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2020年09月06日17:56

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ジーロくんアルバム

[あらすじ] 母87歳パーキンソン病ヤール4要介護5認知症状少々、
6月末に特別養護老人ホームに入居。
飼い犬ジーロくん去勢オス慢性腎不全癲癇の既往有り、
8月24日に15歳1ヶ月で息を引き取る。

2ヶ月の間、しっかりと犬の最期をみてやることができた。

最後の頃は、家の周辺ほんの数十メートルの範囲を
とぼとぼと歩いたり立ち止まったりして、
オシッコを1、2回して、うまくいけばウンチを済ませるのが、
散歩だった。

人間の歩数にして、せいぜい700歩というところ。
かと言って、いつ目を覚まして、起きられなかったり、
ウンチに尻餅をついたりするか分からないので、
犬を家に置いて自分だけ散歩しに行くわけにもいかない。
私はひどく運動不足になった。



犬が死んで数日は、何をしていいか分からなかった。
朝起きたらすぐに自分の用便を済ませ、急いで身支度をして、
犬が目を覚ましたらまず外に出してやった。
起きたらすぐにオシッコしたいもんね。
その必要も無い。

昼間はいつ外出しても良い。というのがなかなか分からない。
ゆっくり品物を選んで買い物してもいい、
友達と会ったら時間を忘れて立ち話をしてもいい、
何か思い付いたら寄り道していい、
ドリンクバーを注文して居座ってもいい。
急いで帰らないと、待っている犬がいる、ということは、無い。

部屋の扉を急に開けても大丈夫だし、
缶ビールを勢い良く開けて「カシュッ!」と音を立てたり、
納豆のパックを「パキッ!」と割っても、
プラスチックの緩衝材を「パンパンパンパン!」と破っても、
ビクつく犬は、いない。



朝、自分の散歩を再開した。
トイレットペーパーやポリ袋は準備しないでいい。
私は外でウンチをしない(はずだ)から。

麦茶をペットボトルに入れて、スマホを持って、家を出る。



近過ぎる特養へは、まっつぐ歩いて25分だった。
5時を回ったばかりである。
夜勤の人がいるとは言え、持って来た手紙などは、
郵便受けに入れた。



差し入れとして、犬ジーロの写真のアルバムを持って行った。
特養に入居するまでの2年半、母は訪問介護のお世話になった。
何人もの介護士さんやヘルパーさんが来てくれたが、
そのうちの一人が、犬の写真をスマホでたくさん撮っていた。
それをある時、アルバムにしてくれたのだ。

写真には、小さなシールが貼り散りばめられ、
その人の人生訓のようなメッセージが書き込まれている。

犬を見るその人の視線を感じられる、良い写真だ。
犬も、安心して寝姿をさらしている。

「ジーロくんにベロチューされちゃいました!」
と、ずいぶん早い時期に言っていたっけ。
かなり好きだったようだ。

そのアルバムを、特養の母に届けた。
見られなくなるのは残念なので、
一枚一枚を取り出して、写真の写真を撮った。



読者の皆さまにも、おすそわけ。
これが、ジーロくんアルバム。
https://blog.goo.ne.jp/photo/438561/sl
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