mixiユーザー(id:7410632)

2024年04月06日13:49

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3月の。

3月に観たのは『ラスト・デイズ』。

●『ラスト・デイズ』
 屋外を恐れ外に出られなくなる病が世界的に流行。無理に出るとパニックを起こし心臓発作で死に至る。文明が崩壊した世界で会社のビルから出られなくなったマルクは離れ離れになって仕舞った妻のフリアに再び会うため、地下道を伝って自宅を目指す。
 マクロで派手なカタストロフより、その極限状態の中であがく人々の姿を静かに綴ってゆく映画。エンリケとマルクの関係が良い。リストラ担当と被リストラ候補て云う最悪の関係から、利害だけが一致してギスギスと行動を共にするコトになり、その道行の中で次第に心を通わせて行く。ま月並ちゃ月並だけど、主にこの2人の関係の変化にフォーカスを絞ってじっくりと展開する物語はなかなか好み。
 父に会うため行動して来たエンリケはその死を確認し心が折れるけど、マルクのために戻って来て呉れる。コレも非常に好みの展開。最後まで生きて欲しかったな。でも抜け殻になったエンリケにも『マルクを助ける』て云う目的が出来、そのために最後まで生き抜いたのはよかったのだよな。きっと。
 最後の試練。マルクは向かいのビルに居るフリアに向かい、屋外に踏み出す。視界を失い、耳から血を流しつつ、文字通り必死に。無神経な発言でフリアを酷く傷つけたマルクの、これが物語上の贖罪。
 子供たちには感染して居ない。子供たちだけで新たな世界を作ってゆくだろうエンドも少し寂しいが心地よい。妊娠が一度二人を引き離し、最終的に世界を繋ぐ希望になるこの全体の流れも綺麗かな。
 政府とか『外に出られない』なりに何とか秩序を維持しようとしないか?屋内だと認識出来ればいいのだから、何かを積み上げて通路を確保するとか。とも思うけど乗り物に乗れないと物流やインフラや治安も維持出来ないし、ああ云う建物ごとのミニマムな秩序維持が精一杯か。地下の駅構内で銃を振りかざし主人公たちを威圧し所持品を奪おうとする元警官が悲しい。堕ちるトキは一瞬なのだろうな。
 この監督さん『フェーズ6』のヒトらしく、アレも世界的カタストロフの中での少人数にフォーカスを当てて居たけど、アレと違ってコレがハッピィエンドに持ち込めたのは『他人との繋がりを維持する』が主人公たちの目的だったからだよな。あっちは終盤、それを断ち切り続けて仕舞ったからね。
 カート・コバーン最後の日々をモデルに、ミュージシャンが自殺するまでの2日間を描いた『ラストデイズ』て映画をずっと以前に観たけどまぁ、ちょと紛らわしいタイトルだわね。割とよくあるコトではあるけど。そしてどちらが悪いとか云うモノでもないけど。それが『合うタイトル』なんだから仕方ない。
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