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2021年09月29日18:13

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こ冥福をお祈りします。『無用ノ介』『影狩り』が印象的です。

『ゴルゴ13』さいとう・たかをさん、すい臓がんのため死去 84歳 本人の遺志を継ぎ連載は継続へ
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6684371

劇画というジャンルの創作形式を作ったお一人です。
漫画の発展形としての劇画の真骨頂というのは、やはり、モンタージュ(修論のときにさんざんやりました。異質な画面の組み合わせによるストーリーの造形のこと)であり、それを劇画においてもっともよく体現したのは、時代劇だったのではないでしょうか。
主観ショット、想像、回想…のモンタージュが、時代劇だからこそ決まる。なぜでしょう。剣士AがBと対する。自分が上段から打ち込み、相手にかわされ、胴を切られるというところをまざまざと想像する。現実に戻り、「おぬし、出来るの」と言う。相手も、「いや、おぬしこそ」という。

なぜでしょうか。それは、時代劇という形で、一度、非現実の刻印を押されているからでしょう。

ところが、さいとう・たかを さんの時代劇は、読者の獲得という点で、現実の影響を色濃く受けています。
60年安保を背負っての、『無用ノ介』
主人公は、父が主人公と同じ賞金稼ぎで、母が女郎です。父母とも彼を厄介者扱いしました。
賞金稼ぎというのは、奉行所が手を焼いている凶悪な犯人の首を取って、賞金をもらうという稼業です。
老後も安定もヘッタクレもない稼業です。
不幸であることが宿命づけられたキャラクターです。

このニヒルな主人公は前例があるかというと…少々調べた範囲では、柴田練三郎の『眠り狂四郎無頼控』が近いですが、ピカレスク(悪漢小説)ですからちょっと違います。笹川佐保『木枯し紋次郎』は、1971年。ずっと後の作品です。

ところが…
よく考えてみると、社会が安定して老後の保証があったからこそ、ああいうドラマを平気でみれたのですね。ヒッピーだって、落ち着くだろうという予想があったからこそ、安心してなれました。

今は、どうでしょう。
親父がヤクザで、おふくろがデリヘル嬢、本人は…
現代に当てはめるとそんな陰惨な話になる劇画を、誰が読むのでしょうか。

昔は、政治がよかった。時代も良かった。

さいとう・たかを さんというと、『ゴルゴ13』より、こちらをつい考えます。

ご冥福を、心から、お祈りいたします。
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