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2024年02月25日06:05

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プラスチックを食べる微生物

海に広がるマイクロプラスチックが問題になっています。無限に細かくなって、海洋生物に取り込まれ、やがて人間の身体に蓄積していく恐ろしい物質で、毎年800万トンのプラスチックが海に流れ込んでいると推定されています。

こうしたプラスチックは自然環境では分解されず、ペットボトルなら数百年もそのままの状態で残るというので、マーガリンやマクドナルドのハンバーガーに似ています。深刻化するプラスチック汚染は、世界が直面する最大の環境問題の1つでしょう。

ところが、スイスのアルプス山脈でプラスチックを食べる菌類が発見されたというのです。学術誌に掲載された研究によると、スイス・アルプスのグラウブエンデン地方で見つかった微生物は、PUR(ポリウレタン)、PBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート)、PLA(ポリラクチド)という3種類のプラスチックを消化できるというのです。

PURはマットレスや体育館用シューズに、PBATとPLAは堆肥化可能なビニール袋や、マルチフィルム(園芸用フィルム)に含まれています。研究グループは、ヴァル・ラヴィラン渓谷(グラウブエンデン)の「ムオット・ダ・バルバ・パイダー」の頂上にプラスチックを埋めました。

その後、その上に生育している生物の土壌サンプルを採取したところ、19種類の細菌株と15種類の真菌株が見つかりました。このほかにも研究があります。別の研究者は世界数百カ所から集められた環境DNAサンプルを分析してみました。

この調査では、一般的なプラスチックを分解できる可能性がある微生物酵素が、3万種類も見つかったとのことです。陸と海、両方の微生物から発見されました。たとえば、陸上のプラスチックで多いのが、フタル酸系のプラスチック添加物です。

これはあらゆる処理に使われるもので、生産や廃棄の過程で流出しやすいのです。そのために陸上の環境DNAサンプルからは、こうした陸にたくさんあるプラスチックを分解できる酵素がより多く見つかっています。

一方、海のサンプルからは、水深が深くなるほどにプラスチック分解酵素の量が増えることが明らかになっています。これは深いところほどマイクロプラスチックが多いことと関係しているようです。

世界中の陸と海の微生物がプラスチックを分解する能力を手に入れつつあるのです。プラスチック汚染のレベルに比例して微生物が分解能力を持つようになるに違いないというのです。一般にプラスチック汚染がひどい地域ほど、微生物が持つプラスチック分解酵素が豊富である傾向も判明しています。

この発見は、深刻さを増す世界的なプラスチック汚染が、自然環境に与える影響の解決に向けての糸口にもなるはずだというのです。
「島村英紀先生が書いた『夕刊フジ』のコラム」より 1月19日の記事参照

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