最新のハリウッド映画、ミッドウェイを見ました。
第一印象は、日米が総力を挙げて戦った空前絶後の大海戦をアルマゲドンのようなノリでやられてはかなわんなー。
というものでしたが、間違った映像ではないので苦笑しました。
ふと、ロシア人は日本人が作った日本海大海戦の映画を見るのだろうか?とも思いました。
これを見て再び思ったことは、何とも惜しむべきは開戦時のパールハーバーの中途半端な攻撃だな、ということでした。
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ミッドウェイ海戦では、日本側の情報は暗号解読されて筒抜けで、米国側は準備万端で手ぐすねを引いて待ち構えていた。
ミットウェイ島では映画監督まで来て戦争映画を撮ろうとしていた。
それなのに日本軍は、敵空母は居るのか居ないのか?とか、空母艦上で飛行機に爆弾を積んだり、また魚雷に積み変えたり、、、
戦場で敵に囲まれたときに、えーと、武器は何処だ?みたいなありさまだ。
しかし、米軍のアベンチャー雷撃機はお粗末で、1発の魚雷も空母に命中させることはできなかった。
海域内で待機していた米潜水艦でさえ魚雷を命中させることができなかった。
やられたのは当時既に命中率が高かったドーントレス急降下爆撃機による爆撃だった。
しかも甲板上には弾薬を積んだ飛行機が、撃ってくれ、と言わんばかりに並んでいたのだ。1発命中すれば爆弾が誘爆して恐るべき結果となった。
もし日本側が空中に十分なゼロ戦を待機させていたなら、ドーントレス爆撃機などあっという間に撃退していたことだろう。
また、日本軍の雷撃機、急降下爆撃機の命中率は当時の米軍に比較して圧倒的に高かったので、早期に敵空母を発見して攻撃態勢を整えていれば、日本側も多少の損傷は免れないとしても米軍空母は3隻とも撃沈出来たであろう。
これは山口多聞少将率いる第二機動部隊の飛竜が、あの大混乱の中、手持ちの艦爆機だけでヨークタウンを大破させたことからも類推できる。
もし、更に命中精度が高い魚雷を積んで出撃していたなら飛竜だけで米空母三隻を大破出来ていたかも知れない。
このことを考えると、パールハーバーでの第一次攻撃だけの撤退は何とももったいない。
南雲中将の時間通りに大艦隊を誘導した操艦技術は認めるが、もし山本五十六長官が陣頭指揮ということで赤城に乗り込んでいたなら、迷わず第二次攻撃で真珠湾の石油タンクを爆破し、ハワイに戻ってくる空母三隻をその場で撃沈・大破していたことであろう。
映画では、米空母のドーントレス爆撃機の乗組員が日本軍真珠湾攻撃の後に逸って、「ちっ、日本軍はもう逃げたか!残っていれば撃沈してやったのに!」みたいなシーンがあったが、笑わせるな!というところだ。
ニミッツ提督は、パールハーバー後のあの程度の状況でも太平洋艦隊司令長官に抜擢されることをやや躊躇した。
もし膨大な石油タンクが爆破され、空母三隻が撃沈されていたなら、ニミッツは司令長官を引き受けただろうか?
いや、誰もなり手がいなかったかも知れない。
戦争とは憎しみや恨みでやるものではなく、勝算でやるものだから。
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