続・続・アゲハミステリー

「発見」から６時間余り、
晩ご飯を終えて本を読んでたら、
ずっと網戸に張り付いていたアゲハが、
突然羽ばたいて、
ぼくの頭の周りを飛び始めた。

うわ、うわ。

本を放り出してスマホを内カメラにしたけど、
とらえられない。

それから数分間、
マダムバタフライ（マダムかどうかわからんが）は
部屋の中を飛び回り、



懸命にカメラで追いかけてるうちに、
消えた。

どこ？　どこ行った？

どこから来たのかもわからないのに、
これで忽然と消えてしまったら、
パーフェクトなファンタジー。

と思いかけたら、
ここにいた。



わかる？

本棚の奥に置いてある、
ぼくが小中学生のころに作った標本のそば。

まさか、そこを選んでとまったわけじゃないよね？

ねぇ、マダムバタフライ？


昔、子どもの頃、
近くの小川に蛍がいっぱいいて、
いっぱいとって帰ってきて、
蚊帳（かや＝もう知らないだろうな）の中に放ち、
それを愛でながら寝た憶えがある。

朝起きたら、
布団の周りにいっぱい動かない蛍や潰れた蛍がいたけど。


蝶は蛍より好きだが、
蝶と同宿した記憶はない。

いい歳して、ちょっとうれしい。

明日の朝、
マダムナミアゲハはどこにいるのだろう？

ワクワクするじゃない？