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2023年05月07日08:54

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国会軽視の束ね法案


政府が法案を国会審議にかけるとき、複数の、多いときは5から10もの法案全体を一括して(束ねて、まとめて)上程し、たった1回の採決で賛否を決する方式を「束ね法案」と言う。(中略)かの安倍晋三内閣が得意とした手法である。安倍内閣時代の「束ね法案」の例を挙げてみよう。

まず、2015年の「安保関連法案」である。(中略)。2018年には「働き方改革関連法案」が、労働基準法や労働契約法など8本の労働法に関する法律を束ねて成立した。(中略)。さらに2020年の「国家公務員法等の一部を改正する法律案」では、警察庁法、警察法、自衛隊法など10の改正法案を1本の法案としてまとめて通した。 (中略)

これに味を占めたのか、岸田文雄内閣も矢継ぎ早に法改正を「束ね法案」として提案している。1つは昨年成立した「障害者関連法」。(中略)もう1つは「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」で、電気事業法や原子力基本法など5本の法律の改正案が束ねられており、60年を超える原発延命のための法律改正も含まれている。(中略)

個別法の提案だと対立点が鮮明になり、世論の風当たりも強くなる。それを避けるため、複数の法案を一括して提案すれば詳細に入らず、曖昧なまま国会を通すことができる。つまり「束ね法案」という手法は、立法(国会)の関与を弱め、行政の思惑に従った政治に誘導できるのである。現在の日本に於いては、国会が十分機能していない。(中略)

閣議決定のみで重要法案を決定し、「束ね法案」で詳しい論議を行わない、ということが罷(まか)り通っているためである。日本は行政府の思いのままの政治が行われていると言える。「手抜き民主主義」に陥っているのだ。

この状態を打開するためには、私たち国民はもっと行政府に文句を言い、実質的な議論が行われる国会を回復しなければならない。「束ね法案」こそ、民主主義を無にする政府の策略として断固抗議したいと思う。(4月21日「東京新聞」夕刊3面より抜粋)

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