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2021年03月06日09:42

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2月の。

2月に観たのは『千と千尋の神隠し』。

●『千と千尋の神隠し』
両親と共に引っ越し先に向かって居た千尋は隠れ里に迷い込み、魔女に名前を取られて『千』となる。料理を勝手に食べて豚になって仕舞った両親を人間に戻して元の世界に帰るため、謎の少年ハクに助けられつつ千は神々を癒す湯屋で働き始める。そんな話。
メイン舞台である隠れ里。まず何よりも商店街の街並みがめっさ好みだった。中国か東南アジアかはたまた日本の下町にも少し似た街並み。あそこで飲み食いしてみたい。勝手にすると豚にされるけどな。
その商店街で両親が喰った料理、そして消えかけた千尋にハクが食わせた何か、コレはヨモツヘグイだね。アレであっちの住人になる。異界のモノを喰うコトで世界線が移行する。それと『名を支配するコトで他者を支配下に置く』のもアチコチの民話説話にある掟だし『帰るトキには振り向いてはいけない』コレも黄泉のスタンダードな作法。いろんな民族的アレコレのパッチワーク。異界を訪れ、帰る物語。
湯婆婆。名を奪い他者を支配する恐ろしい魔女ではあるけど、契約に従って対処すれば対抗出来るし『子供』と云う攻略ポイントもある何処か憎めない存在。ヨーロッパのおとぎ話に出て来そうなキャラ。
彼我の境界線に置かれた石像。そして従業員たち。元々カエルの隠れ里だったのかな?湯婆婆が来て支配下に置き、温泉郷にして鉄道も敷設し、世界は変えられ新たな雇用が生まれた?あの世界の成り立ちは物語中では描かれないけど、こんな感じだとすればコレも何処か歴史上で頻繁に聞いたようなお話。
この世界は基本的にギヴアンドテイクで成り立つ。何かを貰ったら何かを返す。返さないと報いが来る。千尋の両親のように。死にかけたハクのように。カオナシは金を出し、受け取った者を喰う。コレもまたギヴアンドテイク。千尋がカオナシから札を貰うのはその前に建物に入れてあげたからかな。多分。
そのカオナシ。他者の実存を取り込まないと実体を持てない『何か』。アレは『迷い込んで夜が来て消えて仕舞った』者なのかしらね。それとも誰からも忘れ去られて仕舞い存在を失った神様なのかな。
隠れ里。てのは全く異なる時空に在るのではなく此処に、同じ時空に存在して居るが波長と云うか位相がずれた世界なのだと僕は思って居て。普段は知覚出来ず、踏み込んでもそれと気づかない。て云うか、踏み込んだコトが因果律の中で意味を持たない、そんな場所。波長が合って仕舞うと迷い込むのね。
電車内の影のような半透明の乗客。あの電車はそんな位相のずれた世界との境界で、彼らはその異世界の住人か、或いはやはり『消えて仕舞った人々』か。後者ならいずれ銭婆が救ってくれるのかもね。
まぁ、割と好きなタイプの映画だったな。つうかやぱ個人的にあの世界観がコアヒットでした。

●●●
まぁ、そんなんで。
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