メディアワークス文庫週間の合間に、本日は集英社文庫。
「いちご同盟」で三田誠広氏の1990年の著作。
この本は、漫画「四月は君の嘘」で登場して、
昔読んだのをおぼろげながら覚えていたので、
読み直さねばと思っていた一冊。
「四月は君の嘘」の主人公が重ねた劇中本の中の情景は、
ラヴェル作曲の「亡き王女のためのパヴァーヌ」
がポイントになっていて、年代からすると、
佐藤史生女史の「死せる王女のための孔雀舞」
の影響もあるのかなと思ったりします。
そして「いちご同盟」の劇中に出てくる本は「二十歳のエチュード」。
案外意外に思いました、同じように挫折で悩んで自殺するまでの話は
著者が女性の「二十歳の原点」辺りの方が向いているかなと。
「いちご同盟」の出版された時期は、
もう学生運動自体覚えている人も随分減っていて、
こう言った本から伝えられるものが殆どでした。
私も「二十歳のエチュード」や「二十歳の原点」
は中学生の時に読みましたが、
多感な時期には危うい感じのする本でした。
まあ、虚弱だった小学生の時期に
もっと危うい本を読んでいたので耐性はありましたが。
改めて、ストーリーに道筋を付け直す劇中本を追いかけるのも
読書の一つの楽しみだなっと思う訳です。
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