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2023年04月24日05:07

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政権交代に懲りた国民

安倍政権に対して指摘されたモリカケ問題は、ある程度行き詰まっていました。それなのに安倍内閣の支持率が下がっても30%あるのはなぜだろうか。これは政権交代の逆説です。つまり我々は民主党政権ができるときには、「もう自民党はだめだから、変えてみよう」と決意しました。

ヨーロッパがそうであったように、これで行き詰まったらまた保守に戻るといった反復をすることで、政権全体にいろいろな澱がたまらず、そのときに応じた政策をやっていけるから、それがいいと思った。ところが民主党政権の失敗があまりにも大きかったのです。

何があっても安倍政権を支持する層がいるのは、安倍さんを積極的に支持しているというより、もう政権交代はいやだ、民主党に投票して本当に損をした、裏切られたと思っているからです。何か事があれば小選挙区なら政権がひっくり返ると言われていたのですが、民主党政権の失敗で止まってしまったわけです。

その後は何があっても、安倍さんが靖国に行こうが、いろいろな問題がある法案を通そうが、批判する世論にはなるけれども、しかし安倍政権を支持するところは、だいたい40%から50%にはなっていました。

そのうちの30%が、安倍政権を支持する理由は、前政権があまりにもひどかったからです。「もう安倍政権でいいや」と思う人、30%をコアとしているから変わらない。モリカケの問題でも、かなりのパーセンテージの人がおかしいと言っているわけでしょう。

世論調査では7割、8割はおかしいと回答しています。政権を支持することと政策の問題やいろいろな問題についての考えが、これほど乖離した現象はなかったわけです。かつては政権を支持すれば、その政策も支持していたのが、小泉政権あたりからずれてきました。

小泉さんは好きだけれど、小泉さんの政策はあてにならない、と考える。当時、「小泉さんの財政政策で日本はよくなりますか」という質問に対して「よくなる」と言ったのは20%くらいしかいない、だめというのが60%くらい。でも、小泉さんが総理であるのは、みんなOKなのです。

あのあたりから総理の支持率と個々の政策についての支持率がクロスするようになりました。民主党政権でも、そういう傾向が続いたけれど、安倍政権になってからも著しいんです。その理由のもう1つは、安倍さんが絶対に後継者を作らないことです。

つまり、安倍の後は安倍という時代が続いているのです。自民党の総裁選をしても、後継候補なんか出さない。むしろ、次に総理候補になると言われている人が手を挙げない可能性が高いという状況になるわけです。

ですから安倍政権というのは、不思議なことに安倍さんが続けることによって続く。しかも安倍さんだけが続いているのではなくて、安倍さんがカムバックしたときに一緒にカムバックした麻生さんをはじめ、自民党のかつての領袖たちを全部抱え込んで政権運営しているのです。

たまたまスキャンダルで辞めた人もいるけれど、その人たちだってどこかで彼は起用しています。たとえば自民党の副総裁の高村さん。もう議員ではないのだから自民党の副総裁は自動的に失格なはずです。ところが自民党の規程には、議員でなければいけないとは書いていない。これは議員であることが当たり前だから書いてないわけですね(笑)。

安倍さんが麻生太郎さんを辞めさせないのもそれです。麻生さんが辞めたら自分もこける。だから抱き込んでいるわけです。この政権を生かし続けるための生命維持装置になってきたのです。政権を維持するための生命維持装置とは不幸です。

安倍さんがそれでもこれまで威張れたのは、外交、安全保障は自分の独壇場だということです。6年も総理をやって、外交と安全保障は彼の専門分野で、自分が親裁してきました。それで北朝鮮にも強く出ていたら、うまくいかなくなってきて、外交はイケると言っていたけれど、どうですかねという話につながっています。

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