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2020年12月21日11:41

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ROMANCE

宮本浩次のカバーアルバム「ROMANCE」に、今すごくハマっている。

以前NHKの「SONGS」に出演した際、ストーンズとかRCを好きな自分を出すのがバンド(エレカシ)で、歌謡曲を好きな自分を出すのがソロ、と宮本自身が語っていたのだが、それでいうと、まさにこのカバーアルバムは、ソロならではの作品ということになる。
全て女性歌手の曲、というのは、徳永英明と同じパターンで、そのへんは戦略的なものだろう。
カバー自体が、ここ数年のJポップのトレンドでもある。
しかし、とりあえず歌ってみました、みたいなカラオケレベルと大差ないカバーが少なくない中、宮本のカバーは、オリジナルの歌の世界に深く入り込み、しっかり咀嚼した上で自らの表現へと昇華した、本物のカバーである。
だから、どの曲もオリジナルに匹敵するクオリティをもった仕上がりになっているし、オリジナルを超えたといっていい曲も少なくない。

しかし、そういうカバーとしての出来以上にポイントなのが、純粋に宮本の歌や声に浸れる、といいうことである。
エレカシでもソロでもオリジナル作品の場合、歌詞、メロディー、サウンドなどを含めたトータルな音楽として受け止める。
歌詞の意味やメロディーの良し悪し、サウンドの緊張感とか、いろいろ気にしながら音楽を聴くわけである。

けれど、カバーだと詞も曲も人のものだし、このアルバムではアレンジも全面的に人に任せているので、ファンとして聴くべきポイントは、宮本の歌一点に絞られる。
しかも、カバーだと宮本はすごく丁寧に歌うから、より歌に浸りやすかったりもする。
改めて、その声の良さ、歌の上手さ、表現力の素晴らしさに、しみじみと酔いしれる。
それは、これまでの作品では味わえなかった、とても新鮮な音楽体験となった。

そして、「歌手・宮本」に特化したことで、世間的にも受け入れやすくなり、アルバムはキャリア史上初の1位を記録。
これは当然第2弾、3弾へと続いていくだろう。
それはそれで楽しみだけれど、あくまでもこのカバーは、宮本の表現の一部でしかない、ということは、強調しておきたい。
このカバーアルバムの成功が、エレカシの人気へとフィードバックしてほしいけど、果たして――?

では、アルバムから「あなた」と「異邦人」の2曲を紹介。



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