ロンドン国際戦略研究所のよると、中国の軍事力は陸軍96.5万人、海軍26万人、空軍39.5万人、ロケット軍12万人、武相警察66万人。合計240万人となっています。これにかかる予算は1０.65兆元(34兆８４億円）で、2023年よりも7.2％増、GDPの5％を超えています。1985年��小平が423万人を323万人に減らして以来、1997年50万人、2015年30万人、2019年20万人を減らして、200万人以下となっていた物を今年再び増員に転じました。
これに対し、トランプ大統領は「インド太平洋戦略対話」を提唱し、バイデン大統領もこれを受け継ぎ、「首脳会議級の会議」に引き上げました。21年3月にコロナ禍のためにオンライン形式で初の会議を行い、その半年後対面による会議を開きました。昨年6月広島における会議で4人の首脳は「インド太平洋域が直面する課題に協力して対応する」と約束したと報じれられています。しかし現在、次の首脳会議の日程は何も決まっていません。
問題は「QUAD」で、この3年間で設置された8つの「作業部会」の中身です。「新興技術」「気候変動」、「サイバーセキュリティ」、「インフラ」、「宇宙」、「コロナワクチン」などで、殆ど進んでいないと言います。「作業部会」が「地球規模の問題」に焦点を当てて居り、「インド太平洋地域への安全保障の問題」は「世界規模の問題」よりも後回しになっています。つまり、もし今「中国がインドに侵攻してきたとき」に、日本やアメリカが「どのようにインドを守るか」というような議論は全く行われていない、単なる「額縁の中のスローガン」となっています。
2019年に米国が提唱した「QUAD 」の中核的な議題は「自由で開かれたインド太平洋地域」と言うビジョンを実現するために、「中国の領土拡張主義に対する防波堤」として機能し、「この地域の安定した勢力のバランスの維持につながる」はずではなかったのかと首をかしげたくなります。「ウクライナ」と「中東の戦争」に米国は資源を投入している間に、アジアの防衛を骨抜きにしてしまっていて、そこを狙って中国が軍備増強に乗り出したと言う危険な状態になっています。今年の4〜5月に行われるインドの総選挙、11月の米大統領選挙の隙を突いて、「中国が台湾侵攻」をしてきた場合、大慌てになることは目に見えています。
一時、にぎやかだった「NATOのアジア進出」もウクライナ支援疲れが表面化してストップし、「AUKUS結成」も中身はなく、単なる「オーストラリアに対する原潜輸出」の話を軍事同盟らしく演出したものでした。
なぜこんなことになったのか？一部でささやかれているのは、インドが「対中抑止の安保協力」と受け取られることを嫌がることへの配慮があったと言いますが、だからと言って本来の「対中包囲網形成」を何にもできなければ、「絵に描いた餅」そのものであり、「QUAD」も「AUKUS」も「NATO」も頼りにならず、いざというときには米国は「いくら払うんだ」と日本に迫るトランプ大統領の顔が目に浮かびます。
裏金問題で盛り上がっている暇があったら、ちょっと真剣に「国防問題」にも目を向けたらどうかと思います。明日日本にもミサイルが飛んでくるかもしれません。中国人は本気で「日本は中国の26分の一の小さな島国で中国は大国だ、日本は中国のGDPの2，5分の1の小国だと信じさせられています。しかも今、「未曽有の経済危機」に陥っています。反日教育が徹底しています。危なくてしょうがありません。今こそ本気で自前の「中国殲滅計画」を立ててください。それが中国に漏れれば「最大の抑止力」になります。
コケオドシの「DUAD」なんかに頼っている場合ではないと思います。
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