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2022年12月31日19:03

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ワイも戦国時代や異世界に転生したら化粧品でひと旗(略

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デモンズ・クレスト
 川原礫さんの新シリーズ、イラストはなんと堀口悠紀子さんという豪華コンビです。白身魚さん名義じゃないのなぜでしょうか。
 ソードアート・オンラインやアクセル・ワールドがリアルとバーチャルの境界が曖昧でありながら、あくまでもゲーム世界へ行く(ログインする)のに対して、本作はゲーム世界が現実世界に侵食するという設定です(今のところ)。当然、痛みや死はリアルでして、珍しくグロな表現もありますが、リアリティはソードアート・オンラインやアクセル・ワールドよりも強いと感じました。次巻以降がとても楽しみです。


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ユア・フォルマ
 お互いの身を案ずるあまりに溝が深まってゆくふたり。謎のAIに関する調査で浮上したドバイの特区への出張でしたが、そこには巧妙な罠が仕掛けられていました。
 所有者の人格を再現できるアミクスは、倫理的にかなりヤバイように思います。天才少年ユーヌスの孤独な戦いも胸を打ちました。スティーブかっけー!


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姫騎士様のヒモ
 魔物の大量発生に遭ってしまったアルウィンを助けるために救助隊に加わったマシュー。重傷を負ったアルウィンは迷宮病が悪化して廃人同然になってしまいました。彼女を立ち直らせるために失われた故郷へ連れて行こうとしますが、今や魔物が蠢くばかりの地です。マシューは命懸けで一計を案じるのですが…。最高の展開となる第3巻です。


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アストレア・レコード
 ダンまちスマホアプリに実装された前日譚のノベライズです。ベルくんがオラリオに来る数年前の、オラリオの暗黒期に起こった、神エレボスによる騒乱を、主にリューさんとアストレア・ファミリアを中心に描いています。ロキ・ファミリアやフレイヤ・ファミリアのお馴染みの面々も活躍…と言いたいところですが、2巻まではやられっぱなしです。テーマは「正義」。反撃なるかの3巻が楽しみです。


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恋人以上のことを、彼女じゃない君と。
 就活中に別れた彼女と、偶然にも同じビルの会社に勤めていて再会。少しだけ大人になったふたりは、仕事や社会に疲弊していて、酔った勢いで交わり、さてこれからどうしようか?という事に。ふたりが納得したのは、恋人には戻らずに、友人として付き合い時々セックスする関係でした。うまくいっていたのですが、彼女の家族と仕事の問題を機に関係や気持ちが変化します。学生よりは大人だけれどまだまだ不安定なふたりを描いた作品です。


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負けヒロインが多すぎる!
 月之木先輩作のBL本が生徒会の持ち物検査で没収。しかも内容は、男性化生徒会長(笑)。取り戻すべく動く温水の前に、志喜屋先輩と月之木先輩の因縁が…。シリアスの中にも笑いが溢れるクリスマスでした。


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復活の地
 宇宙に進出した人類が高度な文明を失った後、再び進歩してきた時代。取り残された惑星レンカを巨大地震が襲いました。惑星の中心レンカ帝国では、国政の中枢人物をほとんど喪った中で、生き残った文官と皇女が復興を目指しますが、国内の抵抗だけでなく他星の野望も絡み…。壮大なスケールの復興SF大作です。


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それでも俺は、妻としたい
 ほとんど仕事がなく妻のヒモ状態の脚本家。頭の中はセックスの事ばかりで、何をやってもダメで自分に言い訳ばかり。実家の母は毒親、努力をする事ができないのに成功する夢は見ていて働きには出ない、というダメ男ですが、何だか自分と重なる部分も多く、苦痛を伴う感情移入がクセになりそうでした。「ダメ男小説」という分野があるという事は需要があるのですね。脚本家として成功した作者だから笑って読めますが、そうでなかったら怖い自伝的小説です。


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少女七竈と七人の可愛そうな大人
 旭川で祖父と暮らす、異形とも形容される美少女の川村七竈。男達は嫌いですが、親友の少年・雪風とだけは鉄道模型で遊んだり映画を観たりしています。七竈の母は「辻斬りのように」七人の男と関係を持ち、父親が分からない七竈を生み、家に寄り付かなくなりました。雪風の母や引退した警察犬ビショップ等、様々な視点から描かれますが、七竈と雪風の関係性を軸とした、複雑で切ない物語です。


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ひらいて
 片思い相手の地味な少年に恋人がいると知り、モテ女子・愛は、少年を奪うのではなく、異常な行動に出ます。傷つきもがく愛に対して、その恋人の少女も意外な反応を示し…。迷い、混乱し、錯乱する、高校生の恋愛を描いた問題作です。


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北政所の御化粧係
 化粧品メーカーの開発部員でコスメマニアのアラサー女子、気が付いたら戦国時代、山内一豊の娘・与祢(数え8歳)に転生していました。史実の与祢は幼少期に死亡しています。なにぶん戦国時代ですので、洗顔料も基礎化粧品もなく、白粉は水銀入りです。培った知識と技術をふるい、化粧品を開発していきます。やがて北政所・ねねに見込まれて美容担当に。お化粧大好きな人なら絶対に気に入る歴史ファンタジーです。


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プロトコル・オブ・ヒューマニティ
 2050年代、若く期待を集めるコンテンポラリーダンサーの護堂恒明は、交通事故で右足を失いました。使い手の動きを学習するAI義肢とのコミュニケーションに苦労しながらも、ロボットと人が踊るカンパニーに参加します。新たな目標と好きな女性を得て再生しようとしていた矢先、ダンサーとしての目標である父が認知症の兆候を見せ…。身体表現を通して人間性を交わすプロトコルとは、人間とAIの違いと共生とは、作者が追い求めて来たテーマが結晶した傑作です。
 本作を読んでから、「人間性とは何か」という問題に行き当たってしまい(例えば、文字無しの視覚表現だけで人間性を伝達する事が可能なのかどうか、といった事)、ある意味では有意義な年末を過ごしております(笑)。



 今年の書評はこれで終了です。1月〜2月は艦これのランカーをお休みするので、減っていた読書量が増えそうです。

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