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2023年08月09日23:41

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ブラックマサコに栄養を

これが100年も前に書かれた文章!?、
と驚かされながら、
数日前から林芙美子の
「放浪記」を読んでいる。

なんでこんな古い本を
読んでいるかというと、
先月の『100分で名著』
で取り上げられていて
俄然読んでみたくなったから。

今まで私はこの放浪記は
文語体で書かれた、
健気で幸薄き女性の
貧乏くさい一代記と誤解していた。

でも全く違っていた。
まず口語体だし、
日記だから読みやすいのだ。
(森光子演じる舞台の「放浪記」は
 昭和の男性が自分達に都合よく
 脚色した別物だったのだ!)

なによりも
躍動感溢れた本音のオンパレードで、
読むだけで
自分の中のブラックな部分が呼応し、
祓われていくよう。

そこで写経(?)のつもりで
ちょっと書き出してみると、


★えへだ!
 あんなに大きな数字を毎日毎日
 加えてゆかなくちゃならない世界なんて、
 こっちから行きたくありませんよだ。

★富士山よ
 お前に頭をさげない女が
 ここに一人立っている。

★本当に死にたいなんて考えないのだけど、
 私はまるで兎がひとねむりするみたいに、
 死にたいと云うことを心安く云ってみる。

★この人は有難い程親切者である。
 だが会っていると、
 憂鬱なほど不快になってくる人だ。

★あの編集者メ、
 電車にはねられて
 死なないものかと思う。 

これらを読んでいると、
日頃のうまくいかないことや、
心がクサクサすることに対して
「まぁまぁ、
 生きてりゃ
 そういうこともあるよ。
 生きてくってことは、
 そういうことよ」
と言ってもらっているよう。

少し前にあさイチに出演した
ジェーン・スーさんが
「自分の感情の蛇口をキュっと締めて、
 感情を流出させないでいることが続くと、
 感情の流れが止まって
 しんどくなってしまう。
 だから時にはその蛇口を開いて、
 感情をジャージャー流してあげると元気になる」
というようなことを仰っていたが
放浪記の文章はまさにスーさんの
水道の蛇口論に相通じるものだ。

今回のEテレで放浪記の解説役をした
小説家の柚木さんが
芙美子が色紙を求められると
書いていた言葉を紹介していて、
それは
「花のいのちはみじかくて
 苦しきことのみ多かれど」。

でも本当はこの先があるといって
読み上げていた言葉が
素晴らしかった。

この続きの言葉を芙美子は
心を許した同業者にだけ書いたそう。

それはワルな自分がいることを
認めた人が書くからこそ
輝きを放っているのだと思う。

それは

「風も吹くなり
 雲も光るなり」。

だから通して書くと

”花のいのちはみじかくて
 苦しきことのみ多かれど
 風も吹くなり
 雲も光るなり”

これが私の頭の中で
今もこだましている。
そしてこれからも
残響していくだろう。

とにかく
芙美子、かっけー!!
(^^)/

台風の進路が悩ましいですが、
それぞれに
良いお盆期間でありますように。

【補記】
(1)8/1付でHP更新
   http://oneself.life.coocan.jp/

(2)認定トレーナーの開講日程 を7/26付で更新
   http://orion-angelica.jp/oneselfcard/

(3)この内容とはまた違う観点で綴る
   「ワンセルフカードの広場」
   https://ameblo.jp/oneself2012/
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