mixiユーザー(id:555665)

2022年11月17日00:04

54 view

奪還

2歳児が熱を出すのも厄介だけど、今みたいに「休むほどでもないけど体温が少し高い」毎日が続くのも気が気じゃなくてストレスが溜まる。

・新幹線大爆破

スピーディーだが性急でなく、明朝間を保ったままテンポの良い話運びと高倉健や千葉真一、宇津井健らビッグネームたちによる熱のこもった演技、運転士ら列車スタッフと指令室、警察、乗客たちそれぞれの視点を次々に切り替え立場の違いからの意見の衝突や対立、プロフェッショナルたちがベストを尽くす目まぐるしい群像劇でもあるが決して見づらくはなく、さらに犯人一派の事情や心情を丁寧に描くことによって列車は無事に止まって欲しい半面、現金強奪計画は思わず健さんたちを応援してしまうという、単なるクライムエンタメとは一線を画す、当時の世の中の閉そく感と怒りを爆発させた社会派作品の一面も見せている。そこで来るか!と唸ったタイトルロゴに始まるドラマチックの演出も見事。ある心理的な仕掛けによって、事件解決と見せても最後まで緊張と汗が途切れない。
ラストも仕掛けの秀逸さがそのまま悲しみと抒情を誘うものになっており、なんともやるせない思いを抱えたまま映画は終わる。
新幹線のシステムや仕組みのリアリティに関しては素人なのでわからないが、柔道部や喫茶店の火事といったやや不自然な偶然が若干気にかかることを除けば、脚本の粗も気にならなかった。
2時間半の長尺も、映像の古さも全く気にならず画面に目が釘付けになる大娯楽傑作。

・太陽を盗んだ男

とにもかくにも沢田研二である。1カット目から異常な存在感を放つジュリーの表情と立ち居振る舞いがこの映画の9割といっていい。いかにもアイドル然とした池上季実子はともかく菅原文太も見事な演技を見せるが、彼の前では全てが霞んでしまう。唯一比肩するのはクライマックスの菅原だろうか。現代では不可能であろう皇居前や首都高での無許可撮影、バスジャックや原爆の製造、東京湾に放り投げられる池上季実子といった問題満載のシーンも、見ている間はジュリーにくぎ付けになってしまいそのことに思いをはせる余裕もなかった。
常に何を求めるのかもわからないまま何かを求め、無気力なのにギラギラして、孤独で不真面目で、歯ぐきから出血しようと髪の毛が抜けようとまるで顧みず、かといって確固たる目的も信念もなく自分の命すらオモチャにしてどでかいおもちゃを作り上げご満悦のジュリー、凄まじいキャラクターを演じきっている(当然かもしれないが)共感も好感も全く持つことができず。
ややゆったりで丁寧ではあるが間延びのある前半から、まるでジャンルが変わったかのような東急デパート以降の怒涛の展開、丁々発止の駆け引き、迫力のチェイス、そして白昼夢のような虚無感溢れる幻覚と現実の移ろい、衝撃のラストも併せて凄まじいエンタメ傑作なのは理解できるのだが、好きと言い切れないのは「虚無」を描いた映画だからだろうか。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年11月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

最近の日記

もっと見る