mixiユーザー(id:555665)

2021年09月05日23:08

55 view

宇宙の剣豪

久しぶりに胃の痛くならない日曜日を過ごせた。

・るろうに剣心 最終章 THE Final

ビジュアル、美術、構図、色彩といった画作りは150点。シリーズ自慢の剣劇アクションも、新しいアイデアもありながら従来のスピード感溢れ画面映えもバッチリで、バトル以外のシーンも含めとにかく目に楽しい、退屈がまったくないエンタメとしては傑作といえる。
ただしシナリオとキャラの扱いは壊滅的。やはり138分にまとめるのは無理があり、抽出したエッセンスのチョイスが全て間違えており、敗北し落とされる一回戦がどのキャラもないのは仕方ないにせよ、原作で極めて重要だった絶望から再起のプロセスがなく、縁の描写不足のせいで(新田真剣佑自身の演技は凄く良かった)中途半端で支離滅裂なシスコン基地外と化し、剣心の名前に関わる超重要な、物語を決定付けるあのセリフが無い。よってラスト決着直前まで剣心自身の動機がふらっとしたまま。
他キャラの扱いも概ね酷い。特に張に関しては制作陣に恨みでも買われてるんじゃないかってほど、活躍が見られたのは斎藤と操くらいで、左之助と蒼紫はメイン敵を一人も倒すことなく途中退場、薫は「助けられるヒロイン」以上の存在感を見せられず、前作よりはマシになったとは言え弥彦も目立たない。
前作の十本刀同様に縁の同志たちの扱いも酷く、乙和は序盤で退場、乾天門(番神)の無敵徹甲はそれっぽい描写こそあるもののフューチャーされず斎藤一と噛み合わないバトル。鯨波のくだりも、あそこだけ切り取ると剣心が物凄く勝手で酷い奴に見える。まだ呉黒星のほうがインパクトがあったよ。原作にはいないあのキャラの登場はテンション上がるけど、中ボスの一人くらい倒して欲しかったな。


・るろうに剣心 最終章 The Beginning

ファイナルから続けて鑑賞。ファイナルと異なり生々しく血煙血飛沫舞う無惨な剣劇。白黒に鮮血が映える、これもまた見事で美しい画作り。
完璧な立ち振る舞いの佐藤健は言うまでもないが、有村架純演じる巴の静謐な美しさは是非劇場で堪能したい。新撰組連中らサブキャラたちはやや勿体ない使い方だが、今一つ個性のない闇乃武にしっかりバックボーンがつき、血の通ったキャラクターになった(首領の辰巳のみだが)のは良かった。
ストーリーもファイナルに比べれば元々の尺が違うとはいえよくまとまっており、剣心と巴の結びつきや想いの変化を、2人の表情の変化でよく描き出している。演出も素晴らしい。ちよっとゆっくりすぎてだるい部分もあったが、悲劇的な結末がわかりきっている物語をこれだけドラマチックに描けるとは。
ファイナルもそうだが、やたら回想で同じ場面を繰り返す。「ここが繋がってるんだよ」という答え合わせのようで、ドラマ的に効いているとは思えないな。
子ども縁が出っぱなし置き去りだったのと、ラストに飯塚のその後をやって欲しかった。
あとやっぱり、こっちの公開を後にする必要ある?
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年09月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

最近の日記

もっと見る