mixiユーザー(id:446503)

2021年04月25日09:17

78 view

いそっぷ社の首藤さん

昨日の朝日新聞別刷be「サザエさんをさがして」は、この連載記事のタネ本のひとつ「サザエさん事典」(いそっぷ社)の話(会員記事)。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14880051.html

なんでもこの本を出版した いそっぷ社の首藤社長(兼全社員)が自分でサザエさんを何度も読んで、著者に書いて欲しいことをノートにまとめてリクエストしたのだそうで。

いそっぷ社の首藤さんも、本に対する編集者の深い介入もどこかで読んだことがあると思ったら、「メルヘン誕生」(高島俊男、いそっぷ社)の著者あとがきに、この「メルヘン誕生」がどういう経緯でできたのかがわりと詳細に書かれてありました。

原稿の依頼があったのは首藤さんがまだ飛鳥新社に勤めていたころで、その後独立したので企画もそちらに移ったとか。著者が中国文学の専門家なので原稿の依頼が「中国のこと」ばかりだったのを嫌がり、雑談するうちに向田邦子のエッセイの話になって、そのことを書いてほしいとなった。

で、原稿を書き上げて渡したところ、冒頭部分を末尾に持ってきてほしいという。「それだと構成が変わるから書き直さないといけない」というと「じゃあ書き直してください」。

書き直して渡すと、「国民学校って何ですか?」「そんなものはあたりまえのことだからわかるだろう」「読者の中には知らない人もいるかもしれないのでわかるように書き直してください」と、がんがん主張してきたそうです。

そのかわり、「資料として昔の雑誌やパンフレットがほしい」というと、どこからともなく探し出してきてくれるのだとか。こうして首藤さんと著者の二人三脚でできたのが「メルヘン誕生」という本なのだそうです。

今回の「サザエさんをさがして」の記事を読み、ああ、首藤さん変わってないな、と思ったことでありました。本をいろいろ読んでいるとたまにこういう「偶然の再会」があるのが嬉しいですね。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する