはるかに安い!人間味のある大家でよかった。これで2年は安泰。ありがたやーーー
🥹
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母の日に子供達が送ってくれた、Bloom & Wild は花が眠った状態で郵便で届き、活けると元気になります。もちろん嬉しいけれど、アマゾンと同じ理由で、それが社会にとっていいこととは思えない。まちの花屋さんはなくなっちゃうね。
私が日本の母に花を贈るときは、イーフラワーで地元の花屋さんに直接配達してもらっています。そっちの方が人間味があるなぁ。
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