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2020年12月23日01:55

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木綿のハンカチーフ

宮本浩次のカバーアルバム「ROMANCE」の中でも出色の出来といえるカバーの1つが、「木綿のハンカチーフ」。
知っての通り、この曲は男女の立場を交互に描写することでその悲しいすれ違いを歌ったものだが、これまでずっと健気な女に感情移入衣し、男は勝手でひどいやつだと思って聴いてきた。
太田裕美が歌うのだから当然そうなるともいえる。

しかし、宮本ヴァージョンを聴いて思ったのは、男、けっこうがんばってるじゃないか、それに対して女は素っ気なさすぎじゃないか、ということだった。
すっかり男の側に感情移入してしまったのだ。
まさにカバーによって、曲の印象が、百八十度がらりと変わったのである。
カバーでここまで歌の印象が変わるというのは、初めての音楽体験かもしれない。
まあ、女が歌えば女に感情移入し、男が歌えば男に感情移入するというのは、考えてみれば当たり前のことかもしれないが。
でも、女であれ男であれ、歌手の表現力があればこそ、それぞれのリアリティが際立つと思うのだ。

宮本が歌ったことで、「木綿のハンカチーフ」という歌が本来もっていた両面性が、初めて顕現化した、といってもいいのではないか。
そうなるように歌詞を書いた松本隆が1番すごいような気もする、かな?





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