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2023年08月16日12:08

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後輩の終わり/常在ガチ

◆後輩の終わり

ここ一年、薬がハマってべらぼうに調子が良かったから。
ここ半年、定期的に東京に出張行っていたから。
前回の結果に悔いが残っていたから。
いつもの面子が仲違いをしていたから。

「やらないか」と誘われてホイホイついて行ったのは、幾つかの偶然とそうすべき理由があったから。
でも、結局のところは、
一人ぼっちなのが、とてもじゃないけど見ていられなかったからなんだと思う。

自分では数年前とはまるで別人みたいに動いたと思う。
段取り、プレゼン、打ち合わせ、仕様決定、進行管理、焚き付け、モチベーション管理、編集、発注、あいさつ回り。
そこから派生する企画のデザイン。
与えられた枠の中で動くのではなく、コンセプトを解釈し、正しく枠を広げながらベストを尽くす。
いや、何でこんな自分動いてるわけ? ってなったし、何ならあやふやなコンセプトに突っ込んだり企画で外から補強したり、これ絶対一カ月前から合流した人間がやる仕事じゃないでしょ阿呆か、ってなった。

そこでようやく、自分はあの日の遠い背中に追いついて、あるいは追い越しているんだなと気づいた。
記憶の中で神格化された無敵超人たちはもういなくて、追い越すべき背中はもうなく、ここからは自分で行く道を決めなくてはならなかったのだ。
……いや、おっかなびっくりだけど、自分の道は自分で探してはいたか。
ようやくこの二つが、一つに繋がっただけで。

ずっと「先輩」と呼んでいたけれど、これからは「友達」って書こうって思った。



◆常在ガチ

物語の中心はいつだってwho are you? だと思っている。
人間は無限にアイデンティティーを探し続けてきたし、それを手に入れた人間は無限にそれを表現して生き続けているって、思う。
だから、何かを描くことは、キャラクターのwho am I?だし、クリエイターのThis is me. だし、それは見る人にとってのwho are you?だ。
人が語る事なんてどこまで行っても自分のことなんだし。

だから、「本気で書け」って言ったら、自分のことを書くしかないじゃんって、当たり前のように考えていて、そしてそれを理解している人っていうのは驚くほど少なかった。
だから、「年取ると本気を出せないもんだ」って聞いた時、そっかーという納得とともに、「マジかよ馬鹿じゃん」っていう驚きがあった。
誰に何を遠慮して、誰の何を恐れて本気出さないのかは知らんけど、それなりにコスト払っておいて本気出さないとか、空しくならない? って思う。

島本和彦は、自分は自分の人生という漫画の主人公であと、だから常に本気なのだと言っているらしい。
少し自分の考えに似ている。
自分は、人生という荒野を一人で進んでいると思っている。
何があっても頼れるのは自分だけで、だから漫然と歩く暇なんてない。
手を抜いて歩けば行き着く先は死しかなくて、そんなことするくらいなら今この場で死んだ方が良い。

だから、己の語るべきを本気で語ってくれる人間がいるのは、とても嬉しい。
だから、本気で生きていない人を見ると馬鹿なんじゃないかと思うし、本気で書けと言われてあの程度しか書けない人間は普通に馬鹿なんじゃないかと思う。



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