シリーズ17・18・19はおっさんの若返り転生シリーズでしたが、
今回の3作は、転生後も以前の習慣が抜けない人々をピックアップしてます。
人間、生活に伴って身に付いた習慣と言うものはなかなか抜けなくて、
かく言う私も転生とかしたら厳しいだろうなあっと。
特にシリーズ17の「グランドワーフ 町工職人、匠の技で異世界無双」
の主人公は70歳。この物語は、転生後も自身のままだったので、
年齢に態度を合わす必要がありませんが、ストーリー的に10代前半の外見と、
70の荒くれおやじの態度とのギャップをアクセントにしています。
それに対してシリーズ18「キルアオ」の主人公は元々は工作員で、
中学生に成りすまさなければいけないのに、ボロが出まくりでも、
「若返るはずない」と言う概念に守られて、
「時々おじさんくさい」領域で納まる所にギャグを押し込んでいます。
シリーズ19の「最強の黒騎士、戦闘メイドに転職しました」の場合、
年齢ギャップは少ないですが、性別まで変わっているのですが、
主人公がメイドとして所属する暗殺貴族の一家は「そんなものか」で済んでますし、
黒騎士部隊の面々は、疑問やなつかしさを感じるものの、
基本荒くれ野郎なので気にしません。
そこに転生前と同じ立場になりつつある主人公、
ストーリーはどんどん、単に姿が少女に替わっただけじゃないか、
と突っ込みを入れたくなる状況になりつつあります。
転生って何なんでしょうね?
世界線が変わるタイムスリップなんかも転生の一種かと思います。
そこを含めると、今まで一番インパクトがあって筋が通っていると思う物語は、
半村良氏の「戦国自衛隊」だと思います。
いきなり戦国時代に放り込まれた理由。断片的なヒント。
歴史の強制性が発揮された瞬間、自身の正体に気づく主人公。
私が小学生の時点で、これほど見事な作品ができていたのですから。
この作品は、SFに分類されています。転生ものは、SFの亜種なのかもしれません。
これだけしっかりした基礎があったなら、
転生ものに良作が多いのも納得しそうです。
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