激闘ウルトラマンゼロ 帝国の猛威

5月6月は観たい映画が多くてきつい。

・アフリカン・カンフー・ナチス

ヒトラーと東條英機がガーナを支配する、というどんな脳味噌を持っていたら出てくるのかサッパリわからん発想に、狂っていない時間が5分と続かない異次元ストーリー、字幕が全て関西弁、隙あらば「アフリカンクンフー、クンフーナーティス♪」と耳に残るテーマ曲、流暢に溢れ出る日本語と差別表現、次々と奇人変人、とおかしくない部分を探すほうが難しいのだが意外にも格闘は本格的でキレがあり、一流とはいかないまでも真っ当に楽しめる。

・インディ・ジョーンズ　クリスタル・スカルの王国

シリーズファンの評価が低めということで少し心配だったが杞憂。
確かに演出は８０年代のまま、深いテーマもない、緻密なストーリーもない、繊細な心情描写もない。しかしカーチェイス・銃撃・剣劇・殴り合い・大落下・大爆発とアクションアドベンチャーに必要なすべての要素が、前作から約20年を経て格段に進歩を遂げたビジュアルで派手に繰り広げられる。
他にも皮肉にシャレとユーモア・ラブにファミリー・ブービートラップにどんでん返し・伝奇にSF・悪趣味な残酷さまで取り込み２時間余りにぎゅうぎゅうに詰め込み新しさがない？捕まりすぎ？無駄なシーンがある？キャラの掘り下げが浅い？都合よく行き過ぎ？うるせえ普通におなじみ楽しいだろ！と投げつけてくる古き良き80年代痛快娯楽映画の全部乗せ。見終えた後に何も残りはしないが、超楽しかった。
作品唯一の個性もなく、ぶっ飛んだ尖りっぷりもヒネリもないため絶対に100点には達しないが「安定したすべて」で90点を保証してくれる作品といったところか。