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2021年02月02日02:41

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他人事とは思えないクーデター

余りにも世間がこの事件に対して無関心かつ
情報の真偽について興味を抱かない事で
僕は腹が立ったので、この深夜に少し日記を書くことにした。

僕の年代では、この国は国名を「ビルマ」、
首都はラングーンと習ったはずである。
ところが国名は現地読みを重視する傾向から「ミャンマー」に
首都は「ヤンゴン」になると知らされて
まだ現時点でも知らない人が居るというのが実に情けない話であるが
現実ではないだろうか
ところが、この国の事実上の国家元首である
アウンサン・スー・チー女史の名前は何故か知っている。
彼女は軍に長く軟禁生活を強いられながらも民主化運動を推し進めたことで
ノーベル平和賞を受賞したから著名なのであるが
実はこの国の「民主化」には国連やノーベル委員会やスウェーデン王立アカデミーには手を出しかねる深い深い闇が存在しているのである。
それが「ロヒンギャ」と呼ばれる「被迫害民族」の問題である。

現在、ミャンマーは首都はネピドーという新設の軍都に移されていて
これは民主化が実現する前の軍政時代に建設された都市であるが
そこが問題だというわけではない。
地政学的に侵略されにくい、北方の少数民族の住む州に隣接しているなど
国を治める上にはそれなりの利点があっての遷都であったから
現在も旧ラングーン、ヤンゴンが商都として栄えているのは違いなく
それ自体が問題だというわけではない。

しかし、軍は不退転の決意でこの「ロヒンギャ」を国から追放しようと
しているのに対して、スー・チー女史はどうにか国内に取り込もうとしているので
民主化は指示するけれどロヒンギャは国内に入れて欲しくない、などという
矛盾する国民感情が国内に渦巻いているのである。
従って、国際的評価が高いスー・チー女史の政治的動向も国民にとっては
微妙に映っており、今回のクーデターも起きるべきして起きたと言っても
決して間違いとは言い切れないのである。

そもそも「ロヒンギャ」とは、近年になって革新系メディアを中心に
そう新聞などで踊るようになった単語である。
正体は東南アジアにおけるイスラム系難民であり、
ルーツの殆どはミャンマーにありながら
ミャンマーからは「ベンガル人」(いうなればバングラディッシュ人)と扱われ、
バングラディッシュからはミャンマーからの難民として扱われるため
安住の地を持たない不幸な民族を指して言うのである。
ミャンマーはかなり色濃い仏教国であるから
彼らは異教徒であり、排除対象になるのは当然でありそこで衝突するのである
ところが世界的には「そこは仲良くしなさい」とやるので
いつまで経っても結論をみないのである。

僕は日本人であるから「そこは仲良くしなさい」と言える。
そういう考えの持ち主である。
しかし宗教国家というのは民族単位に加えて同じ宗教でないと
一つの塊になれない、という現実問題がある。
先日も暦について少し触れたから敢えて言うが
イスラム教は基本的に太陰暦であり、それ以外の国は太陽暦のグレゴリオ西暦を採用している。
お気付きであろうが、西暦元年とはキリストが生まれた年を意味しているのであり
「ナザレのイエスが神の子であろうはずがない」と言い切るイスラム教徒が
そう簡単に西暦を採用する道理が無い。
つまり、イスラム教徒が唯一絶対神アッラーと預言者ムハンマドの戯言を記した「クルアーン(コーラン)」を信奉している限り、多神教の仏教は否定し排除し彼ら自身がそれ以外と交われない性質も持っているのである。

ミャンマーの与党であるスー・チー女史率いる国民民主連盟とその支持者だって
大半は仏教徒であり、内心は「ロヒンギャ」の事を厄介者だと思っている筈である。
ロヒンギャも国際的支援を受けるようになると自分たちの迫害者に対して
反撃を加えたり、堕落した生活を展開したりで
民族単位でこの問題を解決する様子はなかなか感じ取れないのが現実である。
やはりミャンマー国民として主権というか国籍を確立して
自分たちの権利を守る行動に持ち込めないのが泣き所であり、
この問題の深刻さは非常に悪い状態で一進一退しているというのが
この半世紀続いているのである。
国民民主連盟は、彼らの居留地を確保する事で
他の勢力との摩擦を減らす努力はしているが
仮に「彼らもミャンマー国民です!」とやろうものなら、
国民の支持を一気に失う事は必至であり、出方に苦しんであるのである。

元々はアラカン州と呼ばれるところに住んでいた(現在のラカイン州)
イスラム教徒が「ロヒンギャ」だった筈だが、長い歴史の中で
英領ビルマから締め出されたり、ラカイン州に住む仏教徒と対立して合流したり
本当にバングラディッシュから難民として加わったり、
過去のビルマの併合で合流したイスラム教徒だったりと背景は複雑である。
しかし、イスラム教徒である以上、彼らが仏教を受け入れる事もなければ
それを尊重すべきという世界的風潮もある中で、仏教国の政府としては
これを正式に平和的に取り入れる術を見いだせないであるのである。

少なくとも軍部や保守層は、彼らは「侵略者」であるから
排除すべしの姿勢は崩さない。
長く手を拱いていた民主派のスー・チー女史ですら
ロヒンギャからすると「手ぬるい」と批判の対象になりつつあったわけである。
ここまで泥沼化してしまうと思い切った行動に出ないと
前身も後退もできない、と僕は見ていた。
宗教問題というのは血を見ないと解決しないのである。

ところが、この2月から新議会で何か動こうとしていたのか
そのタイミングでスー・チー一派、正確には
国全体を軍部の支配下に置き
与党の党首で、事実上の国家元首であるスー・チー女史と
ウィンミン大統領を軍が拘束したわけで
これは誰がどう見ても「クーデター」なのである。
ロヒンギャ問題に対して何らかの打開策を講じようとしていた矢先の出来事であり
それが国民感情の正体だとしたら、実に悩ましい問題ではないか

しかも、である。
人道的、正確には国連の主観的な人道においては
ロヒンギャの迫害など許されたことではないが
ミャンマーの内政問題に首を突っ込むにも限界があるのである。
内政不干渉、これは国際社会の最低限のルールとして
しばしば言われている事である。
ミャンマー政府が彼らを国民ではなく「難民」として扱い続けている以上
今後も解決は見ないだろう
そして、これら行動に対して仮に「経済制裁を加えたら」
これも実に大きな問題である。

現在、日本を含む多くの国がミャンマーに進出し
その経済活動に寄与するとともに多くの資源を利用している。
これを封じる事になったら、間違いなく中国が進出してしまうのである
「軍事クーデター」とシンプルに断じて制裁を加える事も出来ないのである。

しかし、宗教上の対立から「お互いに排他的」というのは
どうやって解決できると言うのか
我が国でいえば、天理市民(天理教徒)を奈良県から追い出せるか、に匹敵する
無理難題と言っていいだろう(すいません、モノの例えです)
※天理教はそこまで排他的であるという意味ではありません。仮に他の奈良県民と対立したとして、の話です。

似たような話は世界中のあちこちに存在しているだろうが
彼らがそこに独立国家を建てるというわけにもいかない。
何故なら、既にラカイン州には多数の仏教徒が定住しているからである。
エルサレムの領有権問題にも通じるところはあるが、彼らは既に国家を建築している。
ロヒンギャには国も土地も無いのである。
さぁ、どうする。さぁ、どうなる。これが半世紀以上続いているのである。

■スーチー氏拘束、事実上のクーデターか 街には兵士の姿
(朝日新聞デジタル - 02月01日 12:02)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6397084
 ミャンマー国軍は1日午前8時半(日本時間午前11時)ごろ、国軍が保有するテレビを通じ、「軍が国家の権力を掌握した」と宣言した。これに先立ち、アウンサンスーチー国家顧問やウィンミン大統領らが国軍に拘束されたと、AFP通信などが報じていた。事実上のクーデターとみられる。国軍は、スーチー氏が率いる与党・国民民主連盟(NLD)が圧勝した昨年11月の総選挙に不正があったと主張し、NLDとの緊張が高まっていた。

 国軍は、非常事態時に軍が1年間、権力を掌握できるとする憲法にのっとった対応だと説明し、NLD政権下で副大統領を務めている軍人出身のミンスエ氏が暫定的に大統領に就くと発表した。ミンスエ暫定大統領のもとで非常事態宣言が出され、国家の立法権、行政権、司法権をミンアウンフライン最高司令官に委譲するとした。

 ミャンマーでは1962年のクーデター以降、半世紀以上にわたって国軍の政治支配が続いたが、民主化運動指導者だったスーチー氏が率いるNLDが2015年の総選挙で勝利し、民主化が進められてきた。しかし、今回の事態で民主化への道が再び閉ざされる可能性がある。

 NLD幹部は朝日新聞の取材に、大臣や州首相ら複数の政権幹部も国軍に拘束されたと明らかにした。英BBCなどによると、首都ネピドーの通りには兵士らの姿がある。ネピドーや最大都市ヤンゴンでは電話が不通になり、インターネット回線もつながりにくくなっている。国軍が保有するテレビ局以外はほぼすべてが放映されていない。



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