過去30年前、ドルが250円前後で安定していましたが、円高が進み、200円を突破して、このまま円高が進んで、150円にでもなれば、日本経済は壊滅するとまで言われましたが、その後メキシコ通貨危機の際には一時80円まで円高が進み、近年は110円程度に安定していたところでした。
そして現在、アメリカの金利上昇と、日本のゼロ金利政策のギャップにより円安となり、150円を前後するという展開となっています。そもそも、円安は輸入物価の上昇による企業や家計への圧迫があるものの、輸出産業にとってはメリットとなっています。
かつては円高により、輸出産業の拠点を海外へ移す動きが加速して、国内産業の空洞化が進みました。長い年月で見れば、円安は、内需拡大による国内産業復活のキーともなるのは確かでしょう。その動きは隣国を見れば明らかです。中国は、元高を意図的に押さえて、自国の産業維持のために、元安誘導をしていることは明白なのです。
円安について言えば、確かに、急速な円安の日米の金利差は大きな要因ではあるものの、それだけだと捉えるのは危険です。借金が、1000兆円を超えている現実からすれば、いくら金融資産がそれに見合っていたとしても、国の財政はいつ破綻してもおかしくない状況です。膨れ上がった借金は、破裂寸前かもしれません。
もし、ギリシャや韓国などのように、財政が破綻すれば、150円どころか、円は紙くずになってしまいます。その破綻の兆候としての急速な円安だとも捉えるべきでしょう。そもそもゼロ金利政策について、日本の景気をよくするためというのは詭弁です。
実際の意図は、もし金利を上げれば、それに伴って、国債の利払いも上昇してしまうからです。たとえば1000兆円の1パーセントは10兆円です。1パーセントで、国家財政が吹っ飛んでしまいます。加えて、インフレ目標を強調する背景には、インフレで通貨の価値が下がれば、それだけ国の借金が目減りします。
それを目論んでいることを見逃してはなりません。過去に景気対策として、国債が乱発され、その結果、一部の会社や団体が潤って、政権を支える集団への賄賂のような形で、国がお金を与え、さらに、1日に数百億円ものお金が、それらの集団や人たちに利息として支払われていたのです。
それでいて、景気も上がらず、国が借金漬けという状態になってしまいました。物価が高騰する中、それに見あった賃金の上昇を伴う景気を作る、本当の景気対策は、景気とはお金が回る状態、という基本中の基本に立ち返って、生きたお金を市場から吸い上げないことですから、国が借金をしないことです。
今や、通貨の信用を失墜させる禁じ手、実質的な日銀による国債買い付けで、国債が売れない、未達をかろうじて防いでいる状態です。それでも、相当な金額が市中で買い付けされています。加えて、銀行をはじめとする機関投資家が、利付き国債を買い占め、その利息によって事業を成り立たせているという異常な状況です。
ちなみに利付き国債と違って、個人向け国債の利息はほぼゼロです。そんな中で、「金」の備蓄を増やすどころか、会計検査院の指摘で備蓄を減らすという暴挙を行なっています。円暴落に備えて、金の買い付けを国として増やすことは急務だと思います。根本的な対策として、財政法に対する違法状態を解消することが、今最もやるべきことです。
金持ちや大企業、公益と称する団体の票を背景に、それらの人や集団に有利になるように改悪されて来た、税制の在り方を、本来あるべき姿に変えていくことが必須です。法人税率を以前のように戻す。これらを軸に具体的なやるべきことはいくらでも出て来ます。
景気対策についても、一人一人が、周囲に何をしてあげられるだろうか、お金を回して、みんなが潤う良い景気を作り出します。それを呼びかけるのが、本当の景気対策というものです。円安物価上昇に見合う賃金引上げを伴う好景気によるお金の循環、それは、制度や仕組みだけではない、一人一人の心によって生まれるのです。
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