私はピリカ

7月はMIくらいしか劇場で観たい作品がないなー

・THE WITCH／魔女 ー増殖ー

韓国製超人サイキック少女血みどろバイオレンスアクション第2弾。世間知らずで食いしん坊なかわいい女の子が悪党を圧倒的な力ですり潰します。
前作からスケールアップし人数も増えた超人たちによる暴力の嵐は圧巻、スタイリッシュなカッコ良さや派手な超能力もあるものの生命力に優れた彼ら彼女らの特性上、殴り合いよりも刺したり切ったりがメインになるためかなり凄惨で痛々しく下手なホラーより流血も多いため、ヒーロー映画やワイスピのような明るく健全なアクションが好きな人はちょっと覚悟がいるが、前作ファンなら拍手喝采モノだろう。
組織周りのせいで状況は複雑になっているもののストーリーは前作同様に抜け出した超人少女が善良な一般人姉弟との交流で人間性を取り戻す→悪者サイキックを蹂躙というシンプルなもの、敵となる四人組もあまりキャラが強くないが、別目的で少女を追う2人組や姉弟と因縁のある地元のヤクザはなかなか単純でない部分もあり魅力的。
ただ、明らかに三作目に続く繋ぎ作品のため起承転結が中途半端、謎も多く残り、一本の映画としてはきちんとしていた前作の方が完成度は高い。

・ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

登場人物が多く、彼らの立ち位置(おおむねワシントンポスト、ニューヨークタイムズ、政府のどれか)を把握できないと今何が起きて、何を争っているのかがわからなくなるのだが進むにつれて焦点が絞られ明瞭になる。
お互いに友人として敬意を示しながらもそれぞれの立場からの正義、譲らないところは譲らず言うべきことは言い合う議論の応酬が学ぶべき姿として、熱もありつつ健全で(言ってる内容はグレーもいいところなのに)シリアスでありつつユーモアもあり心地良い。
派手さはないが硬派で明朗、トム・ハンクスやメリル・ストリープら名優たちの熱演を観ているだけで２時間がみるみる過ぎた。映画のどこまでが事実かはわからなくても、クライマックスの「ブラック判事の意見」に報道とマスコミのあるべき姿勢が表れている。