東京都の病床使用率66％は本当か？

東京都のホームページからのデータだと入院患者数3,964人に対して確保病床5,967床なので計算上は病床使用率は66%となる。しかし、一方では自宅療養者が26,409人、入院・療養等調整中が13,183人である。東京都の人口が約1,400万人であるがさすがに自宅療養者が26,409人は多いと感じる。この自宅療養者が本当に無症状、軽症者なのかが判断が難しい。さらに言うと入院・療養等調整中が13,183人というのも看過出来ない数値だろう。
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏の発言が物議を醸している。
◆橋下氏「医療界に制裁」ツイートに医療関係者が怒り「必死に戦ってきたのに」
https://news.yahoo.co.jp/articles/fc630b18f8461a76c4f6604b0e6bde1bd9eceafb
「元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏（52）が8月18日、こんなツイートをしたことで批判を集めている。現在、新型コロナウイルスの感染爆発で、コロナ患者の重症・中等症の病床が不足している。橋下氏は、医療界の協力不足が原因だとして、政府が医療施設に病床提供の命令を出し、従わなかった場合は“強烈な制裁”を加えるべきだと主張しているのだ。」この記事に関しては橋下氏への批判になっている。しかし、橋下氏が本当に言いたい部分はそこではない。それに対してはネット民が補足としてこう書いている。「補助金だけはしっかり貰って、コロナ患者を受け入れないような貰い得してる特定の医療機関に対して制裁が必要だという意見」「補助金もらってもコロナ患者受け入れないモラルのない病院などに制裁を加えろって言ってるだけだろ。」つまり、病床は確保したので国（？）から補助金はもらっているが実際はコロナ患者の入院受け入れをしてない（消極的）な病院があるのではないかと言うことだ。
そこでタイトルで私が言ったことの「東京都の病床使用率66％は本当か？」という話になる、実際にネットでも「東京都の重傷者用のベットは、ほぼ満床です。しかし、全体のコロナ患者用のベットでみると、４割の「空き」があることになっている。この状態がずっと続いてるのが不思議なんだよね。」と指摘されている方もいる。本当にそうだ。
８月に入ってからの東京都の新規陽性者数と入院患者数の増減は以下の通りである。
（　）内は前日増比
　 新規陽性者数　　入院患者数
8/1　3,058　　　　　3,166
8/2　2,195(-28%)　 3,231(+2%)
8/3　3,709(+69%)　3,351(+4%)
8/4　4,166(+12%)　3,399(+1%)
8/5　5,042(+21%)　3,383(0%)
8/6　4,515(-10%)　 3,383(0%)
8/7　4,566(+1%)　 3,485(+3%)
8/8　4,066(-11%)　 3,485(+1%)
8/9　2,884(-29%)　 3,525(0%)
8/10 2,612(-9%)　　3,594(+2%)
8/11 4,200(+61%)　3,667(+2%)
8/12 4,989(+19%)　3,668(0%)
8/13 5,773(+16%)　3,727(+2%)
8/14 5,094(-12%)　 3,762(+1%)
8/15 4,295(-16%)　 3,749(0%)
8/16 2,962(-31%)　 3,881(+4%)
8/17 4,377(+48%)　3,800(-2%)
8/18 5,386(+23%)　3,815(0%)
8/19 5,534(+3%)　 3,864(+1%)
8/20 5,405(-2%)　　3,845(0%)
8/21 5,074(-6%)　　3,964(+3%)
新規陽性者数の増減に対して入院患者数がほとんど振れがないのが不自然な気がする。無症状者や軽症者の比率が都度、高くなったり低くなっていると考えるには実に不自然である。病床使用率が50~66％で収まっているのが不自然に感じてしまうのも仕方ない。
そうなるとやはり、極一部だと思うが補助金を貰ってコロナ患者を受け入れていない医療機関があるのはないかという疑念が出てくるのだ。橋下氏の指摘は恐らくそこだろう。
但し、最初はコロナ患者を受けていれるつもりが他患者に人的リソースを割かれて断わざるを得ない医療機関もあるだろうから、そこの判断は間違わないことが重要だ。補助金を貰っておきながら故意にコロナ患者受け入れない医療機関には何らかの規制が必要だろう。

■感染３日連続２万５０００人超＝重症者も最多更新―新型コロナ
(時事通信社 - 08月21日 17:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6637690