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2023年03月08日14:01

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ワース 命の値段(Worth)

 マイケル・キートン主演で、アメリカ同時多発テロ被害者の補償金分配を束ねた弁護士の実話を映画化した社会派ドラマ。

2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロを受け、米政府は被害者と遺族救済を目的とした補償基金プログラムを立ち上げる。その特別管理人を任された弁護士のケン・ファインバーグは独自の計算式により、個々人の補償金額を算出する方針を打ち出すが、被害者遺族が抱えるさまざまな事情と、彼らの喪失感や悲しみに接する中で、いくつもの矛盾にぶち当たる。チームが掲げる対象者約7000人の80%の賛同を得る目標に向けた作業が停滞する一方で、プログラム反対派の活動が勢いづいていく。期限が迫る中、苦境に立たされたファインバーグはある大きな決断を下す。

キートンのほか、「ラブリーボーン」のスタンリー・トゥッチ、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」のエイミー・ライアンらが顔をそろえる。監督は「キンダーガーテン・ティーチャー」のサラ・コランジェロ。(映画.comより)





<2023年2月26日 劇場鑑賞>

 全世界が知っているアメリカ同時多発テロ。その裏側にこんなことがあったなんて、想像もしなかったです。そもそもこういうテロ自体、想定外だったとは思うのですが、あまりの惨事に(勇敢な消防士たちも亡くなってるし)、国が補償金を出そうと発想したところから問題は始まります。本当なら、みんな均一に払えば問題なかったのです。しかし「ビルがビルだけに、ウォール街の奴らも結構巻き込まれている。他の奴らと同じだったら納得しないだろう。つてを頼って裁判をいくつも起こされるのが関の山だ。収入に応じた額を算出しよう」と、政府は考えました。それは正しい判断だったかもしれません。しかし、大多数の庶民は「なんでみんな一緒にしないんだ」と当然思います。また、たまたまその時離職していただけの人や、これから籍を入れる(あるいは結婚式を挙げる)予定だった人もいます。お金が絡んだ途端、別のところから家族が出て来る人も。マイケル・キートンは、こんなことにまで対処しなければならない?

 また、予想外(いや予想できたかもしれんけど)だったのは、そのために算出式にしたのに、ウォール街の奴らが一番文句を言ったこと。「なんで今の収入で計算するんだ。この先ボーナスだってあっただろう」「この昇給曲線をみてくれ。今までこういう感じで上がってるんだから、これからもこの調子だと予想するのが妥当だろう。これも含めるべき」などなど。しかも、権力者に食い込んでるから、それなりの人を通して主張してくる。そんなこんなで、ありとあらゆる欲望が入り乱れ、せっかく”裁判を起こされないように”と練った政府の思惑も泥沼にはまります。マイケル・キートン、法律通りにクールに行こうと思っていたのに、まさに四面楚歌です。

 正直言うと、しんどかったですね。ウォール街の欲の深い連中は別としても、みんなどの人にも一理あって。また賃金が大変低い層の人たちは、給付が最低ラインに達しないこともあり、そういう場合は”最低額”が加算されるため、多くは白人ではない彼らが「感謝しています」と述べる姿を見るにあたっては、大事な人を失ったのは同じなのに、なんだか辛かったり。私だったら、こんな任務、絶対引き受けないです。しんどすぎます。

 実話のはずです。でも、最後は娯楽映画のようにあっさり大団円を迎えます。でも、各人のがんばりで、本当に話が急展開したのでしょうね。弁護士さんたち、お疲れ様でした。その後、ゆっくりなさることができたでしょうか。本当に、大変な事件でした。二度と起きないことを願います。


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