戦士の心得

右腕が痛い。

・ヒート

やたら登場人物が多いが目立つ奴だけ覚えときゃOK。悪党ばかりなのに仲間思いで強い絆で結ばれた強盗団と彼らを追う仕事の鬼、敵味方ともプロフェッショナル揃いな男たちの中、ひとりアクしかないエグ味を吐き続け物語を引っ掻き回す疫病神ウイングローの異物っぷりが目立つ。
ぶっちゃけ、ドラマ部分はいささか退屈なのだが、先がどうなるか気を持たせるストーリーと、特にデニーロの色気と哀愁に溢れた表情で何となく魅入らせてしまうのはさすが。余計な説明もなく端々から人物を浮かび上がらせ、全て見せなくても何が起きたかわかる演出、オシャレな映像なのにキレた演技、ハードで緊張感溢れる銃撃戦、デニーロとパチーノの敵同士なのに徐々に認め合いリスペクトし合う奇妙な関係の爽やかさが噛み合ってバランスをとっている。170分の長尺ながら残り1時間からずーっとクライマックスのスッゴイ作品。

・五福星

あってもなくてもいいようなストーリーにショートコントの連続のようなゆるーいコメディがメインでカンフーアクションのボリュームは少なめ。とはいえサモハンはキレキレだし、他のメンバーもそれぞれコミカルで笑える格闘を見せてくれる。
ジャッキーはメインストーリーにほとんど関わらずサモハンとの絡みも飲食店でのコンビネーションくらいだが、出番はそこそこでさすがのカンフーや、翌年の「ポリス・ストーリー」に劣らない圧巻のスタント。
ただしいかにも主演3人のような扱いとなっているユン・ピョウはほとんどカメオで出番は5分もない。パッケージ詐欺と言ってなんの支障もないだろう。