mixiユーザー(id:7410632)

2022年05月06日10:06

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4月の。

4月に観たのは『ゴースト・イン・ザ・シェル』『TENET』の2本。

●『ゴースト・イン・ザ・シェル』
テロリストの襲撃で重傷を負い、唯一生き残った脳を義体に移されて甦ったミラ。断片的な記憶しかない彼女は公安9課に入り、少佐となる。彼女を『造った』ハンカ社の研究員が次々に殺される事件が勃発し、その調査につく彼女だったが……。
原作未読なのでその辺の比較とかは判らんけど、記憶を失った主人公、倒すべき敵が実は……な展開、自分は何をもって自分なのか?的問い掛け、辺りが割とストライクな映画だった、かな。映像も綺麗だった。クゼのデザインが特に好き。ああ云う壊れ掛けた未完成な姿は僕のココロの何かに触れる。
ま、そんなスタイリッシュさの反面『何かの上辺だけをなぞって居るような空疎さ』を感じなくもないのが少し辛いトコロでもあり、その辺は原作を知って居るヒトにはどう捉えられたのかは少しアレだ、アレではあるな。もう少し足を踏み外して、雑多なオリジナル要素がゴミゴミ増えても良かったのかも。
主人公、荒巻、バトー以外の9課の面々にも何かあるとよかったな。原作知らずにホント好き勝手云うけど一人くらい裏切り者ちゅうか内通者とか居たりしても良かったかも。まぁその世界の無機質な空虚さが空っぽの主人公の内面世界と合って居るっちゃ居るような気もしなくもない、コトもないのだけど。
首の後ろのジャック、肝臓を義体化したから毎晩酒が飲めると云う同僚、顔の目の部分がぱかっと開いて視覚を分析機器に直結出来るようにした博士。サイバネ技術が普及し身体パァツをライフスタイルに合わせて機械化するコトが一般化して居る時代。致死傷を受けても義体と置き換えれば生き延びられる。
その極致である脳以外全身義体の主人公。一方で脳も含め全てが作り物のロボットたちも居て、彼らと主人公の境界線は何処にあるのかみたいな。その辺がもう少し主軸に来ると個人的により好みだったかもね。イヤまぁでもそこそこ面白かったですよ。何か少しだけ主人公誕生編みたいな感じだったけど。
クゼは脳さえも捨ててネットワークに。主人公はその誘いを拒否して脳の中に留まる。クゼは果たして何になって仕舞ったのか。人間か、ロボットか、それ以外の何かか。この先主人公に、そして世界に再び関わって来るコトはあるのか。みたいなコトがまぁ、気になるってコトは楽しめて居たのだろうね。
オウレイ博士が主人公に対して抱いて居た想いは少し気になる。学者が研究対象、研究成果に抱くのとは違う『情』が其処には確かに在ったから。だとしたら、その想いをクゼには向けて居たのか。彼のコトはどう思って居たのか。彼のコトも気にかけて居たのか、それとも主人公が特別だったのか。前者であって欲しいと思うし、その辺も描かれると博士のキャラももっと生きたと思うけど、まぁ尺がね。

●『TENET』
時間を逆行する弾丸の存在。未来の誰かが過去に送ったテクノロジを使い、世界の何処かで何かが行われて居て、それは未来の第三次大戦と核より悲惨な世界の破滅に繋がって居る。それを止める任務に就いた主人公は『TENET』てコトバひとつを与えられ……。
単純な『過去に戻る』ではなく『時間を逆再生しつつ戻る』のがまぁ斬新ちゃ斬新なのかな。まぁ、創り手の意図をちゃんと理解出来たかと云われると正直ちょとアヤフヤだけど。ただまぁ逆行する世界の絵面は面白かったからいいか。あのトキのこの正体不明の人物は実は遡ったこいつだったのよ、みたいな仕掛けもまぁ面白いし。ちょと混乱はするけどまぁ流して観て仕舞ってもそれはそれでよさそう。
主人公、名前が出て来ないなと思ったら『そう云う役』でしたのね。あとその主人公の相棒たるニールが普通にいいヤツ過ぎて怪しいなと思ったらまぁ、仕掛けはあったけどいいヤツはいいヤツだったね。ちょとターミネーターのカイルぽい立ち位置でね、クセはあるけど割と好みのキャラではある。
セイターが寂しくて嫌なヤツをキッチリと寂しくて嫌なヤツで演じ切ってて、こう云うキャラもキャラとしては好き。アルゴリズムが完成したら世界そのモノの逆転が起き、世界が終わる。病気で余命僅かなセイターはアルゴリズムの起動と自分の心臓をマッチングさせ、自分が死んだら起動するようにして居る。この辺も自分勝手ではあるけどまぁ孤独で寂しい人間の心理としては理解出来なくもない。
セイターが死ぬ前にアルゴリズムを解体し作動しないようにバラバラに持ち去らなくてはならない。と云う主人公の任務と『セイターの支配から自分と息子を解放したいと願う母』の思惑。そのふたつが協調作戦を展開しつつ、目的の違いから若干の齟齬も生じるのだけどまぁ、若干のスパイスではあるかな。ある意味未来と過去に囚われて仕舞った主人公と、解放され去りゆく母子との対比で映画は締められる。
『エントロピー減少による因果の逆転を引き起こす未来の技術』て云うガジェットいっこで何処まで持ってける?みたいな映画。嫌いではないよ。それなりに引き込まれたしね。アイディアも生かし切って居るし一本の映画として纏まっても居る。反面『時間逆行』て云う概念とその性質をキッチリ固めてなくて、ふんわりと「こんなもん」で流して居る印象も受けたな。ま映画だからそれでもいいのだけど。

●●●
月間賞は『ゴースト・イン・ザ・シェル』の方かなぁ。
あでもラスボスは『TENET』のが好み。
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