■照ノ富士が大関返り咲き 口上は「謹んでお受けします」
(朝日新聞デジタル - 03月31日 11:45)
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日本相撲協会は、今日31日、来る5月9日に初日を迎える大相撲五月場所の番付編成会議と臨時理事会を国技館で行い、関脇照ノ富士の大関再昇進を満場一致で決めた、ですか。所属する伊勢ケ濱部屋で行われ、師匠の伊勢ケ濱親方(第63代横綱旭富士)とともに使者として部屋に赴いた一門の高島理事(元関脇高望山)と浅香山審判委員(元大関魁皇)を前にした昇進伝達式では、昭和52年の一月場所後に同様な再昇進で帰り大関を決めた魁傑(1948〜2014。引退後に放駒親方となり、協会の理事長を歴任した)の時と同様に、「謹んでお受けいたします」にとどまるシンプルな口上で対応し、この日に臨みました。
さて、モンゴル出身の照ノ富士のここまでですが、相撲留学をしていた鳥取城北高校の卒業を控えていた平成22年、当時の間垣部屋(師匠は第56代横綱二代若乃花)に入門、ビザの取得の関係で翌年の五月場所(技量審査場所)で「若三勝」の四股名を名乗って初土俵、幕下昇進まで全ての段を1場所で通過するなど順調な出世を見せましたが、入門の時点ですでに脳梗塞を患っていた師匠が平成25年の三月場所限りで部屋を閉鎖、伊勢ケ濱部屋に移籍することになり、第70代横綱日馬富士や幕内の上位で活躍していた安美錦(現在の安治川親方)などを兄弟子に持つ充実した稽古環境に転じ、その年の九月場所で新十両に昇進、四股名は「照ノ富士」となりました。
関脇だった23歳の平成27年五月場所で初優勝(12勝3敗)を果たし、三役二場所ながら「直近三場所33勝」をクリアしてその場所後に大関昇進を果たした照ノ富士ですが、両膝の負傷に加えてC型肝炎、更には糖尿病などにも罹患、大関在位14場所で陥落し、休場が続いて幕下陥落が決定した平成30年に両膝を手術。大関陥落後、師匠に何度も引退を申し出ては認められず、「必ず幕内に戻れる」との粘り強い説得を受けてもう一度新弟子になろうと決意、西序二段48枚目まで番付が下がった平成31年の三月場所で復帰、7戦全勝(決定戦進出も優勝はならず)を飾って破竹の勢いで番付を上げ、西幕下10枚目で迎えたその年(令和元年)の十一月場所で優勝(7戦全勝)して、明くる昨年の一月場所で関取に復帰。十両を2場所で通過してコロナ禍で開催キャンセルとなった五月場所を挟んで昨年の七月場所で帰り入幕、幕尻の東前頭十七枚目で優勝(13勝2敗)を果たし、帰り三役(東小結)となった昨年の十一月場所で13勝、以降、東関脇で11勝を挙げ、この三月場所は12勝で優勝。「三役で直近三場所33勝」という大関昇進の目安とされる成績を三番上回る36勝9敗と言う好成績で、二度目の大関昇進を果たしました。
優勝を決めた三月場所と大関昇進について、八角理事長(第61代横綱北勝海)は「(優勝を決めた千秋楽の一番の)照ノ富士は、焦らず冷静だった。貴景勝の方が小手に振って勝負を焦った。辛抱勝ちでしょう。照ノ富士は初日から安定して優勝するべく優勝した。膝の強化と体調管理をしっかりやれば、立派に大関を務められる。三大関は、照ノ富士に勝たないと優勝できないということ。」とコメントしましたが、師匠曰く「十日目の志摩ノ海戦で膝を悪くした。」とのことで、その一番で敗れて以降は強さを発揮して白星を重ねており、それだけ、照ノ富士が強かったと言えるでしょう。取り分け、その時点で星二つ差を付けた小結の高安が崩れ、残り五番を最後の三日間の三連敗を含む1勝4敗としたのと対照的でさえあったほどでした。
伝達式後の会見で照ノ富士は「改めて元の位置に戻った実感を感じています」と、序二段からの復活の途上思い続けていたその目標に達したことについて素直な思いを明かし、「こういう形で元の位置に戻ったこと、すべてが親方のおかげと思います」と、現在の師匠への感謝の思いを語ったそうで、今後の抱負については「素直に自分らしく前向きで頑張っていきたい。もっともっと稽古に精進して、上を目指して頑張りたい」と、昇進への決意を新たにしたとのこと。その師匠は、「本人の頑張り。病気を治すことで気持ちが前向きになってくれればと思っていた。本当に良かった。膝という爆弾を抱えているから、それをちゃんと留意して頑張っていければ、まだまだ行ける。相撲界全体で、諦めないで頑張ればやれるというものを示している」とコメントしていたようですが、史上最大の復活劇ともいえる「奇跡の帰り大関」となった照ノ富士の「三度目の伝達式」は実現するのか、そこが今後の焦点となるでしょう。
現在、照ノ富士の他には貴景勝、朝乃山、正代の三大関がいますが、昇進以降は不安定な土俵が続き、在任中すべて途中休場を経験、先の三月場所では正代が皆勤で負け越しと、やや低調な土俵が続いており、ここまでの勢いと膝のコンディションの良さを維持すれば、照ノ富士が追い抜いて「第73代横綱」になる可能性も結構あると思います。期待しましょう。
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