デスレムのたくらみ

保育園の準備が佳境であたふたしている。

・リベリオン


第三次世界大戦勃発、感情が抑制された独裁社会、炎上するモナリザから始まる恥ずかしいくらい厨二設定全開な世界観。それが極まるのが「ガン=カタ」なる銃と拳法の複合格闘術を駆使したアクションだ。
古典的で荒唐無稽な世界観に一定の現実味を与えているのがクリスチャンベールの素晴らしい演技、感情を完璧に抑制している時と、揺さぶられている時の表情を微妙に、しかしはっきりわかるように演じ分けている。その端正な面持ちで抑えに抑え、溜めに溜めた感情を爆発させてからの残り15分は圧倒的。
戦争も暴力も、人間の一部として肯定したエンディングはハッピーエンドでもあるが、苦いものも含んでいる。


・プロジェクトA


ジャッキーチェンのお家芸となるコント仕立ての「楽しいカンフー」を確立させた説明不要の傑作。のちのポリスストーリーにも繋がる、悪と権力者の不正への激しい怒りをこめた変幻自在でテクニカルなジャッキー、スマートで切れ味鋭いユンピョウ、ユーモラスながらパワフルなサモハンと三者三様のアクション。
酒場での大乱闘に始まり、船の爆破、雀荘、高級サロンでの大立ち回りと前半だけでも見せ場見せ場見せ場で退屈する余裕などまったくない。古今東西あらゆるアイデアが詰まったような格闘を惜しみなく見せてくれる(もっとも、後の作品の数々でまだまだ尽きない引き出しを目の当たりにするわけだが)
楽しさの背景には身体を張ったスタントが満載、ジャッキーだけでなくザコの1人に至るまで、高所から落とされ、竿で突かれ、自転車で殴られと笑いだけでは済まない痛々しさも完備。