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2024年01月06日05:16

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【映画】2012年ベスト1作品 『汚れた心』再々見

昨日、御縁がありましてブラジル出身の方と酒席を御一緒になり、ブラジル映画として2007年度の『シティ・オブ・ゴッド』を挙げたのですが、ブラジル映画他にもあったよなぁと思い返してみてみると1999年にはブラジル在駐米大使の誘拐事件を扱った『シン・レッド・ライン』、『ノッキング・オブ・ヘブンズ・ドア』が無ければ余裕で同年の一位確定の大傑作『クアトロ・ディアス』、2012年最も面白い映画として「ブラジル映画祭2012」で観た大傑作『トゥー・ラビッツ』、そしてユーロスペースにて予告編で掛かっていた本作であり2012年ベスト1にした本作『汚れた心』がありまして、検索してみたら完全版がユーチューブにて無料配信されていたので再見。バロック絵画を思わせるような画作りと松本晃彦先生によるスコアが印象的な本作。ブラジル映画でありながら台詞の95パーセントが日本語なので問題なく視聴出来ますし、10年ぶりに再々見致しましてもラスト近くのタカハシの告白には号泣致しました。


https://www.youtube.com/watch?v=qhFZnkwnzk0&t=9s
(Corações Sujos)


以下は最初にユーロスペースにて本作を観た時の感想になります。



第二次世界大戦後のブラジル。サンパウロ州の小さな町では、大勢の日系移民が生活を送っていた。ブラジル政府に抑圧され、日本に関する情報を遮断されている彼らは、未だ日本軍の勝利を信じて疑わない。写真館を営むタカハシ(伊原剛志さま(*^^*) ポッ(*^^*) ポッ)もその一人だったが、妻のナオミ(常盤貴子姐さん)と慎ましいながらも愛のある生活を送っていた。
そんな時、元陸軍大佐ワタナベ(奥田瑛二さま)が、タカハシに日本の勝利を信じない一部の日本人の殺害を命じる。タカハシは迷い苦しむが……。

この映画、最終日にようやく観る事が出来ました。いきなりこんな事を書くのも変ですが「評価が真っ二つに別れる」ことは絶賛派の自分が観ても否定できない事であります。まず「定石通り」に演出が進むのにはビックリ仰天。監督さんの狙いがこれほどまでに分かる映画も珍しいと思った次第。ですがラストシーンだけは「定石」を分かっていながらひっくり返しています。これが絶賛の理由の一つ。

もう一つは「國賊」と言う文字が書かれるところから始まる衝撃のオープニング。文字の持つ力が此れほどまでに描かれた「映画」はそうザラに無いと思います。

そして、太陽の下燦々と輝くばかりの笑顔を持つ「タカハシ」と言う男の「贖うことの出来ない罪」を背負った伊原剛志さまの名演\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/真面目に「記録映画」として留めておくべき作品であります。

アソシエイト・プロデューサーとして奥田瑛二さまが名前を連ねておりますが、良くぞこんな憎まれ役を買って出たなぁ……
と感心しておりますし、「負け組」の綿花工場のオーナーを演じた菅田俊さまとその奥方を演じた余貴美子姐さんは流石の貫禄。名前は存じませんが「負け組」の通訳の方のキャラクターが自分にとっては深く突き刺さるものがありました。

「勝ち組」に居た方が心情的にも、立場的にも楽なのは本人も自覚しており、日本の文化・伝統を愛する事では皆様変わらないのは羽合での移民の方々と話してみてシミジミと実感する事柄ですし、現に「日本古来の日用品」は、海の向こうの方が大事に取っておいたりするのは間違いない事実であります。

評価は別れる作品でしょうが「海の向こうの大陸でこの事実があった」と言う事だけは決して否定して欲しくないのであります。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2012年8月31日 渋谷ユーロスペースにて鑑賞)

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