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2022年03月17日15:49

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ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ(The United States vs. Billie Holiday)

 「プレシャス」「大統領の執事の涙」のリー・ダニエルズ監督が、1959年に44歳の若さで死去したアメリカジャズ界の伝説的歌手ビリー・ホリデイを描いた伝記ドラマ。人種差別を告発する楽曲「奇妙な果実」を歌い続けたことで、FBIのターゲットとして追われていたエピソードに焦点を当て、彼女の短くも波乱に満ちた生涯を描き出す。1940年代、人種差別の撤廃を求める人々が国に立ち向かった公民権運動の黎明期。合衆国政府から反乱の芽を潰すよう命じられていたFBIは、絶大な人気を誇る黒人ジャズシンガー、ビリー・ホリデイの大ヒット曲「奇妙な果実」が人々を扇動すると危険視し、彼女にターゲットを絞る。おとり捜査官としてビリーのもとに送り込まれた黒人の捜査官ジミー・フレッチャーは、肌の色や身分の違いも越えて人々を魅了し、逆境に立つほど輝くビリーのステージパフォーマンスにひかれ、次第に彼女に心酔していく。しかし、その先には、FBIの仕かけた罠や陰謀が待ち受けていた。脚本は、ピュリッツァー賞を受賞した劇作家のスーザン=ロリ・パークス。グラミー賞ノミネート歴もあるR&Bシンガーのアンドラ・デイがホリデイ役を演じ、劇中のパフォーマンスも担当。第78回ゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞(ドラマ部門)を受賞し、第93回アカデミー主演女優賞にもノミネートされた。(映画.comより)







<2022年3月13日 劇場鑑賞>

 音楽に疎い私でも、ビリー・ホリディの名前くらいは聞いたことがありました。でもこの映画を見るまでは、男性だと思っていました。ビリーって、男性名じゃなかったのね。

 この映画に限らず、アメリカ合衆国における黒人(アジア人も同様かもしれんが)差別のすさまじさって、なんなのでしょうね。私たち島国で単独民族で育ってきた日本人には、想像を絶するものがありますね。さすがに今はないのかもしれませんが、人間をそのまま焼いてしまうリンチ、普通に生活しているだけの黒人ファミリーの母親を吊し上げて殺す(しかも子供の目の前。首からは「正義は、なされた」の文字看板が)など、なんの必要性があってこんな手間暇かかることをするのか、理解に苦しむようなことばかり。ちょっと「ケープタウン」を思い出しました。あの映画も怖かった。あの映画は、アパルトヘイト時代のアフリカでの話だったけれど、焼き殺される父親に「お前は逃げろ」と言われて必死に走って逃げる少年、でも彼はやがてつかまり、性器を潰されてしまうのです。長じて演じるはフォレスト・ウィティカー。すべてを胸に秘めたまま、大人しく生きている大柄な男を見事に演じていました。ラストは本当に怖かったのを覚えています。

 話はそれましたが、とにかくそれを想起するほどの残酷さ。そして、人気黒人歌手のビリーには、あるメッセージソングが持ち歌としてありました。しかし、それが「人々を扇動する」とか「反政府思想を広める」とか言われて、執拗に狙われるのです。その歌を避けてコンサートを開いても、やっぱり監視されてるし、ほんのさわりでも歌おうものなら、即拘束。政府側はあの手この手で彼女を縛ろうとします。またビリー自身も、不幸な生い立ちで、人に愛された経験やいわゆる”普通の生活”を知らず、7歳?くらいから娼婦だったため、男に抱かれるすべを知らないのです。抱かれる=尻を突き出せばいい、みたいな。そのため、夫と言ってもヒモみたいな奴や、保身のため政府の言いなりになって妻を騙そうするような奴ばかりなんです。あれだけの実力がありながら、自立することや男性に本当に愛されるということが理解できず、結局逃げてしまったり。そうなんだなぁ・・・と思いました。私たちが当たり前に享受していること、当たり前すぎて気づかないけれど、生まれた時からなければ、わからないですよね。

 人気があって影響力があると言っても、ただの女、ただの歌手。大の男が寄ってたかって叩こうとする姿こそが、奇妙でした。
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