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2020年11月02日22:33

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【本】塩田武士著『騙し絵の牙』(角川文庫刊)

皆様、お今晩は。塩田武士さまの『騙し絵の牙』(角川文庫刊)を読了致しました。その感想です。

出版業界の不況の煽りを受ける大手出版社「薫風社」は、社長の急逝によって次期社長争いが勃発し、専務の東松による大改革が始まり、雑誌が次々と廃刊の危機に瀕することになった。
カルチャー誌「トリニティ」も例に漏れず、編集長の速水は雑誌存続のために奔走することとなる。速水は黒字化のために大物作家の連載や映像化、タイアップなど新企画を探るが、どれも成果が振るわず、薫風社を退社する……

ここまでが340頁ある本編の話で、どこが騙しあいの話なんだ?と出版業界の事情は片目で見ている程度では存じておりますし、作家の先生とも、編集者の方とも、取次の方とも、書店員の方とも飲み友達だったので勝手知ったる世界を巧い事描いているなぁ……と思ったら、何とこの小説、プロローグとエピローグが同じ絵の裏表みたいな構成になっていて、全巻読んでから再度プロローグを読んでみると既にその時点で伏線が張られていた事に唸ったのであります。この本を原作にして来年映画が公開されるようですが、どの様に化けているのか早くも楽しみであります。
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