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2021年01月02日05:58

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プロDD・M 〜その93

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

「わぁ!うるさい女だなぁ、少し眠ってもらうよ」
 突然、セキの手の内にあるトアピががっくり倒れた。
 樹海の入り口に、ベンチを設置したセキは、そこにぐったりしたトアピを座らせた。
 その様子は、各所に仕掛けられた監視カメラから確認できる。
 おそろしく速い手刀……。俺でなきゃ見逃しちゃうね。
「ジュカイ!早く助けに行くぞ!」
「ダメだよ」
 マチネが行こうとする。だが、俺はそれを止める。
 マチネは確かに強くなった。だが、あの男にはまだ勝てない。ましてや、雲のサーカス団が揃ってやがる……。
 奴ら、欲しいものは必ず手に入れる。何人やろうと構いはしない、この大陸では恐れられた盗賊団。
「ジュカイさん、俺が行ってこようか?」
「いや…アッキーと、クロレラメンはバレていない。ここで奴らと事を構えるのは、損だろう?お前たちは、裏口から逃げろ」
「まぁ、ジュカイさんがそう言うならそうさせてもらうけど…」
「マチネも連れてけよ」
 小僧がいても邪魔だからな……。
「なんでだよ!俺も戦う!」
「お前にはセキの技、どう見えた」
「はぁ?トアピがぐったりしてんだろうが!それどころじゃねぇよ!」
「失格だ。まだお前にセキは早い」
「は……うっ」
 俺は手刀でマチネを気絶させると、アッキーに預けた。
「やれやれ……厄介ごとを運んでくるもんだな」
 ふぅ〜〜〜〜〜、面倒だなぁ……。


「わぁ!やっと出てきたみたいだね」
 団長は、笑っているともいないともとれる表情でジュカイを見た。
 というか、あれがジュカイかぁ…。わしと同じぐらいの優男やな。
 あ、わしは雲の4番を持つオルマンゴってもんや。
 入れ墨は額に入れさせてもらったわ。
「団長、わし、ちょっと小便したくなったんやけど、してきてええか」
「わぁ!全く仕方のない男ですねぇ…。その出禁バリアという能力は重宝しているのですよ」
「まぁええやんか、すぐ戻るわ」
 わしは少し歩くと、ズボンのファスナーを下ろした。
「ふぅ……疲れがとれるわぁ……」
 その時だった。
 ぐばぁあああ!!突然、木の根っこが、わしの首に巻き付いた。
「ぐ、ぐるじ…」
 な、なんや!わしは一体何に襲われとるんや……。
「ぴっぽろぽん!!」
 すぱあああん!わしの首は宙を舞った。

「わぁ!オルマンゴ、遅いですね…」
「大変だ!団長!!オルマンゴがやられた!」
「わぁ!」
 俺はゆっくりとセキへ向かって歩いていた。
 お前ら、一体誰を相手にしているかわかっているのか?
 ここは俺のフィールド。誰一人逃げられやしない。
「わぁ!まさかこの森全体が生きている…?じゅ、ジュカイめぇ〜〜〜!」
「わかるよな?セキ。俺は元第弐席、お前は何席だ」
「わぁ!わぁ!わぁ!」
「あがいてみるか?」
 おっと、セキには奥の手のプロレス技があったね。
 だけど、この状況で活かせるものかな。
「わぁ!」
 マシンガンチョップ……常人には見切れない速度、だが、このジュカイには通用しない…。
「わぁ!」
「その程度か」
「ディーポ!」
 セキが団員を呼ぶ。
「応!」
 さすがに気づいていたか、他の団員は全て始末した。
 2人の立体的な連係攻撃も、俺には全て見えている。
「わぁ!我々の連携が通用しないなんて…」
「気にすんな、お前らが弱いんじゃねぇ。俺が強すぎるんだ」

 俺は警戒せねばならない。
 こいつらではなく、この先にいる人物を…。
「わぁ!ディーポ!あれだ!あれをやるぞ!」
 ふぅ〜〜〜〜、こいつらも、今までかなり殺してきたんだろう。どうでもいいんだが、
「殺しの数は俺の方が上だぜ?」

 風が吹いた。
 2人の攻撃をかわした直後、俺は血を吐いた。
「困るねぇ……やりたい放題じゃない?俺、キレちゃうよ?」
 現れた男は、予想通りだった。
 十傑檸檬第玖席ケイピー……!!

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