mixiユーザー(id:555665)

2021年01月10日22:54

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怪獣を飼う女

寒すぎる。大寒までこれ続くのか。

・ミスターGO!


ゴリラが野球をやる韓国映画、というとパッケージにあるように出オチの一発ネタを想像するかもしれないが、まるで本人(ゴリラ)がそこにいるかのような非常に高品質な(ゴリラとしての不自然さはともかく)CG、周囲の疑念を吹き飛ばすような掲示板直撃ホームランは胸がすく。酒に酔うユーモラスな姿、何かを抱えているような動きのぎこちなさまで不自然でなく観客に察せるラインのクオリティだ。
主人公ウェイウェイとリンリンの絆の物語でもあるのだが、この少女ウェイウェイがどうにも好きになれず。まだ15歳の少女といえばそれまでだが、凶暴なほうのゴリラと借金取りを放置したまま機上の人になり最悪のトラブルを招く。終盤ではリンリンの怪我を押して出場させ、チームの勝利のために走らせる。間に感動っぽい演出を挟んでみてもそこにリンリンに対する気遣いは感じられない。未熟な少女の成長を描きたかったのかもしれないが見せ方が致命的でやべー奴にしか見えない。シュー・チャオの素晴らしい演技によってますますいけ好かなさが募る。
ウェイウェイだけでなく、勝手に人類社会に連れてきた挙句、活躍中は喝采を浴びせながらちょっと獣性を見せた途端に遠ざかっていく人間の身勝手さもがっつり露出させている。また稼いで返済を求めるはずの借金取りがわざわざリンリンの邪魔をしたり、何故か巨人のオーナーが土下座したり不可解な行動もいくつか見られる。影の主人公といっていい、ソン・ドンイル演じる敏腕悪辣エージェントが、人間の価値観も常識も知ったことではないリンリンに振り回されながら変な絆を深めていく姿や、愛嬌を隠し切れない借金取りの方が魅力的だ。
実在の選手たちのカメオ出演はこの手の映画ではお約束で、ファンの楽しみの一つだが、日本から中日ドラゴンズのオーナー役でオダギリジョーが出たときは吹いたし、まさかのマ・ドンソク兄貴まで特別出演。
技術・演技とも素晴らしい作品なんだけど、脚本の杜撰さ、テーマのブレを目先の盛り上がりでごまかそうとしている感が凄い。ラストのアレは今までのレイティン絡みのアレコレや動物と人間との絆を全部吹っ飛ばしていて途中までは正直不愉快でしたが、ラストに救いがあったのでまあいいか。借金取りとレイティンのほうがよっぽどいい関係だけど。


・ラバランチュラ 全員出動!


「シャークネード」製作陣による、サメ台風を溶岩グモに置き換えただけの代物。「エクストリーム・ミッション」と同年の製作なので、CG技術に関してはその辺と同程度。フィンもカメオ出演する。
シャークネードほどブッ飛んでおらず手堅い作りで、けっこうな人が襲われ燃やされて死ぬのだがとにかく(良くも悪くも)描写がユルくて緊張感も恐怖もゼロだ。ただし後半「子グモ」が○○○○○から出てくるシーンだけはやたら気合が入っていておぞましく、虫・群体が苦手な人にはお勧めしない。
サエないがやるときはやる主人公・タフな妻・うまくいっていない息子に愉快な相棒とコピペしてきたようなキャラ造形で、ストーリーも予想の範疇を1ミリも超えないがこれはこれでいいのだろう。序盤のシーンが命綱になる構成は意外で感心してしまったし、映画とロサンゼルスへのリスペクトが詰まったクライマックスの演説にはかなりグッと来た
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