3歳児が胃腸炎で下痢になって、やっと直ったと思ったら今度は全然うんこ出ねえ。
・ウルフ・オブ・ウォールストリート
最高にブチ上がるツカミから始まると、これから3時間もこれが続くの?!と思うが本当に最後まで続くから凄い。全編刺激的なカネとエロスとFワード、下劣だがキレてるギャグで埋め尽くされ、ディカプリオやジョナ・ヒルらの卓越したイカれ具合のバンズで挟まれたごってりバーベキュー金箔バーガー。登場人物はほとんどクズ揃いで呼吸するように粉を吸い、局部こそ出ないものの(ボカシあり)AVと見紛うレベルでファックし、常に誰かの悪口で溢れているが、妙にさっぱりして後腐れがなく爽やかさすら感じる。スコセッシ監督、フリオチのしっかりしたわかりやすいコメディを軽やかな音楽と共に、テンポよく現代的に見せられこんなにゲラゲラ笑わされるるとは思っていなかった。ド傑作。
・マッド・ダディ
これは人の親という閉ざされた空間からの解放の物語なのだろうか?期待していたブチ切れクレイジーなニコラス・ケイジも勿論最高だったのだが、イケてた若い頃から親になり家族になり、幸せだと自分に言い聞かせながらストレスを溜め込むニコラスの苦虫を噛み潰すような表情が出色で、ビリヤードのシーンにはめちゃくちゃ共感してしまった。
ニコラスばかりでなくセルマ・ブレアのガンギマった目つきも見逃せない。目を血走らせて子供を襲う親たちの姿はダッシュ系ゾンビ映画さながらだが、我が子を殺した直後に他の子にはにこやかに挨拶したり、逆に親に殺されそうな子を助けたり、うっかり他の子を傷つけて「やっべ、やっちゃった」みたいになったりと「自分の子供」以外は殺害対象外なのも不気味で新鮮。爺婆→父母→娘息子にボーイフレンドまで加わったドリフのような大騒動は爆笑モノだ。
愉快なバイオレンスコメディか、自己の喪失の物語か、原因不明で結末も不明瞭なところに消化不良感を抱くか、「どうにもならない」ことを色々察して諦めをつけるかで評価が分かれる作品だろう。この問題はおそらく簡単には解決しないから。ことにアメリカではね。
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