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2022年05月26日12:09

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美しきオンリーのお姉さん

幼い頃、客人が多かった我が家に、そのお姉さんも来ていたので、家族で共に写真を撮ったセピア色の記憶がある。

まず、そのお姉さんのしなやかな長い髪の毛がカールしていた←これはパーマ。
近づくとフランス貴族の香りがした。←外国製の香水。
肉体労働も強いられなかったしなやかな白い指先には、真っ赤なマニュキュアが輝いて眩しく、赤子でありながらそのショックは大きく、驚きを隠せなかった。

私がまだ立ち上がれないほどの乳児だったのか、自分はとても低い位置で、進撃の巨人お姉さんのように、その人は真上の遠くにいた。それを朧げに覚えているのだ。

ある時、フランス人形の様なお人形?を、台所の裏口で、そのお姉さんからプレゼントされたのだった。

そのフランス人形はふんわりスカートの中に小物を入れ、チャックができて置物にもなる人形だった。
当時にしては何処にも売っていないような高級な人形だった。

だが、幼児なので成長の過程でその人形を無惨にも壊してしまい、跡形もなくしたのか?
いや実際にはどうだったのか? 質屋行きになったのかも知れない。

棚に飾られたその人形の姿に、綺麗だな可愛いなと、かすかな記憶があるのである。

宮本輝の『流転の海』にも、戦時中、国に財産を没収され斜陽と化してしまったセレブな人々がいた。

汗水流して働く術を知らない、又は働くなんて出来ないその若い女性達は、進駐軍のお妾さん、オンリーユーにならざるおえない生活状況にあったとも考えられる…。

幼児であっても、我が母とのあまりにも違う美しきこの女性に対して、いまだに神的情景を抱いている自分が居るのである。

           フォト

繰り返しになるが
あ〜、あのしなやかにカールした長いパーマをかけた髪の毛。
そして高級香水の香りと真っ白い指先の真っ赤なマニキュア。

現在、自分にすら実現できない情景であります。パーマ、マニュキア、厚化粧、香水が嫌いなので(爆)

そして我が家族とのワンショット。

一番左に小柄で美人オンリーのお姉さんがうつむき加減で恥しそうに居て、その右隣に眉間に八の字の自分が母に大事に抱かれており、一番右側に母にとってはイケメン?で病弱な夫である我が父親がいた。

そのセピア色した写真が脳裏から消えない。

あの写真よ、いずこに? 記憶の中の岸辺のアルバムである。っとなるとこれを撮影したのは、進駐軍のダンナなのか?! 未だに謎だ。
子供の頃、こんな写真に興味も無く、親に誰に撮ってもらったのか聴くことすら思いつかなかった。
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